東大合格経験者による大学受験対策 概論
P.O.です。今回は東大の現役合格者として、また再受験経験者として、大学受験全般に関しての考察と対策方法についてざっくりと記述します。
まず今回の書き手に関しての自己紹介。
東京大学 理二入学→薬学部 (4年制) を卒業→そのまま筑波医編入。
職歴としては、4年間個別指導のアルバイトを通して様々な大学に合格した生徒さんも多く見てきました。
大学の4年生にして医学部への入学を決意。基本的には再受験に向けての対策を行いつつ、試験の科目的に所謂 “一般入試” と被っていた筑波大の編入試験を受けてみたところ合格、という経歴を持ちます。
再受験を目指し一応勉強をして、なんなら共通テストまで受けているので、受験マスターと言ってもいいかもしれません。(自画自賛)
記事に先立って、2017年度のセンター試験点数、及び2021共通テスト点数を開示しておきます。ただし個別具体的な点数は、別記事にて公開いたします。
・2017年センター試験本試験
Σ= 816/900 (90.7 %)
・2021年大学入学共通テスト本試験
Σ= 815/900 (90.6 %)
今回紹介することは以下の通り。主に理系or医系の方向きです。
・現役生の対策 〜自身の経験から〜
・浪人生の対策 〜多くの浪人生の指導経験から〜
・再受験生の対策 〜自身の経験から〜
普段はアンチが怖くて、記事を値段がつけられる最低価格の100円としている (半笑い) のですが、今回は総評だけなので無料公開とします。
・現役生の対策 (自身の経験から)
現役生にとって、大きな壁は2つあります。経験がある方も多いのではないでしょうか。
① 部活などの学校での活動との両立
② 数学や理科が間に合わない
まず①に関して、余程のキャパ・オバケでない限りは両方に全力投球するのは厳しいのではないか、というのが結論です。体力的にも限界がありますし、睡眠時間を削ることは許されません。でもどちらも頑張りたい、さてどうしたら良いのか。
1日に50分×6〜7コマある授業時間を活用すれば良いのです。
学校の授業には様々な受け方があります。初めての学習内容を吸収する場、復習としての場、授業を無視した自習の場、です。
3つ目はあまり推奨されていませんが、個人的にはその人の状況次第では3つ目もOKなのではないかと思っています。それはどういう状況かというと、予備校などで学んでいて既に知っていて理解もできている、あとは自分で実際に手を動かして確認してみるだけ、という状態にあるならばそもそも授業を聞く必要はありません。きちんと理解できてもないのに3つ目をやっても自滅するだけなので注意しましょう。
部活などで家に帰ってからの勉強時間が取れない人に対してオススメの学習スタイルは、
予備校で集中的に学習→それから1週間の間、学校の授業の該当科目で自習 (5〜7コマあるのでかなり豊富) →予備校でさらに次の範囲を集中的に学習 です。
予備校に行けない、という場合は授業で学習するしかありません。この場合は授業中にできるだけ手を動かす時間を作って演習をする、くらいしか方法はなさそうです。
次に②に関して、難関校合格には、次の条件を満たしている必要がある、と個人的に思っています。
数学は高2までに終わらせる。理科は高3の夏までに終わらせる。・・・(※)
受験勉強で、慣れと多くの演習時間が必要になるのは数学です。まず未習の穴を塞いで置かないことには受験演習に進めません。時間的に余裕のある人で、このままだと終わらない、という人は今からでも自習を進めて、できるだけ(※)の条件を満たすよう努力しましょう。
絶望的な人は、焦って入試演習をしても意味がありませんから、今は未習の穴を塞いでその範囲の演習を積みましょう。こうなると難関校なら高確率で浪人覚悟ですが、時間は巻き戻せない以上どうしようもありません。。。また、浪人生の欄で後述する理由のように、浪人を心の中で頼りにしている人は浪人したところで第1志望には合格できるようになりません。
・浪人生の対策 〜多くの浪人生の指導経験から〜
今まで沢山の浪人生を指導してきました。(n≧10) 浪人生にありがちなミスとして、以下のようなものがあります。
「自分は去年既に受験演習をある程度積んだから基本的な問題集に戻る必要はない。合格まであと○点足りなかったから○点分上げるための努力をすれば良い!」
こういう人は、まず落ちます。
去年既に受験演習をある程度積んだから基本的な問題集に戻る必要はない?? まずその問題を解くための知識は付け焼き刃で得たもので、きちんと理解できていない可能性があります。基本的なことが理解できていない可能性が高い、とみて予備校の授業をきっちり聞くのが賢明でしょう。
それから、合格まであと○点足りなかったから○点分上げるための努力をすれば良い!???
そもそも絶対に合格する層というのは、どれだけ不利な戦いを強いられても合格します。こういう問題が出たから落ちたとか受かったとか、そういうスレスレの戦いを強いられている時点で、もう負けているのです。後半に現役生のような伸びが期待できない分、余裕で受かるというレベルまで持っていかないと厳しいです。
ところで、大手予備校に、SoonDieというところがあります。この塾のクラス分けはシンプルで、前期のクラス分けは1回だけのプレメンで決まりますが、後期は4月の進研模試、5月の記述模試、7月末のマーク模試の点数の合算で決まります。そして不思議なことに、後期のクラス分けで殆ど、合格する大学が決まってしまいます。例年そうなのです。この事実が意味することは何か?まとめてみました。
受かる大学は後期のクラス分けで決まる。
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後期のクラス分けは前期の模試結果で決まる。
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前期の模試は 4〜6月前半に行われるものが多いので、実質現役時の勉強および浪人が始まるまでの勉強で決まる。
頼むから、浪人始まるまではギア入れて勉強してくれ。そこでしか差がつかない。とにかく謙虚に、自分を過信せずに勉強して行くことをお勧めします。
ちなみに SoonDieについての詳細は有料記事で書こうと思っています。講習でコマ数めちゃくちゃ取るように推奨されますが、あれほど悪い商売もなかなかありません。ご意見はここではこれくらいに留めておきます。誰でも見られる状態で変なこと書くと燃えてしまうので…
・再受験生の対策 〜自身の経験から〜
ある程度勉強ができる人向けです。医学部受験がメインかと思います。編入か再受験かの選択は、別記事にて紹介していますので、そちらをご参照ください。
→ https://note.com/po_po_medical/n/nc005ad27c5d3
再受験を選択する場合、「ただの浪人」との大きな違いはモチベーションの維持や勉強時間の確保にあります。多くの方は、働きながらあるいは研究などしながらになります。ある程度は見切りをつけて少ない時間の中でやりくりするしかありません。特に数学に大きく時間を取られますから、工夫しましょう。幸い数学は他の作業と同時並行でやりやすい科目です。
モチベに関しては、どうしようもありません。同じように受験する仲間なんていませんし、厳しい戦いになります。自分の場合は院試勢と同時に勉強ムードに持っていけたのでかなり楽でしたが…。
各教科ごとの詳しい勉強法は別の記事で詳細を記述したいと思いますので、そちらをご参照ください。これからぼちぼち書いていきます。
・まとめ
今回は各状況ごとの勉強法についてサラッと総合的に書きました。より細かい内容に関しては別の記事で紹介していきますので、適宜そちらをご覧ください。