一宮周平です。PANCETTAやってます。

この記事が、やりたいことをやって生きていきたい、多くの方に届くことを望みます。長いですが最後まで読んでいただきますと幸いです。

私は、一宮周平(いちのみや しゅうへい)と申します。
PANCETTA(パンチェッタ)という団体の主宰をしていて、脚本、演出、出演もしています。舞台作品を作って上演するのが主な仕事です。

PANCETTAとは

PANCETTAという団体は、2013年5月22日に立ち上げました。当時、同じ養成所を出た仲間と三人で立ち上げましたが、第一回公演「Role」を終える時には、私一人となりました。それ以来、基本的には私一人で団体の運営をしています。最近、体制が変わって、PANCETTAを支えてくれる仲間ができました。このあたりは後述しますが、作品は私が脚本を書き、出演者を集め、演出をし、上演する、という形態をとっています。

第13回”蝉” 撮影:市川唯人
第11回”Na” 撮影:市川唯人

写真を見て、「?」が浮かぶ方も多いと思います。一体何を舞台でやっているんだと。ここまで読んでお気づきかもしれませんが、演劇という言葉を使っていません。一応、大きくくくると演劇という手法を用いているのですが、あまり演劇作品をつくっているという自覚はありません。私は私で、作りたいものを作っています。面白いと思うものを作っています。世間的に、「演劇」と聞いてイメージするものとは、毛色が異なると思います。上の写真はPANCETTAを象徴するようなシーンなのかもしれません。もちろん、会話劇のような形でシーンが進んでいくこともありますが。


美術、音楽、演劇

もう一つ、特徴的なことがあります。PANCETTAは、演劇的要素の他に、音楽、美術の要素も大きく関わっています。私の高校時代の同級生に松本亮平という画家がいて、その画家にPANCETTAのメインビジュアルの絵を描いてもらっています。そして毎回、その絵を劇場に展示しています。

"米"@本多劇場 撮影:市川唯人
第8回"Sen" 絵:松本亮平

さらにその絵をフライヤーにする際にデザインするのが、グラフィックデザイナーの齋藤俊輔です。彼も、私と同じ高校の一つ上の先輩です。そしてなんと、三人ともが同じ陸上部で青春時代をともにしていました。大人になってこのような形で作品づくりに関わるだなんて、考えもしませんでした。

第12回"声" 絵:松本亮平 デザイン:齋藤俊輔
第5回"根" 絵:松本亮平 デザイン:齋藤俊輔

このように、二人の力が合わさって、毎回斬新で独創的なビジュアルが出来上がっています。私は、最初にどんな絵が欲しいとアイデアを持ちかけ、あとは出来上がったものに口を出すだけです。毎回とてもわくわくする時間です。そして、このビジュアルを元に、作品の内容を広げていきます。


さらにもう一つ。第6回"Ten"から、オリジナルの楽曲を生演奏で上演しています。以降の音楽は基本的に、ピアニストで作曲家の加藤亜祐美にお願いしています。彼女は、私が書いた脚本を読み、立ち上がった作品を見て、魔法のように音楽を奏でます。稽古場でシーンを見て、その場で生まれることも多々あります。歌を歌うシーンもありますが、私の書いたへんてこな歌詞から、なんと見事に曲にしてくれます。これも、出来上がった曲を聴く時間はとてもわくわくします。


第12回"声" 撮影:市川唯人


 第13回"蝉" 撮影:市川唯人

これらの要素が絡み合い、PANCETTAの作品が形づくられていきます。美術と音楽と演劇。どれかだけでは成り立ちません。どれもあって、PANCETTAなのです。

そして、俳優には様々な役を演じてもらいます。一人の俳優が、ひとつの作品の中で様々な役を演じてもらい、シーンが成り立っていきます。その役柄も様々で、過去に何度も出演していただいている、佐藤竜、瞳の両名は特に、人間の役の方が少ないくらいです。もちろん人間を演じていただくこともありますが。

そのため、俳優には毎回ツナギ(作業服です)を着用し、出演していただきます。もちろんその役にあった衣装を着て、別の役の時は着替えて、という手法をとることもできるのですが、この方が何かと都合が良いのです。

