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感想戦・CoHJCマダミス部、狂気山脈三周目後半戦、感想(+ちょこっと二週目。ネタバレあり)

標高が高まるに連れ、高くなる場の熱気と体温。かろうじて怒号に至らない言葉が互いのツメの甘さを指摘し、アリバイを締め付けあう。打って変わって冷めていくは自分の思考の冴え。まとまらない考えは高山病のせいではないはずだ。挟むインターバルで一息ついたのは、疲労感ではなく、アドレナリンの方であった。意識レベルは相応に朦朧。回りを囲むは、腹に一物、手に二物、五臓六腑の隅々までに企みを抱えた悪党共。朧げな論理にて立ち向かうにはあまりにも強敵。ただ、ここで続きはまた今度といったらば、次はないのはわかっている。体調不良を申し出て、頂上アタック隊から降ろされることを恐れる登山家のように。あるいは隊長も、こんな気持にてこの山に挑んでいったのだろうか。誰が呼んだか狂気山脈。シナリオ上では発狂が解けた瞬間に、私の狂気は正に始まりつつあった。本物のハッピーエンドはいらなくても、負けたくない奴らがここにいる。

https://www.twitch.tv/videos/1451463074

後半戦始まった時点での私の推理は以下のようなもの

1. (論理読み)複数人が実行犯(おそらく全員)だと思わされている⇒あってる
2. (メタ読み)真犯人は生きている隊長⇒間違い。し、これがたぶん最重要
3. (メタ読み)きっと、今まで大切であったものこそ、今回意味のないアイテムになり(インクアノライト、ペンデュラム)、レッドへリングこそが重要になる⇒間違い
4. (神秘の隠匿アンジャッシュ)推理フェイズの前の???フェイズは、二度目のホワイトアウト⇒間違い
5. (赤福くんアンジャッシュ)複雑な分岐がある。ホワイトアウトOr雪解け分岐⇒間違い

ただ、当然のことながら、プレイ中の思考は、ここまで順序だっていない。し、体温が相応に上がっていた時期なので、結構この時点ではもう統合の思考というものがなく、それぞれの思考が独立・発展していた為、たとえば二つの考えをあわせて考えれば、深読みがすぎるということがもうちょっと見えてきたのではないか、と思ったりはする。たとえば、もしもう多少の正気があるのであれば、複数人の実行犯とレッドヘリングこそが重要になるというもの2つが両方あまりにも前回に対するメタアンチテーゼの構造で、同構造の繰り返しをそこまでやるかな?みたいな疑問は当然の如く抱けたはず。

その思考の暴走を促進したのは、熱もあるけど、それ以外の理由も当然ある。前半の屈辱、前回の雪辱。誰しもが負けず嫌いと呼ばれた登山隊で、私も相応に負けず嫌いだったという、簡単なこと。そして、思い返すと二周目で私が不満であったこともより鮮明に見えてくる。最後のポイントこそ高ポイントで終わったものの、途中途中の会話では、どうしても部外者感が抜けなかったという思いがある。第一回登山に参加しなかった私は、あくまでも、お客様。前半は丁重におもてなしして、核心の部分では傍観者になってもらうという思いが透けて見えていた。そんな思いの中でなら、ポイント上の勝利もあまりにも空虚にしか感じれない。今回は、違うかと思えた最序盤だったが、中盤に入るにつれ言葉が届かなくなってくる。ああ。またこれか、と思いが滾る。流石の私も憤る。

「そろそろ混ぜろよ」と言わせてほしい。

これが対戦ゲームではないなんて、こちとら知ったことじゃない。ずっとそうしてきたのだから、今回もまた、そうするというだけの話。当然、テーブルに付くのは前提条件。そうした上で全員を、淡よくならば、ぶちのめしたい。

協力?

