【YMS】イギリスに滞在してみて。
早いものでイギリスに来てもう1ヶ月が経った。今だから言えるが、1ヶ月前飛行機からテムズ川やロンドンアイやダブルデッカーや国会議事堂が見えた瞬間はようやく10歳の頃からの夢を叶えることが出来た事実をひしひしと噛みしめながら、思わず泣いたものだ。
来る前は、抑えきれない不安が思いつく限りの悪い方向へ展開していき、進んでも留まっても地獄でしかないとさえ思っていた。こんな状況で仕事なんか見つかるわけがなく、ただただいたずらに貯金を食いつぶすだけの日々となり、挙句の果てには露頭に迷う最悪の未来しか描けなかったし、私の決断を肯定してくれる人間なんていないと思っていたので、できるだけ人に話さず逃げるように日本から出た。
正直コロナ禍の状態でなんて行きたくなかったが、あと少しで10歳の頃からの夢が叶う上にそれが人生でたった一度しか得ることのできないチャンスだったので、どうしてもやっと手に入れたこの機会をみすみす無駄にしたくはなかった。
だから、来てすぐに仕事紹介をされ、自主隔離中に英系企業での仕事が決まり、自主隔離明けから数日後にあっさりロンドンから職場近くまで引っ越し、日本語が一切通じない環境でネイティブにまじってヒイヒイ言いながらついていくのもやっとな研修にしがみついているこの状況が未だに信じられない。日本で仕事探しをしていた頃から、自分の能力ではとうてい無理だと決めつけ最初から見向きもしていなかった英系企業からまさかのオファーを頂き、自分の語学力のなさに失望しながらも、社員寮でブラジルとイタリアのハーフの方と、エストニア人の方と3人で仲良く暮らせていることに感謝しかできないし、渡英してすぐに私に電話で仕事紹介してくれたマンダリンスピーカーのジョブコーディネーターさんには足を向けて寝られない。
誰かにとってはただの通過点に過ぎないこの国は、私にとっては全てのきっかけをくれ原動力になってくれたかけがえのない存在だったから、自分をここまで成長させてくれたこの国には、観光以外の形でどうしても行きたかった。遅くとも30までには臓器売買してでも絶対に行こうとひそかに決めていた。幾年もの時を経てようやくゴールをした瞬間に、すぐにまた次の目標が出てきてくれたので、本当に来ることが出来て良かったと思う。
間もなく私は、良くも悪くも濃厚な日々を過ごした日々に一区切りをつけるようにまた一つ年を取る。自分にとってはターニングポイントであるこの年に、英語を勉強するきっかけを作ってくれたこの小さな島国に感謝と納税をしながら、目標達成の余韻に浸る間もなくたくさんのことを吸収し学び成長することを願うばかりだ。