例えば、キャビンアテンダントの役をやる時に、青ベースの衣装にスカーフを巻いているとしましょう。自然とある航空会社が想像されますよね。黄緑色の衣装でコンビニの店員をやるとしましょう。これも同様にお店の名前が想像できます。ですが、ツナギだとどうでしょう。そんなCAはいないのです。だから、観ている人は想像するしかありません。逆に言えば、観たいように観ることができるのです。

また、先ほど一人何役も演じてもらうという話をしました。着替えがなければ、すぐに次のシーンを始めることができます。さらに、衣装を用意するのが一着で済みます。当然、お金も多くはかかりません。そのような点でも都合が良いのです。

その代わり、俳優にはきちんとその場に居てもらわなければなりません。ちゃんとCAがCAとしてそこに居てくれれば、観客はその服装を観たいように観ます。PANCETTAの作品は説明をあまりしません。例えばCAが出てきた時に、「私はCAです」とか、周りの人が、「君はCAなんだから」などと言いません。だって、普段知っていることをわざわざ確認しませんもの。

だからこそ俳優には、きちんとそこに居てください。生きてください。とよく伝えています。

第10回"図" 撮影:市川唯人


"un" 撮影:市川唯人


生きることを、面白がる。

最近になって、こんなフレーズを掲げてみようと思うようになりました。PANCETTAにまつわる、様々な要素を説明してきましたが、どうにも一言で言い表しづらい。どんな作品?どんな団体?に、私自身言葉を濁すことも多々ありました。

「生きることを、面白がる。」

PANCETTAのやっていることは、これです。作品を通して、伝えたいことは特にありません。ただ、今生きていること、明日も生きたいと思えること、これは素晴らしいことだと思います。だからこそ、日常を少しでも面白がれたら。そんな想いは、作品の中にあるのかもしれません。

PANCETTAの作品は、たくさんのおかしみを携えています。コントか?と聞かれれば、コントというほど笑いを求めているわけではなく、演劇か?と聞かれても、うーんと頭を悩ませてしまいます。ただ、面白くあれば、ジャンルなんかなんでもいいと思っています。この「面白い」には様々な要素が含まれます。笑いたくなってしまうような、面白い。知らないことを知ることができて面白い。今まで見ていたものが違う角度から見ると別物のように見えて面白い。理由なんか分からないけど面白い。数えればキリがありませんが、生きているとたくさんの「面白い」に出会います。だけどきっと、その「面白い」に気づけていないだけなんだと思います。

劇場まで歩いた道のりが、いつも通勤、通学する道のりが、毎日過ごす部屋の中が、作品に触れたことで、違う景色に見えるのなら、作品に触れる価値は大いにあるのではないか。そんな想いで、作品を発表し続けています。だからきっと、「生きることを、面白がる」のに、特別な力は必要ないんです。誰しもの日常に、隠れているし、目の前に溢れているはずなんです。そのちょっとしたことに気づいて面白がれるか、そうでないかの違いです。それだけで、周りの人が愛おしく思えることもあるはずです。理解できなかった人に、思いを馳せることもできるはずです。

そんな風に、作品に触れてもらえたら。でも、作品なんてどう受け取ろうが、自由です。ただただ、あのシーンで笑った、だとか、あの歌が好きだったとか、なんだっていい。何かの一瞬に、興味が持てたなら、心が動いたなら、それに勝る幸せはありません。そういった意味で、作品を通して伝えたいことは特にないと言ったのです。


「演劇」と言いたがらない理由

ここまで読んでくれたあなた。ありがとうございます。少しはPANCETTAのこと、知ってくれていることでしょう。要するにコントっぽい演劇でしょ?と、思っている人もいるのかもしれません。

PANCETTAをどのように定義してもらっても構いません。だけど、私は、PANCETTAをやっています。と言えるようになりたい。なんとなくみなさんがイメージする演劇だと思って近づいてみると、全然違うということに直面するはずだと思っているからです。

