sumika[camp session] Billboard LIVE
2024年5月29日
sumika[camp session]のBillboard大阪に行かせていただきました。
初めてのBillboard、初めてのsumika[camp session]。
何日も前から考えていた服装は当日になって結局違うものに。
心構えも自分の身なりもいつものライブとは違う。
新しいことへの好奇心と落ち着きのなさにじわじわと蝕まれながら会場入りしました。
Tシャツ等のラフな格好で出迎えてくれるスタッフさんは1人もおらず、第1ボタンまで締めたフォーマルな格好で手厚く迎えてくださり、普段の生活とは一変した景色にここはどこ状態。
あまりにも場違いではないかとたじろいでしまいそうな自分は今からライブを見るだなんて頭になりきれないほど。
もう既にフワフワ幸せなのに、ライブを見てしまえばどうなるのだろうともはや疑心暗鬼で。
ずっとそわそわ落ち着かなくて、でもずっといたくなるような心地良さもあって、とっても不思議な空間でした。
そんな中、静かに暗くなる会場。
暗転した会場に拍手が響き渡ると、先程まで非常口とマークが目立っていた扉からメンバーが出てきました。
席の間をペコペコと腰低くほんの数cmの距離までを通過していく。
もうこの時点で[camp session]の距離感バグを痛感しました。
想像と違うという点がここで1つ。メガネや帽子は付けずに原色カラーのシャツを中に着て、スーツスタイルで登場したsumikaC。かっこよすぎではないですか。
思わず叫び出しそうな自分を抑えるのに必死でした。
Billboardの雰囲気に合わせて来たのでしょうが、こちらの気持ちがもちません。
「どうも〜」「近いね」
などとゆるーく始まるMC。もうなんかそこにいるもんですからこっちはヒィヒィです。
「せぇーの 「「sumika [camp session]です」」」
片岡さんの掛け声におどろおどろしくふたりが続いて挨拶。もうなんて緩いの。
特有の距離感になかなか慣れません。
1.知らない誰か
軽快なドラムから始まるこの曲。
[camp session]の代名詞と言っても過言ではないのでしょうか。
前後左右、会場全体の今日初めましての知らない誰かは、ライブが終わる頃までには知らない誰かではなくなる、そんなことを描いた曲です。
とっても片岡らしいなぁと思う曲。
イントロで手拍子をしていたら、片岡さんが「疲れちゃうだろうから歌っている時は手拍子休んでね」と声をかけてくれます。
そして1番終わりの間奏では、「こういう時手拍子欲しいですね」と言ってくださるのですが、1番で聞き入っちゃって忘れちゃうんですよ。
ライブが終わるまでにはと話していましたが、この曲を聞き交えた時点で知らない誰かはいなくなりました。
2.ユートピア
1番前の間奏での谷川さんのギターがどこか沖縄民謡を連想させるような音で、また一味違うユートピア。
1番終わりの間奏で片岡さんが「おがりん」と声を掛けて始まる小川さんのピアノ。
私の席が小川さんの後頭部を常に見られる位置にいたため、メンバーが小川さんに向けている視線を延長線で感じることが出来たのですが、皆さん揃いも揃ってすっごくにこにこしていました。本当に楽しそう。
みんな小川さんのことが音が本当に大好きなのだと伝わってきました。
勝手に愛の流れ弾もらった気分です。
2番のAメロで片岡さんが自身の頭を片手でしかもグーで叩きながらこちらの手拍子を煽るのですが、見るからに結構な強さで叩いていそうで勝手に心配。
楽しそうでなによりなのですが。
「銀ピカなのがいいよね」はこちらにも声を求めてくるパートでした。
ここ要求するセンスが好きです。
3.うみべのまち
片岡さんのソロ盤に収録されていたこの曲は調べてみたところ[camp session]で高確率で歌われています。
私は初めて聞くことが出来ました。
この曲途中で口笛吹いてましたよね?
