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バビロン感想(考察ゼロ・ネタバレあり)

私は大勢の人の前に立ちたかった

先日バビロンを映画館で見てきました。
全188分。前情報なしで見に行く私は、あと45分と言うところでトイレに駆け込みました。(トイレ行けばよかったn回目の懺悔)

この映画、私にとっては割かしと鬱映画。
なんだって、スクリーンには私が本当になりたかった人たちが、生き生きと描かれているわけですから、思い出しただけでちょっと泣きそう。

私がなりたかったのは、危うくて儚い、一瞬の輝き。
今私が進んでいる道は、とにかく安全で長生きできる道。

この映画を観て、「アー私はネリー・ラロイになりたかったんだ~。ずっと前からそうなのに、後回しにしてたらそんな大切な気持ちさえ忘れてしまっていたなあ」と感じました。


わたしだけの感情、あなただけの感情

何か大きなものの一部になりたい
そんなこと思ったことありますか?私はないです。
というか、今映画を観終わった後でさえ、分からない気持ち。
歴史の一部になりたいとか、何か長く続くものの一部になりたいとか、私は全く思わない。逆に私は新しい何かになりたいって思う。

考えてもわからないし、感情って自分だけのもので一生かけても手に入らなかったりするから、人間って面白いなって思います。


死は救済か?

ジャック・コンラッドの死は、レディ・フェイ・ジューとの会話後に突然やってきました。フェイが未訪の地へ向かいキャリアを一新させようとする中、ジャックは時代のせいという言葉によって、自分のキャリアが終わりに近づいてることを感じていました。フェイと自分。こんなどうしようもない状態に絶望を感じて、ジャックは死んでいったんだと思います。死が全てを美しく終わらせてくれることもありますから。

老いは怖い。時代の流れは怖い。だんだんと誰からも必要とされなくなり、見向きもされなくなる。ジャックにとって、自身の向上と大衆の注目、そして映画俳優であるということが生きるそのものだったんだと感じました。

バビロンのピ様は本当に楽しそうだった。本当にピ様にしかできない演技だったと思う。いつかブラピもマーゴット・ロビーも忘れさられる日が来て、映画さえ誰も見ないものになってしまうのかな。悲しいというか怖いね。


ラスト

私のこの映画に対する気持ちは地まで落ちて、それから天井をぶちぶちぶちぶち破って太陽系まで飛んできました(笑)
走馬灯のようにかけていった映画の数々、皆さんどのくらい見てましたか?

『ラ・シオタ駅への列車の到着』(1895年)
『月世界旅行』(1902年)
『イントレランス』(1916年)
『オズの魔法使』(1939年)
『雨に唄えば』(1952年)
『サイコ』(1960年)
『2001年宇宙の旅』(1968年)
『ウイークエンド』(1967年)
『トロン』(1982年)
『マトリックス』(1999年)
『ターミネーター 2』(1991年)
『アバター』(2009年)

FILMAGA様より引用

自分は映画史が好きで、分岐点となった映画はぼちぼち見てます。
昨年、映画NOPEの劇中でも話に挙がった『動く馬』
長編映画として世界初のトーキー、『ジャズ・シンガー』
の映像や話も出てきました。

原色をチカチカさせる技法はゴダールを思い出させ、光と音はマニーの脳内で収束していった。消えていった人々となくなった夢と、その時代の温かさみたいのを感じながらマニーは涙を流した。時代は移り変わり、進化を受け入れることができたマニー、自分がなにか大きなものの一部になれたことを思い出したのかもしれない。ラストでは笑顔になっている。

私は映画が大好き。そして映画が好きならこの作品は絶対気に入るはず。
これを書いている間にも涙が止まらるぐらい、素敵な作品でした。
デイミアン・チャゼル監督も映画が好きなんだろうな^^
この映画を基にジョン・ギルバートやクララ・ボウもまたよみがえって、この映画もまた、後世に受け継がれていくわけだ。

そしてジャスティン・ハーウィッツ様のサウンド;;鼓動のようなリズムと体の中から感じる地鳴りみたいな低音。この音楽無くしてデイミアン・チャゼル監督の作品は語れません、、、サントラ聞きまくってますありがとうございます。

どこをどう良かったかってもう最初から最後まで愛すべきクソ映画でした。
皆様もぜひ劇場でご覧ください。やっぱ映画は劇場でだな~~^^

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