確かに今回のシナリオは協力するものだし、この時点では、ある程度の協力を行う気もあった。ただ、そもそも、協力 全員が全員、自分の推理が正しいと思っている。誰の推理をベースとして協力を行うか、というものが、既に争奪の対象になっていたように思える。

世界に鳩しかいない平和であるはずのゲームですら、見いだせるコモディティを巡って争いがおきるように、もしそれが我々の間での闘争可能なコモディティであると認識したのならば、それを闘争の道具に使わずにはいられない。

それが当然だとして、生きてきた。それが虚空の殺人だとしても、競い合えるミステリーが存在するのであれば、我々は競い合う。そして、ゲームには、それが争奪戦となった際に、抑止するギミックは一つもない。それを想定してゲームを作れというのは酷なのはわかる。だが、僕らは、そうしてはならない理由がないのであれば、そうしてしまう。とても、自明。ここで簒奪可能と認識されたコモディティは2つ。

探偵のポジション、と、戦犯の蔑み。

あまりにも情報がなさすぎた前半に対し、探偵のポジションと戦犯の蔑みを押し付け合うための争いが、後半、幕を開ける。

閑話休題、本編

想像通り、死んでいるはずなのに生きている隊長がホワイトアウト中に私のテントにやってくる。ここで上記の予想より完全に理解した(まったくの見当違い)私は、隊長犯人説を確信。一応、GMにハンドアウトの情報が登山家の妄想でないことを確認すると、それを真実として扱うことにする。つまり、犯人隊長を追い詰める為、とりあえず信頼できるプレイヤーに対しては協力を即す方向に舵を切る。

犯人予想周りのプレイングはそうだったのだけれども、キャラシ周りは完全に???となってしまった。前回の傾向やマグロくんの「ホワイトアウトしてむちゃくちゃになる」という言葉から、目標変化は想定していたのだけれども、方向性がかなり想定外のものだった。

え、全員で下山?最高の終わり???

好きな映画は『女王陛下の007』とか『博士の異常な愛情』とか答えるバッドエンド好きの人間に最高の終わりって言ったら全員で下山と矛盾するんだが???というのは私の思い。ただ、そう書いているんだから、そうなんだろう。ついでに狂気も解けたから、そういうことなのかもしれない。そういうことってどういうことだよ。

色々考えた結果、とりあえず当面はホワイトアウト前のプレイングを継続することに。どっちにしろ、全員殺すが全員生かすに変わっただけで、登山家ロールプレイとしては世界最高峰、1万m級を制覇する以上の最高の結果はないわけだし。

そんなこんなで指針が決まると、ホワイトアウトの休憩が明け、ブロッケンの妖怪の登場。ご大層な御託を並べていくのだけど、互いの闘争に明け暮れる我々は前回の生物と同じような具合にフレーバー的な敵への興味は薄く、対して論じられることなく流され次へ。

結局前半集めていた登山道具が揃わなかったため、ソロ調査で頂上は行けないのは前のフェイズで確認済み。ということも踏まえ、逆にソロで他の人への共有をしないほうがいいのではないかな、と思っている神秘の隠匿を調査。廃城に佇むはやせ細った王。入ったとき、ピーンときた。あ、こいつにゃる様だなって。で、ニャル様がわざわざやってきた来訪者に対してこう言っているならそう、ということになる。そして、あまりにも直球の解釈をした私は、来訪者=私と解釈し、ホワイトアウト中にこの城に来なければニャル様は真実を語ってくれないのだな、とまたもや(そしてこれはかなりクリティカルに)アンジャッシュ。そこから間違った思考にて最後に存在する???フェイズが第二のホワイトアウトフェイズだな、と推測。ああ、なるほど。そういう構造か、と一人謎に納得した上、第二のWOフェイズで決戦でそれまでは、『見』のプレイングでいいのだなー、と一人で逆方向に突っ走ることに。アンジャッシュもさながら、他にも幾つか凡ミスをしていて、たとえば体温の上昇を考えれば第二WOフェイズ時にはおそらくまともな思考能力を残していないのだから、その前に可能な限り必要な事は終わらせておくことの必要はあったはず。それ以外にも、もうちょっとまともに思考していれば「第二のWOフェイズがある」だけではなく、そこで何が必要になるのか、何が行われるか、についても考えを巡らせるべきだったな、との戒め。当たり前のことながら、思考に酔っている間に、真後ろで「雪解けの時間がある」という情報が出ているので。ここらへん、思考が足りなかったのは、たぶん、未来の読んだことが嬉しすぎてそこまで頭が回らなかったから。他人がやったらかわいいミスだが、自分のことだと忌々しい以外の感想が浮かばない。

