見出し画像

PANCETTA TOUR 2024 "声" 終演

あっという間に数日経ちましたが、PANCETTA TOUR 2024 "声" 全日程を無事終えました。ご来場いただいたみなさま、応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

絵 松本亮平 デザイン 齋藤俊輔

10月10日(木)~10月12日(土) 東京 ザ・スズナリ
10月24日(木)~10月27日(日) 金沢 金沢21世紀美術館シアター21
11月29日(金)~12月1日(日) 札幌 ターミナルプラザことにパトス
12月7日(土)~12月8日(日) 八戸 八戸ポータルミュージアムはっち シアター2)

全17公演もさせていただきました。もうスズナリでの公演がだいぶ昔にも感じますが、二ヶ月に渡る声ツアーもこれにて一区切り。普段東京を中心に活動しているので、金沢、札幌、八戸での様子を振り返りたいと思います。

「声」という作品は2021年にコロナ禍で上演し、劇場での人数制限などもあり、あまり多くのお客様を迎えることができませんでした。それから2年少し経った昨年、金沢で行われた百万石演劇大合戦で、「声」の作品の一部である「アしクサ」を披露したことが、このツアーのきっかけとなりました。


10月24日(木)~10月27日(日) 金沢 金沢21世紀美術館シアター21

金沢芸術創造財団の内山さん、前金沢市民芸術村ドラマ工房ディレクターの竹下さんを中心に、たくさんの方々の支えで、公演が実現しました。

また、金沢では、公演前に少しでもPANCETTAを知ってもらう取り組みや、金沢の俳優との交流も兼ねた関連企画として、9月15、16日に「まち歩き×演劇ツアー」も行いました。

ツアーガイドの山本周さん
雨にも負けず歩きました
二日目は快晴。真ん中はツアーガイドの天池さん
未来から来た兄妹、幸人と菊花
過去から来たイクヤマ夫妻

内山さん、竹下さんのお二人には、たくさん金沢のまちを紹介していただき、その中で気になった、菊川というまちで、まち歩きをしながら物語に出会うという企画を実施。思いついてから、準備の時間も限られた中にも関わらず、これもたくさんの方の協力によって無事終えられました。菊川町公民館の原さん、天池さん、綴るの山本周さん、そして出演してくださった菊池大治郎さん、玉井琴望さん、西本浩明さん、林美里さん、本当にありがとうございました。

金沢ではその後、公演直前にワークショップや、ラジオ出演などの機会もいただき、少しずつPANCETTAを知っていただきました。もちろん、21世紀美術館での公演が初日満席、というわけではまったくありませんでしたが、観ていただいたみなさまの口コミのおかげで、公演後半には、倍以上のお客様にご来場いただけました。本当に嬉しい限りです。

ワークショップにご参加いただいたみなさま
公演の様子 撮影 フォトグラファーNOD 野田啓
(後列左から)内山さん、竹下さん、Chika、照明の宮向隆さん 撮影 フォトグラファーNOD 野田啓

照明の宮向さんも、音響を協力していただいた矩さんも、本当に作品に寄り添ってくれ、感謝しかありません。公演最終日は、金沢マラソンも開催されていて、まち全体で、ランナーを応援している姿が印象的でした。

金沢のみなさん、改めて本当にありがとうございました。


11月29日(金)~12月1日(日) 札幌 ターミナルプラザことにパトス

約一ヶ月空いて、札幌へ。札幌は着いた日の前日に大雪だった模様で、11月下旬にしてしっかり雪国でした。防寒対策していて良かったです。

滞在していた天神山アートスタジオのある場所。ホームアローンできそう。

札幌では、弦巻楽団のみなさんにたくさんお世話になりました。弦巻楽団秋の大文化祭!の一部として、また、TGR(札幌劇場祭)参加作品として、上演させていただきました。

弦巻楽団の弦巻さんとは、若手演出家コンクールからの縁で、こうして呼んでいただき感謝しかありません。また、昨年夏にシアターホームステイでお世話になったコンカリーニョが運営するパトスでの上演ということで、これまたありがたい縁です。

