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⑤[心身を蝕む悪魔たち] チック症・トゥレット症候群編 3
こんにちは、アフリカと子どもが大好きな19歳のハセガワトアです。
前回に引き続き、今回も、体が勝手に動いてしまうチック症・トゥレット症候群のお話をします。
音声チックが始まり、運動チックも種類がどんどん増え、チック症からトゥレット症候群になった私ですが、今回は、その具体的な症状などを話していきます。
具体的な症状
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トゥレット症候群になってから一番生きづらさを助長したチックは、汚言でした。
その場にそぐわない言葉や、口に出してはいけない言葉を言ってしまう症状です。
前回お話しした中指チックと同じ類で、やってはいけないことをやってしまうチックで、声に出してはいけないと頭ではわかっていても、声になってしまうのです。
築いてきた人間関係を一瞬で壊しかねないこのチックは、それまで以上に外に出ることのハードルを高くしました。
また、トゥレット症候群になってから机や壁を叩きたくなる症状もひどくなりました。
椅子の背もたれにひじをぶつけたくなったり、壁や床に頭をぶつけたくなったりする自傷的なチックは以前からありましたが、自傷とは別でただただ何かを叩いて音を鳴らしたくなる衝動はこのころから増しました。
このような、単純でない運動チックを複雑運動チックと言います。
この複雑運動チックと汚言によって、私はさらに生きづらくなりました。
チック症・トゥレット症候群患者が周りに求めていること
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これだけたくさんの症状が出て、生きづらさを感じていた私ですが、三年間クラス替えがなかったこともあり、高校三年間ずっとクラス自体は大好きでした。
ただただパニック発作がでたらどうしようとか、チックがみんなの迷惑になったらどうしようとか、自分自身が過度に心配して授業に出られなかっただけで、学校やクラスが嫌だったわけでは決してないのです。
高校に入る前、いきなり体が動いたり、変な顔になったりするので、きっと周りからは気持ち悪いと思われたり、驚かれたりするかと思っていました。
実際症状がひどかった小学生のころには、悪気はなくとも周りからいじられていたからです。
しかし、高校で同じクラスになった人たちは、誰一人私に嫌な反応を見せたり、いじったりしないでいてくれました。
それどころか、パニック発作が起きたときには助けてくれて、チックに対しては、優しい無視をしてくれていたのです。
いじるわけでも、過度に心配するわけでもなく、全員がただスルーしてくれました。
それが私にとってはすごく心地よく、クラスの人と話すときとかにはチックを気にせずにいられました。
恐らくこの優しい無視を求めているチック症・トゥレット症候群の患者さんはすごく多いと思います。
だから、周りにチックが出ている人がいたら、どうか優しい無視をしてほしいです。
生理的に驚いてしまっても、決して笑ったりいじったりはしないでほしいです。
すべてを受け入れてほしいとか、驚かないでほしいとか、そんなことを求めているわけではなく、ただただスルーしてほしいです。
どうかよろしくお願いします。
チック症・トゥレット症候群被害者の方々へ
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この病気に関しては自分もまだまだ治っていなくて、改善法とかを書けるわけではありませんが、どうやらチックは止めようとすればするほど出るらしいです。
くしゃみとかしゃっくりと一緒で、生理現象なので止めようと思っても無理です。
止めることはいったん一緒に諦めましょう。
止めること諦めたらもしかしたら止まるかもしれないし、症状が出ることに対して落ち込むことはなくなるはずです。
チックの動画のコメント欄とかも含め、心無い言葉をかけてきたり、嫌な反応をしてきたりする人は一定数いますが、私が高校生の時に同じクラスだった人たちみたいに、心優しい人もたくさんいます。
だから、嫌な人たちのことは住む星が違うと思って無視して、優しい人たちのことだけを考えて生きていきましょう。
私もまだまだこれができなくて落ち込むことがたくさんありますが、一緒に頑張っていきましょう。
そして、この病気に対する偏見が少しでもなくなるよう、これから発信活動頑張っていきます。
全三回にわたるチック症・トゥレット症候群のお話、長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回の投稿も、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。