みなさんは「演劇」「劇」という言葉を聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか。舞台の上でライトを浴びながら大げさに熱いセリフを叫んでいる、といったイメージでしょうか。小学校の学芸会で、何々の役をやったという思い出でしょうか。では、質問を変えましょう。テレビドラマを見て、「ああ演劇やってる」と思うことはありますか?きっとこの答えはノーでしょう。ですが根本は同じです。むしろ演劇が先にあって、それを遠くの人にも感じてもらうために、撮影し始めたのがテレビドラマであったり、映画であったり、といったところでしょう。なのになぜだか演劇だけが嘘っぽい。これが私にとって不思議なことでした。

ドラマや映画では、仰々しく喋っている俳優を見たり、大げさな動きをしている俳優を見たりすると、違和感を感じるはずです。画面の中の彼らは、ただ生きているだけなのです(もちろん作品のテイストにもよりますが)。思ってもない、感じてもないセリフを吐いていたら、言わされているなと感じるのです。或いはそれを、下手と呼ぶ人もいるのかもしれません。

PANCETTAの作品では、とにかくそこで生きてください。と俳優たちに何度も言います。数えきれないくらい言ってきたと思います。生きるということは、今まさに私たちがしていること。この先の未来は誰にも分からないのです。たった1秒後だって予期できません。誰しもがこの先に一定の不安を抱えながら生きていることでしょう。無自覚なこともありますが。だけど、台本があるとどうでしょう。未来を知っている人たちがそこに存在するのです。そんなの生きている人なはずありません。言うことも、起きることも決まっているのだから。だから演劇は嘘をやっているのです。これは映画やドラマも同じです。

だけど、俳優の演技が嘘だなと思ってしまった瞬間から、観客の興味は離れていくことでしょう。だから、稽古をするのです。嘘に思われないように、それらしく振る舞うのです。私が気になるところはまさにここです。人は、生きているだけで素晴らしいし、面白い。一生懸命に生きている人を見るのは、とても面白いと思います。セリフは、物語を進めるために言うのではありません。生きていて、何かを感じたから、結果、その言葉たちが口から、心から溢れ出したのです。嘘を嘘でなくする作業とは大きく違うと思っています。大前提が違うのです。

もちろん、広くやられている演劇というものが、悪なのでもなんでもありません。それが面白いと思う人がたくさんいるのも理解ができます。だけど私は、ただそこで生きている人を見ていたいのです。

稽古では、台本に書いてあることを喋らなくていいよ、と言います。それから、ダメでいいよ、出来なくていいよ、とも言います。だって、生きていたいだけなんだから。例えば30歳のサラリーマンの役をやるためには、その人生を30年生きないとなれないと思っています。だって30年生きてきたから、出来てきた友達がいるんです。人間関係があるんです。身体と心があるんです。口癖があるんです。社会に対して思うことがあるんです。幸せに感じることがあるんです。つまりは、30歳のサラリーマンの役など、できるわけがないのです。今から30年その役として生きたとしても、その頃には倍の年齢になっています。しかも、赤ちゃんから同じ経験をすることなど出来ないはずです。そうなんです。出来ないんです。

私たちは、出来ないことに取り組んでいるんです。だから、出来なくていいよ、なのです。出来なくていいし、公演本番を迎えようが何一つできてないんです。だけど私たちは人間です。想像するという素晴らしい力を持っています。30年生き直すことはできなくとも、その人の人生を想像することができます。想像を経験に変えていくのです。すると、少しだけその人としていられたような気がする瞬間に立ち会うことができるのかもしれません。あくまで、気がするだけですが。

このように、PANCETTAの稽古は、ある人の人生に寄り添う途方も無い旅です。だから、やってみて違うことに凹んでなんかいたら、心が持ちません。出来なくていいんです、ダメでいいんです。その代わり、何度やっても出来ないものの中から、少しでもその人に触れられたかもしれない瞬間を、少しずつ少しずつ育ててやるのです。堂々と出来ないことに挑み続けています。

思っていなかったら喋らないでいいよ、こんなこともよく言います。まずは自分が感じる、思うことでいいんです。だって別人なんですから。とにかく一旦生きてみて、自分が感じたこと、役の人物が感じるであろうことの違いを探るのです。そうして少しずつ少しずつ、時には大きく離れたりもしながら、その人の人生に寄り添っています。決まったことを喋らなきゃいけない前提があると、当然そのセリフを言うことに神経を使い、何かを感じるなんてことまずありません。もしそれで何かを感じたと言いたいのなら、それは、あなたがこう感じたいと思っているだけだと思います。だからいいんです。何も感じるわけないんです。だって別人なんだから。