ただ、とはいえ、これだけは言わせて。(厄介オタク並感想)ニャル様絶対ホワイトアウト中に全員のテント回って助言するレベルでマメじゃないでしょ。(解釈違い)個人的なイメージだと、自らの運命を受け入れずあがく人間に気まぐれで真実を教えに来る、あるいはふんぞり返ってるところに赴かれたら答えるだけで、今回みたいにわざわざみんなに「あ、ごめんください。あ、すいません休憩中に。こちらに真実おいておくので、もし良ければ使ってくださいね」みたいなことは、絶対絶対しないでしょ。むしろそういうことやるときは、他全部嘘だけど、一個だけ真実があるとか、パターンな気がする。うん。

てな感じで、一人だけ思考ソリティアをやっていると、ソロ調査が終了し、バディ調査の時間に。こちらは前々から決めていたように頂上に。連れていく人間は多少迷ったものの、特に変える理由もないから、事前に取り決めしていた赤福くんと山頂に。

ちなみに、この時点では、ロシア人さんの人読みで、たけちゃん三連続犯人はないだろうし、まぐろくんもないので、そうなら次点で犯人役を仰せつかるのは山中さんか赤福くんだろうなーと思っており、この二人だと現時点での言動とプレイングがより怪しくないのは赤福くんだったので、とりあえずそっちと友好的に振る舞っていればなんとかなるかな、といった軽い気持ちあり。

山頂では、正直大した情報もなかったので、適当に雑談して過ごす。多少、今まで出てるテキストから、なんか消してく展開になってくんだろうねー、という話と、今のところ下の情報を無視して上がってきちゃったけど、それは回収しないといけないねー、という指針が決まる。ただ、熱に侵されて前半部分の情報が抜けた上で後半の下を探さないとという気持ちが先行し、これからどんどん闇雲に下を探していくことになる。

「ほら、ホワイトアウトしてむちゃくちゃになったでしょ」

今回の登山、色々な視点から見ると、色々なターニングポイントはあるのだろうけれども、私にとってのターニングポイントは、間違いなくここにあった。バディ調査終了後、共通部屋でまぐろくんとたけちゃんとお話していると、まぐろくんがこう言い放つ。「ほら、ホワイトアウトしてむちゃくちゃになったでしょ」って。ただ、今回に限っては、私もキャラシが変わって目的が変わったのだから、それには同意せざるを得ない。「そうだね」「はじめましてさんも?」そこから、怒涛の流れにて重要な情報がポンポン出てくる。「はじめましてさんもキャラシ変わって目的とか全部変わったんでしょ」「僕最初隊長殺したとか言われたのに隊長がテントに来ちゃったりしてさ。目的も全部変わっちゃってもうわけわかんないよ」「私も私も」「私も隊長殺したとか書いてあったのに、そこら編へん全部変わっちゃった。全員で帰れとかまったくわけわかんない」「私も全く同じ目的になった」「いっしょじゃん」「そうだよ」