札幌にはこの一年でワークショップも、キッズラボもやらせていただいていたものの、作品自体を披露するのが初めてだったので、それもまた楽しみのひとつでした。

少し早めに札幌入りし、北海道大学教授の種村さんに企画していただき、ワークショップも行いました。

声をテーマに構成要素を出します。撮影 usagiMark photo
何してるのかは分かりませんが、面白そう。撮影 usagiMark photo
ワークショップ終えた後、みんなで振り返ります。撮影 usagiMark photo
参加者の皆さんと。撮影 usagiMark photo

雪道を歩くには、きちんと雪を踏みつけるのが大事だと理解し、身体も雪道仕様になりつつありました。まだ、この時期だと、溶けたり降ったりを繰り返す時期だそうで、あれだけ積もっていたのに、たった二日で一気に溶けるのも体感。初めての冬の札幌を堪能しました。

パトスでの公演は、シアターホームステイでお世話になったキムさん、太田さんにも再びお世話になりました。そして弦巻楽団のみなさんが、本当に献身的に、優しく、我々を包み込んでくださり、我々は作品を上演することのみに集中することができました。

ネタバレもあり公開できなかった写真
ネタバレもあり公開できなかった写真2。ブレーメンの音楽隊みたい

みなさんが、本当に優しく接してくれることに返せるのは作品のみなので、それらもたくさん力になり、上演に至ったのではないかなと感じています。札幌での0歳からOKの回では、カーテンコールにてこんなハプニングも。

写真はお客様のXより拝借しました。物販「買ってねー」も言ってくれました。

90分の上演を頑張って見続けてくれた子どもが舞台上へ。親御さんへ許可もいただき、抱き抱えることに。0歳からOK回は、劇場内の空気もとてもやわらかく、今後も続けていきたい取り組みです。

照明の中森さんは、全部の回でオペレーションをしながら、泣きながら作品を見てくれていたそうです。そんな風に作品に寄り添ってくれるのもなかなかありません。

弦巻楽団のみなさん、照明の中森さん、パトスのキムさんと。

そして札幌でも、口コミが人を呼び、千秋楽の公演は当日券はキャンセル待ちに。札幌のみなさん、ありがとうございました。そして弦巻さんをはじめとする弦巻楽団のみなさん、改めてありがとうございました。また、必ず札幌に足を運びます。互いに頑張りましょう。

後日、八戸での場当たり中に、TGRの大賞の報せを受けました。びっくりです。関係者のみなさま、ありがとうございました。また、何かの形で札幌へ恩を返したいと思います。


12月7日(土)~12月8日(日) 八戸 八戸ポータルミュージアムはっち シアター2)

弦巻楽団のみなさんとの懇親会も盛り上がってきた頃合いでしたが、我々は、札幌を離れ、苫小牧からフェリーに乗り八戸へ向かいました。

フェリーに乗る前に浮かれています。
八戸港に着く直前。夜の海には、これでもかというくらい星空が広がっていました。

フェリーで移動なんて、これまたツアーの醍醐味感あります。旅の疲れなんか吹き飛ぶくらい綺麗なフェリーでウキウキしながら一同夜を明かし、八戸港へ。

はっちのみなさんが朝早くからとてもあたたかく迎えてくださいました。八戸ポータルミュージアムはっちという建物は、他にない、説明のしづらい建物で、ぜひみなさん足を運んでみてほしいなと思います。アンテナショップのような、博物館のような、美術館のような、公民館のような、ご飯屋さんの入ったビルのような、劇場のような、宿泊施設のような、そんな場所です。意味わからないですよね。私も分かりません。ただ、中心街にあるガラス張りの5階建てのはっちは、まちのシンボルのようにも映りました。

はっちの外観。ライトアップされています。

一般的な小劇場と違って、不特定多数の方が訪れる建物に劇場があるというのはとても嬉しいことです。知らない方に観ていただくチャンスが広がるわけですから。思い返せば、金沢も美術館の中にある劇場でしたし、札幌でも地下鉄の駅構内でした。すごいツアーですね。