口笛とともに確か曲調も変わって、片岡さんの口笛が新しい風を運んできたような感覚になったのを覚えています。
メロディーは明るいのに、 どこか寂しさを感じる雰囲気も。
ノスタルジックな気持ちになる曲だという印象があります。
こういった曲に片岡さんの声が合わさったらそれはもうとんでもない。温かさがマシマシ。
サビで小川さんがシェイカーをもっていたのですが、普段のsumikaであればおそらくパーカッションの方がもつようなものを少人数のcampでは小川さんが担うという、最近のsumikaのライブではなかなか見ない姿。
sumikaはよくサポートありきのバンドだと話していますが、多彩な彼らはきっとcamp程の人数でも確実に成り立つバンドです。
それでも人の縁を借りて少しずつ人数を増やしてきたsumikaは、人との繋がりを大事にして、またそれを誰かの住処に繋げているのかなと思っています。
シェイカー小川さん可愛かったです。
4.Traveling
確か「うみべのまち」が終わってすぐくらいに荒井さんのドラムがゆったりとしたリズムを刻んでそこに徐々に音が加わっていく時間がありました。
会場の雰囲気も相まってすんごくおしゃれで聞き惚れてしまいました。
そんな中
「いいと思ってない」
と歌が聞こえる。
まさかの「Traveling」。
息が詰まりそうでした。
イントロからの「トゥトゥトゥ…」が綺麗すぎてもう息が止まってました。
「排水溝に〜」のところもちゃんと言ってました。
「瞼冷やしておくから」のMVでのフリが大好きなんですけど、ライブでもされているのを見てしまいました。えぐいです。
そしてそして「おかえり」の破壊力。
ビルボードの近さで聞いてしまって唇噛み締める事態。
重罪って自覚ありますか。
5.ソーダ
いつもより明るい曲調を感じ、遊び心のある音に新鮮さと面白さ。
アウトロを演歌のようなこぶしの効いた声で片岡さんが歌っており、そんな声も出るんですねと驚き。
最後の「ベルを鳴らした」では普段の柔らかい声に戻って突然のギャップにやられまくり。
全力で体を動かすソーダではありませんでしたが、ユーモア全開のソーダに心はうきうき。
この曲はメロディーがしっかりしてるから何しても楽しいです。
ここで少しのMCタイム。
メンバーの紹介もあり、その時荒井さんが次の曲のためにドラムセットからカホンの方に移動していたのですが、カホンに座ってしまうと谷川さんが見えないという自体を気にしてかずっとカホンの横で小さくしゃがみこんでいました。人の良さと可愛さが愛おしくて抱きしめに行くところでした。
6.チョコレート
小川さんのピアノをメインに荒井さんのカホン、片岡さんはボーカルと3人構成。
キラキラとしたイメージがある普段のチョコレイトと異なり、落ち着いたキーのピアノ(しかもグランドピアノ)で奏でられる音は、また一味違う。一回り大人になった雰囲気がありました。
ラスサビ近くで小川さんがピアノをとめて、カホンだけがリズムを刻み、会場が手拍子をして、ほぼアカペラ状態の時間。
片岡さんの声だけなのに、さっきまでのピアノが脳内で聞こえてくるくらい片岡さんの声には華やかさも厚みもあって、ボーカルの強さを改めて実感。
この時谷川さんが大きく一緒に手拍子をしてくれていたのが見えました。なんていい人。
7.ダンシングドール
恥ずかしながら私はこの曲、曲名自体も初めて聞くほど初めましての曲でした。
ジャズ調のリズムをきざんで、思わず裏拍で手拍子したくなるような曲。
個人的にこういう曲調と片岡さんの声すっごく相性がいいと思うんですよね。
個人的にこの曲が大好きです。
「惰性のマーチ」が好きな方はもれなくお好きだと思われます。
初めて聞いた曲ということもあるのだと思いますが、片岡さんの雰囲気がさっきと変わった気がして、色気だか妖気的だか言葉にするのは難しいですがものすごく惹き付ける何かがあって目が離せませんでした。
音源化していただけませんか、何卒。
8.IN THE FLIGHT
先程までグランドピアノを弾いていた小川さんはピアノの上に置いていたキーボードに移り、さらにエフェクトの効いたギターがいいアクセントに。
間奏で普段はトランペットが入る音を、小川さんが鍵盤ハーモニカでアレンジを加えていました。
小川さんが鍵盤ハーモニカを吹く様子は何度か見たことがありますが、どうしてあそこまで息が続くのか不思議でなりません。
声量含め、小川さんの肺活量ほんと凄い。
私の記憶違いも十分考えられるのですが、サビで小川さんが下ハモを歌っていた気がします。
比較的レアな下ハモ小川さんもまた違った安心感でとても好きでした。