これ、今回唯一のアンジャッシュではない、本当の意味で他人と通じ合った瞬間だった。

ここで、私はこれは協力型のプレイングなんだろうな、と、核心する。そして、嘘がつけない人であり、損得勘定がないと動けないまぐろくんが、自ら自己開示してくれ、互いが互いに同様の状況にあるということを認識できた、というのはあまりにも強い。その上、我々以外の全員がソロプレイをしている段階にて、協力プレイができる、前提が整ったのだから。本当は、ここはもっと強い絆になれたのだと思う本当は、この二人のラインで物語を進めることはできたはず。でも、悲しいことに、そうはならなかった。

色々あるけど、たぶん、足が掬われる理由にはなりたくないので、ガードはある程度は残しておこう、と、唯一、協力に前のめりになれたはずの瞬間であったはずなのに、その刹那の機会で、引いちゃった、というのが理由だろう。あと、多分、まぐろくんも、情報を共有したけれども、協力体制を敷くほどではなく、この会話に同席していたたけちゃんも、これを繋げるというよりは、手元にある情報のカードとしてしか処理した気がする。

結果だけを語ると、ゲームチェンジャーになり得た同盟関係は、三人の間で現実になることなく、そして、それはただ、私の中で、隊長犯人説を確固たる事実として、決まるだけにとどまった。

ワンショット

発熱が強くなり、一層と支離が滅裂る中、後半二度目のソロ調査を先程の指針通り、下側を詰める方向で適当にやりつつ、自分の考えをまとめていた。重要なのは、二つ。

1. 犯人は隊長
2. 二度目のホワイトアウトフェイズが存在し、その瞬間にニャル様に会いに行く(カダスの山へ入城する)と、真実が知れる飛翔

この二点さえ理解してプレイングしていれば、少なくとも私の負けはないはずだった。

細かな点でいけば、「カダスの山」カードを公開すると、まぐろくんが暴走してみんな死んでしまう可能性がある、だったり、その道標かもしれない地図は隠匿したほうがいい、だったり、まだ山中~赤福~たけちゃんラインで一人くらいは裏切り者がいそう、だったりはあったりする。たとえばたけちゃん。たけちゃんは、まぐろくんと、ウチの話を聞いていたのにも関わらず、話を合わせてこない。私とまぐろくんが両方とも実行犯だという情報を知っているのであれば、もうちょっと協調しようとしてもいいと思うのに、それどころか態度はどちらかというと敵対的。ならば、こちらも応じて警戒し敵対するべきだろう。逆に情報を知らない山中さんが若干疑惑の目を向けてくることは仕方がないが、一方で、メタ読みするなら、たけちゃんたけちゃんと二度犯人が続いてる今、普通に考えれば犯人の確率が一番高いのは山中さん。それがわかっているのなら、警戒の目も、逆に自分から目を逸らすため(前回山中さんがやられた手)として理解できなくもない。やはり要注意。そこを考えるならば、赤福くんは、一番協力的だし、自己開示も多い。だから、三人では一番信頼していたが、ただ、タイミングが悪かった。できれば、まぐろ~赤福~はじラインで会議したかったのだが、たけちゃんが、あるいは山中さんが、互いが互いに警戒していたからか、二人でバディ調査を行うことがなく、そして、私があかふくくんを初回で誘ってしまったが故に、まぐろくんの開示以降にこのメンツで話せる機会が巡ってこなかった。

隊長に関しての話はでも共有できればいいなーと思い、話したものの、逆にそれを持ち出したら、逆に詰められることに。おーらいおーらい。まだ時じゃないのね。いいよ。まだ時間はあるしね。

ただ、機会損失があったのにも関わらず、私は焦っていなかった。焦る必要がなかったから。重要な二点は抑えてる。次のホワイトアウトフェイズがどういうことをやるフェイズなのかはわからないが、真っ先にニャル様に会いに行けば真実が知れる。いや、むしろまぐろくんの言う通りだ。ホワイトアウトすると無茶苦茶になるのだ。むしろ先読みするほうが無駄とも言える。あとは、次のホワイトアウトを…

「雪解けの時です」

…え?