演劇をやったことある人なら少しは理解してもらえたでしょうか?むしろやっている人こそ、何を言ってるんだこいつは、と思っているのかもしれません。だから私は、決め事をあまりつくりません。とにかく感じた通りにしてみてください。相手に身を委ねてみてください。事前に、質問しなくていいですよ。その代わり、なんでここで立たないんだ、とか結果に対する文句は、私も言いません。言うはずもありません。それよりも、今何を感じたか、感じてないかを知りたいです。そこからまた、次なる進行方向を探すだけなので。

このようなことを考えて私は作品をつくっています。だから、演劇じゃなくていいんです。なんだっていいんです。ただ、生きているものを見ていたいんです。それを、観にきてくれた人と、好き勝手面白がっていたいんです。


この業界で続けていくこと

散々話しましたが、それでも私は演劇の業界にいます。舞台で作品を披露するということが、作品を同じ空間で共有するということが、好きなのだと思います。業界とかどうとか言わずに勝手にやっていればいいのでしょうが、それでたくさんの観客が集まるような団体ではありません。だからコンクールを受けました。今でもたくさんの公募に出しては落ちてを繰り返しています。とにかく、出会いを求めています。私と業界の誰かであったり、作品と新たなお客様であったり。

もちろん、コンクールで受賞するなんてことになれば、周りからの見られ方も変わるでしょうし、面白いから受賞したと評判にもなってお客さんも増えることでしょう。ただ、それよりも、新たな出会いを求めて様々な地のコンクールやら、公募の企画やらに応募し続けています。

幸いなことに、2018年、第9回せんがわ劇場演劇コンクールでグランプリ、オーディエンス賞、俳優賞を受賞しました。PANCETTAで初めての受賞で、とても嬉しかったことを覚えています。出会ったことのなかったお客さんや審査員、業界の先輩方にもたくさん出会わせていただきました。今でも、ご縁が続き、コンクールの運営を手伝っています。

2019年には、若手演出家コンクール2018で最優秀賞と観客賞を受賞しました。さらに、2020年には世田谷区芸術アワード「飛翔」舞台芸術部門受賞と、ありがたい機会をいただけるようになりました。結果だけ見ると順風満帆のようですが、実際はそうではありません。受賞したものはごく一部で、当然落選したものの方が多く、若手演出家コンクールに至っては、5回は応募したと思います。

コンクールで、たくさんの出会いはいただいたものの、その後、お客さんが増え続けるということはありません。もちろんそれをきっかけに観てくれている方もいますが、それっきりという方も当然多くいます。作品が面白くないと言われればきっとそうなのでしょう。ちゃんと情報が届いていないということもあるのかもしれません。とにかく、PANCETTAのことを知ってくれている人は、まだまだ多くありません。これにはやはり、好きだと言ってくれている方々の力が必要になります。

舞台作品を一回上演することで、私の元に入ってくるお金はほぼありません。それどころか赤字にならなければラッキーくらいなものです。だけどそれでいいのです。私は、好きなことをやっているのだから。

と言いたいところではありますが、実際そうはいきません。私たちも、お金がなければ生きていけません。時間に余裕がなければ作品をつくれません。この業界には助成金というものがあります。いくつかの助成金に応募しましたが、簡単にとれるものではありません。また、助成金を取れるのか取れないのかが分からない状態で、公演を企画しなければなりません。取れなかったらどうするのかなんて分かりません、だけど企画しないと応募すらできないのです。

また、助成金に応募するには、それ相応の審査に通らねばなりません。税金などからお金をいただくのだから当然です。いつの間にか、つくりたい作品ではなく、助成金の通る作品を目指すようになってしまいます。これでは一体何がしたいのか分かりません。

