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【ライターの仕事】とびらを開く~仙台ZINEの森実行委員会
2024年10月28日付河北新報夕刊に執筆した、取材記事のアーカイブです。
毎週月曜日に掲載されている、宮城県内の市民団体・NPOの活動を紹介するコーナーです。
ーNPOの輪ー
私たちの周りでは、たくさんの市民団体・NPOが地域課題の解決などを目指して活動しています。「認定NPO法人杜の伝言板ゆるる」と「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」が交代で担当し、さまざまな団体の活動や地域課題について伝えていきます。
仙台ZINEの森実行委員会
仙台市内で活動するZINE(ジン)の作り手12人が集まるイベント「仙台ZINEの森」を企画運営。
ZINEとは、個人やグループが自由なテーマや手法で作る出版物です。文章、写真、コラージュなど表現方法は自由、扱うテーマも、文学、アート、サブカルチャー、地域情報など様々です。
最近は、ZINEや小規模出版など、いわゆる大衆向けではなく個々の視点や主張を自由にカタチにして発信する動きが活発です。東京でZINEフェスが開催されたり、東北では、秋田や盛岡で展示販売イベントが開かれているようです。
仙台でもこれまで、市民が主体的に関わる本や出版の活動がありました。2009年から本の魅力、読書する時間の大切さを伝えていくことを目的に、一箱古本市や、本に関係するトークイベント、講座など様々な活動を展開してきた「Book! Book! Sendai」(現在休止中)。
今年、2019年から5年間の活動を終了した「ブックハンターセンダイ」は、自主制作本の展示販売会をメインに、本の情報交換、宮城のアート作家と言葉を掛け合わせたコラボ企画など行ってきました。
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イベントを運営する大泉さんごさんは、「仙台でもZINEを気軽に楽しめる場をつくりたい」という思いを、今年4月に仙台市内で行われたZINEづくりのワークショップに参加した際に出会った作り手に提案してみました。すると「楽しそう、おもしろそう」と、賛同が得られ実施に向けて動き出すことになりました。
会場は、ギャラリー「チフリグリ」に決まりました。一番心配だったのは、出展者募集でした。審査無しの先着順とし、チラシやWEBで、恐る恐る募集を開始したところ、締切日を待たずして、定員に達しました。なかには、関東や福島からの応募者もいたようです。
大泉さんは「自分を自由に表現できるZINEは、相手と近い距離でやり取りできるのが良いところの一つ。好きなこと、大切にしていること、伝えたいことを、安心して『ひらく』ことができる場所にしたい」とイベントに込めた思いを話します。
SNSなどを使って、誰でも発信者になれる時代ですが、紙を使って作ることが多いZINEは、リアルなつながりを実感できるコミュニケーションの手段として、今に求められているのかもしれません。
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私の原稿は、河北の担当記者が校正し、整理部で見出しや写真、キャプションを整えて掲載されています。新聞紙面掲載記事は、河北新報ONLINEからどうぞ。
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(ウチソト編集室ライター葛西淳子