……ホワイトアウトじゃない?

ロシア人さんの次のフェイズの宣言の、その名称だけで、私の脳内はスーパーパニックモードに突入した。

え、なんで。ニャル様ホワイトアウト中に来いって行ってたじゃん。

ホワイトアウト中じゃないと行けないじゃん。

え、なんで?

なんだからゲームルールが追加になったようで、それの説明が為されているが、そんな事、正直言って一切聞いていない。それより重要なことがある。

戦略の転換が必要だ。大幅に、早急に。

赤字で書かれた黄金の真実を上回る真実が。

こんなの、散々に、雪解けの時で明らかになると言われていたのに、二度目のホワイトアウトを信じていた罰でしかない。自分に盲信した愚者、ここに眠ると墓標に書いてもいい。ただ、ここにいたるまでで、私が犯した間違いの数々はもう述べてある。重要なのは、この再出発にて、私が犯したエラー。ここで、考える中、私のエラーは二つ。

一つは、「先程までの私の思考は正しい」という考え。その為、先程の仮説に対し、追加で条件を足す、という方向にて思考を進めてしまった。オッカムの剃刀を用いれば、この間違いは気づけただろう。しかし、今となってはどうしよもない。その一因はこれまでの思考の数々であるが、それ以上に、先程まぐろくんと、意見が一致したことがある。私は、まぐろくんが同じ結論に至ったと、信じた。だから、ここで、強固に自分を信じれた。え、たぶんまぐろくんは至ってないって?そうだろうね。でも、そう思ってしまったのだから、仕方がない。

もう一つは、もう少し具体的だ。「テントに訪れた隊長は嘘つきであること」を確信していたこと。いや、これ以外にもこの誤認を言い表せる方法はある。「来訪者が自分であること」あるいは、「真実を語るニャルラトホテプはカダスの山の王であるとと」と言ってもいい。あるいはより抽象化し、「ホワイトアウト中に訪れた隊長が黒幕であると核心していたこと」と言い換えた方がわかりやすいかもしれない。解釈オタクの、悪い癖がここに出た。疑うことすらなく、ここで私は真実と犯人を相反させてしまった。

そんなこんなで、自分の中で真実であると思う情報を集め、思考を再整理した結果、こういう結論になった。

『分岐の結果、今回は二回目の???フェイズが雪解けの時になったが、二度目のホワイトアウトな未来もあった。そして、本来はホワイトアウト中にカダスの山にたどり着かねばならなかった。それが叶わなかった以上、最早ニャル様に会うことはできない。よって、このルートにあるのは嘘つきの隊長であり、隊長の痕跡を、消していかないといけない。』

で、今何やってるんだっけ?あ、みんななんかカード捨ててるの。あ、ならちょうどいい。隊長の痕跡を消すという話をしないと。今すぐに。今なら、私はまだ挽回ができる。今すぐにしないと。今すぐに隊長のものを消せと言わないと。今すぐに。直ちに。直ぐに。

ちなみに、さっきからみんなは、隊長が言ってることが重要だという話をしていました。私は一人でソリティアやってる間に周回遅れになっていたようです。

独り相撲のミスを挽回しようと、矢継ぎ早に私は話を進める。曰く、隊長は我々の持ち物に隊長が持っているものを混入させているはずだ。曰く、それらは過去のエルダーサインやインクアノライトのように、我々を操作する悪意の象徴だ。曰く、我々はそれを根絶し、生存を戦略し下山を確保しなければならない。曰く、某、拝啓、敬具。

実際、振り返る身からすると、少し不思議なものだ。このところの思考と記憶は最早、途切々々で、よくこんな次から次へと話せるなと思う。なんかむっちゃ喋るのゆっくりだけれども、少なくとも、個々の部分に関しては、言ってることは一本筋が通って、正しく聞こえる。

結果、この一回、ただの一回だけ、信用をしてもらうことができた。

まずは、隊長が持っていたと思しきピレドールから削除を進める。…あれ?ダメ?え?

