装具の中で踵が浮いてしまう!問題について
こんにちは、義肢装具士のみうらです。
私が生活期の装具対応を行っていて、一番悩ましいのがこの拘縮が進んでしまう問題です。
非常に残念ですが、こういったことが生活期では多く見られます。
「拘縮が進んで、装具の中で踵が浮いてしまう」と聞くと、義肢装具士である私たちは「補高を積んで隙間を埋めると適合が改善する!」と短絡的に考えてしまいがちです。
でも、なぜ拘縮が進んでしまったのか?を考えることが大事です。
装具の装着時間が短いのか?
それとも、装着しているけどベルトの締め方が緩かったり、ベルトの長さや走行が合っていないのか?
それとも、もともとの装具の設定角度が悪いのか?
装具も装着方法も問題ないのに拘縮が進む場合、ボトックスなどの治療で改善できるのか?
などなど、考えられることはたくさんあります。でもこれは、義肢装具士だけで考えていても、なかなか答えにはたどり着けません。
ここで大事になってくるのが、多職種との連携です。
装具に補高を積む前に、普段リハビリを担当しているセラピストさんと連絡をとって、拘縮が進む根本的な問題がどこにあるかを確認しておく必要があります。
その確認を怠ると、前述のように一年後さらに拘縮が進み、どんどんと補高を積んで対応せざるを得なくなってしまいます。
装具の中に補高を積むのは最終手段!
そして、もし補高を積んだ場合はその状態からさらに拘縮が進むことがないか、定期的に確認しましょう。
生活期は緩やかに、でも確実に状態が変わっていきます。その変化を見逃さずに適切な対応をとっていきたいですね(^^)