ブッ活動

どーも、文系体育会出身です。

というわけで、誰しもが何かしらに所属していたであろう部活動について、じじーの縁側の如く昔を思い出しながら、ふにゃらふにゃらと書いていきたいと思う。

まず初めての部活は中学時代。
それまでやっていた少年サッカーに「これはサッカーをやりたくて始めたのではなく、みんながやっているから始めたのだ」と小6の夏頃に気付いてしまった。

右利きなのに左で蹴る練習をしたり、誰よりも遠くにスローイングをぶん投げる練習ばかりしていたくらいで、特にサッカーに愛着も未練も無かった。
むしろ中学でもサッカーをやる同級生たちを、よぅやりまんなぁという一種の侮蔑の眼差しを送り、スピードワゴンばりに華麗に去ることにした。

そして中学、全くやっていなかったスポーツをやろうということでテニスを始めることにした。
中学入学前に、地元の図書館に併設されていたテニスコートで遊んでいた時に、一つ上のお姉さん達にテニスを教えてもらったのである。
その際に「〇〇中に入ったらテニス部入りなよ」と言われ、「えーテニスはいーよー」と言いつつ、律儀に入ったおれ。

先輩の命令は絶対なのであるということ、テニスってなんか爽やかだしオトナっぽくてカッコ良さそうということ、知り合ったおねいさん達が手取り足取り教えてくれて、
「おれくん、今日も君だけ残って練習よ、打つ時のフォームはこう!」
「はい!え、あ、先輩、背中に柔らかい何かがスマッシュかましてます」
「うるさい、ちゃんと練習に集中しなさい」
というやり取りを期待したことが渾然一体と混じり合って入部を決めた。
実に中学生らしい発想力である。

しかし、テニス部は男女別に練習していたし、むしろ女子テニスは男子テニスよりも厳しく、近付くこともままならず、先輩たちが卒業するまでに二言くらいしか話していなかったと思う。
なお、中学なので硬式でなく軟式である。
思いっきり振り切るのも楽しかったが、大してうまくもならず他に興味が移ったので3年間のみで終わりを告げた。

他の興味というのは中学2年の時に始めたベースである。
高校に入ったら軽音学部に入るぞ!とおれは決めた。

学ランよりブレザーがいい、女子比率が多いという理由で入試直前に志望校を華麗に変え、無事に入学を果たしたのだったが、残念なことにその学校に軽音部は無かった。

よくあるマンガのように、よーし仲間を集めて同好会から始めるぞ!というサクセスストーリーを紡ぎ上げようとも思った。
が、中学から一緒にやってるドラムのNともやりたかったので、バンドを組んでライブハウスに出よーと決め、高校では帰宅部にドドンッと所属した。

帰宅部の主な活動は帰宅である。
部長も顧問も居ず、部員の各人が三者三様、授業が終わり次第帰宅をかます。

ある人は直帰。
実につまらん、青春を何も謳歌せず終えるという悲しきパターンである。

ある人は駅前で遊ぶ。
大抵は電車通学のイナカ者がイキって、電車を待つ間にほぼ買うもののない買い物に勤しむ愚行である。

そして、おれはバンド関係がない限り、ほぼ毎日高校近くのガストにいた。
パートのおばちゃん店員のシフトよりも多くいた。

メンバーはその日のお誘いにより変わるが、同じく帰宅部のメンバーや部活をサボりたいバスケ部や野球部の面々、同じクラスや別のクラスの女子など、とにかくほぼ毎日山盛りポテトフライとドリンクバーで夜までくっちゃべっていたのである。

ある時、「帰宅部じゃなくガスト部だな」という話になり、おれの所属はガスト部(非公式)に変わった。
全世界を見ても、うちの高校のうちの学年にしかない珍しい部活動である。

他校との関わりはほぼなかったため、いつものメンバーで大会も執り行われた。
1年生と2年生の間の春休みだったと思うが、ある時いつも行っているガストが24時間営業であることに気付いた。

「24時間ガストやろうぜ!」とアホ3人を誘い、おれを含めた4人で24時間耐久ガストのチャレンジを行なった。
ルールはシンプルで「店の外に出てはいけない」だけである。

ランチが落ち着いたくらいに集まり、次の日までいるという、何の生産性も、モテる要素も見当たらない過酷な大会である。

いつもは授業終わりの15時から20時くらいまでいたので5時間程度はあっという間に過ぎるが、同じメンバーで24時間となると話題も尽きてくる。

また、食事も最初は普通に頼んでいたがずっとイスに座り続けているためカロリーを消費せず後半はお腹が空かない。
ドリンクバーも始めは炭酸だったのが、徐々に温かいお茶になっていく様は、人生の縮図のようでもある。

また、外の空気を切望し、トイレの小窓から外の空気を吸いに行くというファインプレーも生まれた。
1人が戻ってきたら別の1人がトイレで空気を吸いに行くという完全に狂人の奇行。

ちなみに朝方、1人が脱落し外の空気を吸いに行った後、晴々とした様子で「オマエらも行けよ」と言われた時には羨ましさと共に、ふん、脱落者が…という気持ちが生まれた。
青春ドラマの1ページそのものである。

2日目の昼前くらいにパートのおばちゃん店員がやって来て、「コイツらまだいる!」と驚いた顔をしたのも忘れられない。
コイツらはあと2時間ちょいいるのである。

ようやく24時間を迎え、レジに来たのはそのおばちゃんだった。
今までガストで見たことがない長さのレシートを渡してきながら満面の笑みで「ありがとうございました。」と言われたことも思い出である。

ちなみに「またお越しください」は意図的になのか言われなかった。
なので春休み明け、2年生になったおれはクラス替えで一緒になった新たな友人を連れ、ガストに向かって行った。

そんな3年間の活動なのである。
24時間は金輪際ムリだが、久しぶりにガストでくっちゃべりたい。

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