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カリステニクスで意識すべき「ネガティブ」と「ポジティブ」:動作を知ることで成長する
はじめに
カリステニクスを続けている中で、「フォームを意識する」と言いながらも、動作の意味や役割を深く考えたことがあることを意識していませんでした。特に「ネガティブ」「ポジティブ」という用語はよく耳にするものの実際のトレーニングでどう活かすのか、正直ピンときていませんでした。
そこで、もっと自分の理解を深めるために調べ直し、今回この記事にまとめてみました。同じように感じている方がいれば、参考になれば嬉しいです。
ネガティブとポジティブ:動作の基本を理解する
トレーニングには、筋肉が「伸びながら力を発揮するネガティブ動作(伸長性収縮)」と「縮みながら力を発揮するポジティブ動作(短縮性収縮)」の2つのフェーズがあります。それぞれの動作が筋肉に与える効果は異なり、両方をバランスよく活用することでトレーニングの効果を最大化できます。
ネガティブ動作(伸長性収縮)の効果と働き
ネガティブ動作は、筋肉が負荷に抗いながらゆっくり伸びるフェーズです。
• 筋肉に与える効果
ネガティブ動作は筋肉に強い張力を与え、筋繊維に微細な損傷を起こします。この「損傷」が回復過程で筋肉を強くし、筋肥大(筋量増加)を促します。
また、動作をゆっくり行うことで、フォームを意識しやすくなり、正確な動きを学ぶのに適しています。
• 実践時のポイント
ネガティブ動作では、3~5秒かけて動作を行い、重力に「抵抗」する感覚を意識します。
ポジティブ動作(短縮性収縮)の効果と働き
ポジティブ動作は、筋肉が縮みながら負荷を動かすフェーズです。
• 筋肉に与える効果
ポジティブ動作では、瞬発的な力を鍛えられるため、筋力の向上やパワー発揮能力の向上につながります。爆発的な動きを必要とするトレーニング種目では、この動作が非常に重要です。
• 実践時のポイント
ポジティブ動作では、素早く力強い動きを意識します。特にフォームが崩れない範囲でスピードを上げると効果的です。
ネガティブとポジティブの動作を種目別に解説
ネガティブ(伸張性)とポジティブ(収縮性)は、どちらも筋肉を鍛える上で重要です。以下に、それぞれの基本的な種目を例に動作をまとめてみました。
1. 懸垂
• ポジティブ動作:
バーに向かって体を引き上げる。背中と上腕二頭筋が収縮するフェーズ。
• ネガティブ動作:
バーから体をゆっくり降ろす。肘を伸ばしながら重力に逆らってコントロール。
2. ディップス
• ポジティブ動作:
体を押し上げる。胸や三頭筋が縮むフェーズ。
• ネガティブ動作:
体をゆっくり下げる。肘を曲げながら胸や三頭筋を伸ばしていく。
3. 腕立て伏せ
• ポジティブ動作:
胸と腕の力で体を押し上げる。上腕三頭筋や大胸筋が収縮する。
• ネガティブ動作:
胸を床に近づける。肘を曲げながら重力に抗い、動作をコントロール。
4. スクワット
• ポジティブ動作:
しゃがんだ状態から立ち上がる。大腿四頭筋やハムストリングスが収縮する。
• ネガティブ動作:
ゆっくりしゃがみ込む。膝を曲げながら下半身の筋肉をコントロール。
ネガティブとポジティブをどう活かす?
1. 初心者向けの練習方法
• ネガティブ動作を重点的に取り入れると、筋力が足りなくてもフォームを学びやすい。
• 例: 懸垂が難しい場合、ジャンプしてバーに到達し、ゆっくり降りる。
2. 中・上級者向けの練習方法
• 両動作を組み合わせて効率的に筋力とパフォーマンスを向上。
• 例: ディップスで、押し上げは瞬発力を意識し、降ろしは3~5秒かけてゆっくり。
3. ネガティブ重視のトレーニング
• 筋肉を追い込みたい場合、ネガティブ動作を特にゆっくり行う。
• 例: 腕立て伏せで、降りる動作を5秒以上かける。
4. ポジティブ重視のトレーニング
• 爆発力を鍛えたい場合、ポジティブ動作を素早く行う。
• 例: スクワットで立ち上がりを力強く行う。
自分自身のトレーニングに取り入れる
今回、ネガティブとポジティブ動作について改めて学び直し、自分のトレーニングにどう活かせるか考えました。まだまだスキルや経験が不足している部分はありますが、少しずつ意識することで動作の質が向上してきた気がします。
カリステニクスは、自分の体と向き合い、工夫しながら成長を感じられる魅力的なトレーニングです。この考え方が、少しでも皆さんのトレーニングに役立てば幸いです。
おわりに
この記事は、私自身が「ネガティブ」と「ポジティブ」を理解するためにまとめたものですが、同じように感じている方のヒントになれば嬉しいです。次回のトレーニングでは、ぜひ「今どちらのフェーズだろう?」と意識しながら試してみてください。一緒に成長していきましょう!