9.ふっかつのじゅもん
ギターが強くかき鳴らされるこの曲は、ギターの音を代わりに小川さんのピアノが担うというアレンジに。さらに片岡さんはアコギで。
いつもの疾走感、無敵感はそのままに、ピアノがメインになることで上品さが増した曲になっていました。
マリオのスター的なそんなイメージ。
合間に入る合いの手は煽られた雰囲気もあって、遠慮なく言える環境でしたが、座っている体制のせいか、なかなかいつものように声を出すことは叶いませんでした。
ここはおしとやかに参加させていただきました。
恒例のギターソロは小川さんがピアノで弾いてくださいました。
小川さんが弾くこのパートは何度か聞いたことがあるのですが、少しずつアレンジを加えて弾いている気がします(確信がなくてすみません)。
今回もまた新しいピアノソロで。
このアレンジは事前に考えてから弾かれているのか、はたまたその場の気分で手が動いているのか、どちらにせよアーティストって本当に凄い。
ここで挟まれたMCで、小川さんの配置の話に。
荒井さんから見るとグランドピアノのスタンド部分で小川さんの顔が見えないということで、こうしたら見えるか、こっちがこうしてみるか、と2人でひょこひょこさせてるのがなんともかわいらしくて。
毎日嫌でも顔を合わせている関係だろうに、顔が見えない、見えるために動きたいと話すsumikaはどこまでも愛おしい存在です。
「次で最後の曲です。」
と片岡さんが話すと会場から驚きの声が。
「でもこれくらいがまた会いたくなるでしょ。」
と片岡さん。罪なひと。
「焼肉だって毎日はしんどいでしょ。」
と言うと、そんなことないと言いたげな会場。
「じゃあ毎日焼肉食べたいって言って。」
と謎のお願いに、素直に応じる我々。
言わせた本人は、宗教みたいとケラケラ笑っていました。
10.Starting Over
原曲よりゆったりとしたペースで穏やかに流れていくようなアレンジがされた「Starting Over」。
キーも少し低かった気がします。
原曲では、背中を見せて引っ張ってくれているような印象を持ちましたが、このアレンジでは、隣で歌ってくれているような距離感。
何かをしようと言うのではなくずっと隣で座ってくれているようなまた違う温かさを感じました。
まさに[camp session]を表しているようで。
最後の「喜びや悲しみや」のところでは、一呼吸おいてから、片岡さんがアコースティックギターで一人で弾き語り。
このパートを片岡さんの声で聞くのは初めてでした。こんなに優しく、でも力強くも歌うのかと片岡さんの表現力には毎度の如く脱帽です。
アンコール
11.浮世パスポート
アンコールにこの曲をもってきたとわかった時、とてもぴったりだと思ったんですよね。
[camp session]での雰囲気を心底理解しているなと。
宴の後の名残惜しいけど楽しい時間、それを連想させる力がこの曲にはあると感じました。
sumikaの笑顔をこんなに間近で見れる機会はそう滅多にない。
本当に楽しそうにライブをするもんですから、そりゃあ音楽だけじゃなくて彼らも丸ごと好きになりますよね。
“あなたが笑えばそれでいいさ”
初めましてのsumika[camp session]。想像以上に良かったです。
ビルボードの雰囲気も[camp session]の距離感も、ならではのアレンジも。
何もかもが新鮮で、でも普段のライブのようにあっといわせるライブというよりは、既に自分の中にあったような気づいたらもう馴染んでいる不思議な感覚がありました。
後者のライブの方が難しいと個人的には思うのですが、それを何年ぶりかの[camp session]でやってのけるsumika、恐ろしや。
小川さんのグランドピアノがたんまり堪能できたのが幸せでした。
MCもポロポロっと話す一人言のような軽やかさで、会場の声もたくさん拾ってキャッチボールをしてくれて。
思わず笑みがこぼれたり、声に出して笑ったり。
感覚的にも時間的にもあっという間だったのにこの満足感。本当に贅沢な時間。
まだまだたくさん味わいたいのでまたの機会をじっくりと待っています。
sumika[camp session]、Billboard様、素敵な時間をありがとうございました。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
一度のみの参戦だったため、かなり記憶が曖昧なところもあり、間違いもあるかもしれません。その時はご指摘いただけますと幸いです。
それでは、またどうかでお会いできますこと楽しみにしております。