挽回しようと、ワンショット、機会は一度きり。結果失敗。残念賞。

今回の残念賞は、今後の議論への参加券の剥奪です!またの参加をお待ちしております~~。

ってな感じで、私の渾身の推理が外れると、私は一気に表の議論から去っていく。元々、様々な理由にて信用がされていなかった…いや、疑われていたのだ。敗者は道を明け渡すが正。時折、必要な状況提供を求められたら、提供するだけで、それ以外はブロッケンを削除しろっていっている魚と同じように、時折鳴き声を上げるBGM・SEへと成り下がった。

ただ、残された人々が正しい方向に進んでいるかというと、これも疑問が残ってしまう。少しづつ、削除は進んでいっているが、肝心の何をすればいいかが全然出てこない。「三角点」なのに、我々はまだ、「二点」にしか至ってない。元凶についての議論は多少は進んだが、投票フェイズが間近であるのに、未だやることに関しては五里霧中というしかない。

終わりだ。

敗北を、認めるしかない。

その思いにて、投票フェイズへと、入っていく。

八甲田山、死の彷徨

この時、本当にもう意識が相当錯乱していて、思考は最早狂気に踏み入る。

投票対象は、今回の元凶。さっきまで議論されていたものだ。ただ、どっちがどっちだったか、確認しないといけない。あれ、彼方なるものって、誰だっけ。クトゥルフ?でも、狂気山脈にいたのって、ミ・ゴじゃないっけ。なんか他のもいたよね。あれ、寄生生物?旧支配者ってでもなんか名前変わったよね。旧神と旧支配者、今はどっちが正しい名前なんだったっけ。ここらへんの思考のループに陥ると、もう二度と抜け出せない。

なんだっけ、どっちだっけ、なにがただしいんだっけ、どうなんだっけ。

なんだっけ、そうだっけ、どうだっけ、ああだったっけ。

よくわからないな。

そんなこんなで自問自答を繰り返す。やがては意識はおぼろげとなる。

突如気づくは恐怖の事実。
「あれ、最初の二択って、何と何の、二択だっけ」
寄生生物、あるいは彼方なるもの。その2つの言葉は、私の混濁しきった言語野から、ついには消失してしまっていた。
途中、これに気づいた時、相当パニックになって、あれ、なんだっけ、何だっけと、またやまたよと、自問自答。
本当は隊長、と書きたかったのだけれども、絶対に他の四人はその結論に追いついていないことがわかっているので、その名を書くわけにはいかない。

いや、でも、ならどうだ。

ただ、このパニックに陥ってる時に、他の記憶の再生がむしろ鮮明に見られてきた。逆に、自分は、その為にここにいるのではないかという、気すらしてきた。

一面の白、ホワイトアウトの中。肌は燃えるように熱い。ここは八甲田山。

教えてよ隊長。いや、あんたが悪いんだけれども。いや、どうなのだろう。よくわからない。

いや、私は八甲田山になんか行ったことないし。

いや、だがここは八甲田。

議論を迷走させてしまったな、という後悔も強い。

というか、全員が自らの正しさを信じすぎ、そもそも自己解決以外を手段としなかったのは大きな過ちだ。

ただ、協力への最後の一歩は、私が踏み出させなかったのではないだろうかという自念も強い。

全員が協力へ踏み出せなかったのは、私が最後にミスリードしたからではないだろう。

そんな責任感はおそらくは虚構だったのだろう。

ただ、そうは思わない私は、結論を急ぐ。

...ここらが、頃合いか。

「自分は安請け合いしたことを後悔しています。冬の八甲田は恐ろしい所です。」
「このような計画になった責任は隊長にあります」
「天は我々を見放した」
そう言い残し、私はこの身を投げだした。

続き⇛ https://www.twitch.tv/videos/1451463074?t=3h41m18s


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