鼻中隔矯正術 入院編③手術当日夜
痛くて眠れない…
手術が終わったのが夕方、そして麻酔が完全に抜けたのは19時頃だったと思う。
5時間前と同じ人ですか?と聞きたくなる程テンションがダダ下がり。
痛い…痛い…痛ぁーーーーい
例えるなら、ドッヂボールを顔面で受けたあの瞬間がずっと続くイメージ。
ずっと顔面でボールを受け止めているのだ…
そして腕には様々な管。
心電図、血圧計、酸素濃度計、点滴の4点セットで体が動かせない。
この拘束が地味に精神を蝕んできた。
そして機械音。
定期的に足元で鳴る割と大きめのピーっという音。
昨晩、隣の部屋から聞こえてきて眠れなかった正体が
今日は私の足元にいる。
お前だったのか…心電図計…
私は特に不安が強い性質なので、事前に手術当日の付き添い(泊まり)の許可を貰っていた。19時半頃、付添いが母からパートナーに交代。
その頃私は顔面が痛すぎて、話す気力もなかった。
想像では、執刀した鼻が局所的に痛むのだと考えていた。
しかし現実は、発熱37度台、頭痛、目の奥の痛み、歯痛の地獄だった。
私は平熱が36度前後なので37度まで上がると正直かなりしんどい。
しかし看護師さんは検温の度、軽く平熱扱いして去って行く。
(痛みどめは6時間おきに貰える、最悪座薬という手段もあるらしい)
20時頃、病室に簡易ベッドが運ばれて来る。
簡易ベッドは想像していたベッドではなかった。
キャンプ用ベッドだった。
あつ森をプレイした人なら分かるであろう
あの最初のベッドである。
このベッドが、ものすごく軋む。
尾崎豊もドン引きするくらいに軋む。
ギシギシを通過してブリブリブリッと大音量で軋むのだ。
しかしあまり気にせず「寝心地が良いね」などと言うパートナー。
痛みが更に増す私。
熱もじわじわ上がっていく。
全身麻酔の前に説明されていた通り喉も痛い。
コロナの時くらい痛い。
鼻に詰めてる綿球を貫通して鼻血が滴り落ちる。
地獄である。
22時に病棟の消灯時間を迎え、一旦電気を消してみる。
眠るパートナー。
そして始まるデカイいびき。
個室と言えども隣の大部屋の人の咳が聞こえるくらいに壁は薄い。
私はパートナーのいびきのデカさに隣に迷惑をかけてるんじゃないかと
冷や汗をかき始める。
水分は手術後ほとんど飲んでいない、ストローで少し口に含んだ程度だ。
しかし、点滴をしているため2時間おきにトイレへ行きたくなる。
あらゆる管で繋がれているため、その都度ナースコールをして外してもらわなければトイレにも行けなかった。
ナースコールを夜中にするのも気が引けて、本当に地獄だった。
点滴の管があちこちに当たって痛いのも辛く、手術後着せられていた浴衣のような服が更に私に困難をもたらす。
この、正式名称も知らない術後の服は、心電図をつけているため胸元ははだけて
浴衣状の布のおへそあたりで緩く結ばれているだけの代物である。
手術の際に身につけた着圧ソックス(病院から支給)も履いたままなので
はたから見れば、私は
両鼻に詰め物をして着圧ソックスを履いたほぼ全裸の女なのである。
これ以上の辱めがあろうか。
病室に鏡が無くて本当に良かったと思う。
後にこの格好を「とても破壊力があった」とパートナーは回想する。
この後更なる苦難が私を襲うことになるとは、まだ知る由もなかった。
つづく