衛星画像が経済分析に使える?経済指標としてのNight Light
お疲れ様です。最近ドライフルーツにハマっていて、ファミマの「ドライみかん」が特にお気に入りのShinです。
本日はNight Light(夜間光)について。
データに基づいて社会経済を読み解く実証経済学の分野において、ひとつ興味深いデータがあります。それが、夜間の明るさを示す衛星画像です。
Henderson (2012) らの研究によれば、発展途上地域における経済力は、およそ地域内の夜間における光量で測ることができるというもの。つまるところ、宇宙空間から夜間の光量を観測できれば、経済統計が十分に整備されていない、あるいは公表していない発展途上地域の経済規模をおよそ推定できるということです。
興味深い例として、朝鮮半島が挙げられます。NASAが2021年に観測した朝鮮半島の夜間光を観測すると、北朝鮮と韓国の国境で綺麗に夜間光の量が異なるのです。
北朝鮮は自国のGDPを自発的に公表していないため、公式統計から経済規模を正確に測ることはできません。しかしHenderson (2012) らの研究に基づいて夜間光を比較することで、およその経済規模を推定できます。
したがって、発展途上地域におけるNight Lightは経済指標としても使えるデータであるということです。
論理的に考えてみると、夜間にも経済活動ができる国はそうでない国に比べて経済活動に費やす時間が長いと考えられるため、それだけ生産価値の総量は大きい(=経済規模が大きい)と言えます。夜間光が広域に渡って展開されていれば、それだけ複数拠点で夜間の経済活動を展開できるため、それだけ経済規模は大きくなると言えます。興味深いですね。
Night LightのデータはNOAA (National Oceanic and Atomospheric Administration) が公開しており、フリーで取得が可能です。画像データを数値統計に変換する処理が必要ですが、適切に処理できればエリアごとの光量を数値化することも可能です。
画像処理についてもいつか触れられたらと思います。