20年来のトラウマを克服。ありがとう宮崎駿。【2020年塩谷的10大トピック①】
私には、20年間怖くて怖くて仕方がなかったものがある。大ヒットアニメ映画『千と千尋の神隠し』だ。
多分、公開当時は3歳くらいで、父と従姉妹たちと映画館に見に行った気がする。映画の内容は全く記憶にないのだが、とてつもない恐怖を覚えたことだけを色濃く覚えている。出てくる神様も怖いし、カオナシ怖いし、お父さんとお母さんが豚になってしまうなんて怖すぎて耐えられない。
ただただ怖かったという印象だけが残り、「もう一生見ない、絶対に見るもんか」と心に決めていた。ついこの間まで。
2020年、ついにその堅い堅い決意を破ってしまったのである。
「一生に一度は、映画館でジブリを。」
今年の6月くらいから、「一生に一度は、映画館でジブリを。」と銘打ち全国の映画館でスタジオジブリの映画4作品が公開された。常々「いつかジブリ作品をちゃんと見たい」と思っていた私は、喜んで見に行った。
確か最初に見たのは『もののけ姫』。この作品も小さいころに見て、内容は覚えていない。改めて見ると、まあ素晴らしい作品だった。西国で生まれた怨念が東国のアシタカに降りかかるなんて「ザ・SDGs」じゃん!と思ったり、エボシってただの悪人ではなかったんだ、と思ったり。コロナ禍という時世柄、人間の無力さが心に刺さりしばらく放心状態が続いた。
次に見たのが『ナウシカ』。これも、すごかった。感想は省略。ちなみに、『ゲド戦記』は見損ねた。
で、この4作品の中に問題の『千と千尋の神隠し』も含まれていた。
もちろん、「見ない」という決意はかなり堅いものだ。怖くて家のテレビでも見られなかった作品を逃げ場のない映画館で見るなんて絶対に無理だ、と思っていた。はずなのだが。
「いや、私もう社会人だし!」と、思ってしまった。子どもでも見られるはずの映画がおっかないとか言ってらんないわ、と。それから、2年ほど前からお世話になっている長野県飯田市の遠山郷という場所がこの映画のモチーフになっているということも、大いに私の背中を押した。
で、見た。見てしまった。
そしたら、まあ面白いこと面白いこと!話の内容、世界観、そして「宮崎走り」に代表されるコミカルな描写の数々。ビビる千尋の表情も、どんくさい挙動も、なんだか面白く可愛くて。妹を見るような目で見守った。そしてハクがかっこよすぎた。そして、カオナシもちょっとかわいい。怖かったはずの坊も湯婆婆もかわいいじゃない。
とにかく、怖さを上回るを面白さを見出すことができた。勇気を出した自分を褒めたたえたい。
そんなこともあり、今年は宮崎作品の面白さに完全にはまった1年だった。私が求めていた映画はこれだ、という感じ。最近は、アニメシリーズ『未来少年コナン』を毎日1話ずつ見ている。
ちなみに、宮崎作品の奥深さを教えてくれた"オタキング"こと岡田斗司夫には大いに感謝したい。岡田斗司夫のYouTubeで、映画作品に対する造詣を深めていこうと思う。
自分的には"映画当たり年"な2020年
ジブリ作品もそうだが、今年に入ってから見た映画はみんな自分的には当たりだった。振り返ると、そんなに作品数は見ていないのだけれど(多分ジブリ以外に2本だけ)。
去年までも色々と映画は見ていたが、海外の映画を見て「どんな倫理観だよ!理解できない!」と思ったり、アニメ映画を見て「内容なさすぎ!薄っぺらっ!」と大そうがっかりすることも多かった。
ところが、今年はどの作品を見ても大感動して映画館を後にしている。
まずは『パラサイト―半地下の家族』。コミカルさに油断していると一気に物語が展開してシリアスになっていく感じ、そしてその物語が伝える社会への問題意識、圧巻だった。そして、運よく大学の友人からもらって映画の中に出てきた「チャパグリ」という即席めん料理も食べたのだが、めちゃくちゃおいしかった。また食べたい。
そして、ついこの間見た『泣く子はいねぇが』。この作品は、本当に一生忘れられない、やり場のない切なさとやるせなさを心に残した。あまりにもやるせなくて涙も出ない。鬼もいいけどなまはげもいいぞ、と世間に言いたい。今はとにかく男鹿に行ってみたい、男鹿市にふるさと納税したい気持ちでいっぱいだ。
あとは、映画館ではなかったけれど『ショーシャンクの空に』もすごく面白かった。忘れられない爽快感。
2021年も良き映画に出会えますように。
そんなわけで、今年はいい映画に出会えて本当によかった。宮崎駿に出会えてよかった。千と千尋見てよかった。おかげで『カリオストロの城』がより一層面白く見られた。
あ、ちなみに鬼滅の刃は見ていない。ここまで来たら、もう見なくていいんじゃないかと思いはじめた。
さて、来年も、素敵な映画に出会えますように。
2020年塩谷的10大トピック
今年、心に残ったこと、記録しておきたいことを大晦日までに10個書き出すシリーズ。時系列はぐちゃぐちゃかもですが、お付き合いくださいませ。