八戸は、我々みんながみんな声を揃えて「親切な人だらけ」という感想が生まれるようなまちでした。とにかくみんな親切です。何がどうというわけではありませんが、すれ違う人が敵じゃないような。まちなかで怪我をしても通りがかりの人がすぐ絆創膏を差し出してくれるような。

雪は降っていなかったものの、札幌よりも寒く感じるまちでしたが、人のあたたかさがとにかく印象的です(その後雪もだいぶ降りました)。

また、食べるものがすべて美味しすぎて、近くに魅力しかない屋台村の横丁もあり、お金がいくらあっても足りないような日々でした。

みなと食堂の平目とえんがわの漬け丼。えんがわの概念が変わります。
ととや烏賊煎の活イカの活造り。肝の概念が変わります。
館鼻岸壁朝市。ただの天国です。生きているうちに一度は行ってほしいです。

はっちの企画ということで、ラジオにも出演させていただき、中学校でのワークショップ、高校生をはっちに招き入れワークショップと盛りだくさんに用意していただきました。

北陵中学校の月間目標。はい、見直します。

中高生とのワークショップは、まっすぐな彼らが輝いて見え、恥ずかしさが溢れるのもまた愛おしく、純粋に我々も楽しみながら、大事なものを教わったような気がしました。

北陵中でのワークショップ。生き生きとしています。
北陵中でのワークショップ。このあと全力で同じ動きをしていました。
北陵中でのワークショップ。ポッケに手突っ込んでますが、必死でした。

彼らが公演を観に来てくれたのも、とても嬉しかったです(はっちが中高生を無料招待してくれるという素敵な企画です)。

八戸は、金沢、札幌とは人口も全然違い、こうして舞台を見る機会もない人がきっとほとんどだったことと思いますが、終演後声をかけてくれる顔を見て、ほっとし、こちらも嬉しくなりました。

アフタートーク。吉澤さんが10kgの上着を脱いだあとです。

たかだか90分の体験が、人生に大した影響なんてないでしょうが、確実にそこにいた事実は身体に、心に残るはずです。いつかどこかでふと「声」について考えることがあるだけで、我々は幸せです。

担当してくださった中世古さんをはじめ、三浦さん、佐々木さん、佐々木館長、古町副館長、みなさんあたたかい人たちで、こういう人たちがはっちを運営してるなら、今後もはっちは愛されていくのだなと感じました。また、公会堂から技術スタッフとして来てくださった佐々木さん、長利さんにも、精一杯作品に寄り添っていただきありがとうございました。(このあたりには佐々木さんが多いようです)

(前列左から)佐々木さん、Chika、中世古さん、三浦さんと。素敵な担当の3人でした。

様々なまちで、たくさんの人や物に出会わせていただき、まちというものをたくさん考えています。一人で生きるなんて到底無理で、人と人とが関わり合って、支え合って、気づけばまちというものになっていくのだと思います。

それぞれの場所にしかない魅力がたくさん詰まったまちでした。PANCETTAを受け入れてくれてありがとうございます。

またお邪魔させてください。


結びに

最後になりましたが、旅を共にした、佐藤竜さん、吉澤尚吾さん、加藤亜祐美さん、そして裏で支えてくれたChika、べーには感謝しかありません。みんなのおかげで、無事にそして、面白く、ツアーを終えることができました。誰か一人がいなかったら、こうはなっていません。

東京公演のふざけた写真。撮影 市川唯人

本当に、ありがとうございました。PANCETTA、きっともっと面白くなっていくと思います。またお付き合いください。


長くなりましたが、まだまだ語りきれないことだらけです。また、何人かはお名前を出させていただきましたが、ここに名前があがっていない方々にもものすごくお世話になりました。感謝の気持ちは変わりませんので悪しからず。


兎にも角にも、無事東京に帰って日常に戻っています。

出会ってくださったみなさん、元気な姿でまたお会いしましょう!必ず。

ありがとうございました。


一宮周平


いいなと思ったら応援しよう!