私は、食っていくために作品をつくりたいのでなく、面白い瞬間に出会いたくて作品をつくっています。だから、目的が変わってしまうのはものすごく違和感もあるし、作る理由がなくなってしまいます。単なる売り上げのみで公演をやり切るのは難しく、やりたいことをただやることで助成金をもらうことも難しい。なんだかとても生きづらい業界です。すべては私の力が足りて無いことは大前提の話ですが。

これから目指す人もどんどん減っていくのではないだろうかと心配になります。だって私、10年続けてこれですもの。それでもまだ、うまくいっている方なのではないでしょうか。何をもってうまくいくと表現するかにもよりますが。若い人たちが、やりたいとなった時に、のびのびとやっていける環境を作ってあげたい。10年経ってそんなことも思うようになりました。


人の力を借りるということ

私は、2013年に立ち上げ、第1回の"Role"を終えて以降、一人でPANCETTAの運営、企画を行い、公演ごとにメンバーを集め、作品を披露してきました。だんだんと、作品を理解してくれる仲間が増え、継続して出演してくれる俳優や音楽家、スタッフも増えていきました。共通の言語を持った仲間と創作ができるというのは、とても心強く、私のやりたいことが実現しやすくなります。

2021年頃までは、ずっと一人で進めてきたPANCETTAですが、最近仲間が増えました。市民参加演劇で出会った(実際にはもう少し前ですが)、PRを担当してくれているChikaです。はじめは助成金申請の資料づくりを手伝ってもらったのですが、だんだんとPANCETTAを外に伝えるというPRを担当してもらうことになりました。一人でやっていたのは、やりたいことをやれるというメリットがありました。人が増えると、やれることが増えるというメリットがあります。だけどその分、やりたいことがやれなくなる可能性も生まれます。だって私だけで決められなくなるのだから。その不安から、責任を負うのは自分だけでいいと思い込んで誰も仲間に誘えませんでした。

彼女は私に、「私のやりたいことだから頼って。それが私の喜びだから」と言いました。とても嬉しかったことを覚えています。それ以来、少しずつやりたいことを共有し、気づけば彼女の意思で動き始めるプロジェクトも生まれました。そのことに違和感を感じていない自分がいることに気づきました。むしろ感謝しかありません。

私は勝手に怯えていたのだと思います。自分のやりたいことができなくなることに。自信がなかったのかもしれません、自分のやってることを受け入れてもらうことに。人の力とは偉大です。一人ではやれなかったことが二人ではやれるのです。
一人では考えもしなかったことが、二人だと生まれるのです。今まで描くことのなかったPANCETTAの未来を、少しだけ思い描くようになりました。少しずつエネルギーが外へと向くようになりました。

おかげで、東京以外の地域の人とも繋がれるようになってきました。繋がった地に足を運び、また人と繋がっていくことが楽しくなってきました。演劇をやっていない人と作品をつくる機会もどんどんと増えてきました。「生きることを、面白がる。」ということが、少しずつ広がっていくのを感じます。そこで生きることの素晴らしさを実感してくれる仲間が増えてきているのを感じます。

今、一緒に企画や制作を手伝ってくれる仲間もいます。札幌で出会って、PANCETTAの未来のことを一緒に考えてくれる仲間もいます。稽古場に毎日足を運び、痒いところに手を伸ばしてくれる仲間もいます。どうやったら多くの人にPANCETTAを知ってもらえるかということを、一緒になって考えてくれる仲間がいます。

PANCETTAを始めて、10年が経ちました。一生懸命やっているようで、私一人でやれてきたことなど大してありません。そんなことにも気づいているようで気づいていなかったのです。PANCETTAに触れて、興味を持って、関わってくれたみなさん、本当にありがとう。あなた方の誰か一人がいなかったら、今、続けられていません。もっともっと、力を借りるべきでした。せっかく手を伸ばしてくれていたのに、私がそれを握らなかったのかもしれません。

これからは、もっともっと、みなさんの力を借りて、外へと羽ばたきます。一緒に羽ばたいてください。素敵な景色を、共有したいです。

そして、今まで一度でも作品に触れた方々。本当にありがとうございます。観てくれたみなさんの、誰か一人がいなかったら、今、続けられていません。今こそ、もっと力を借りるべきだと気づきました。

私は、作品でしか返すことができません。その代わり、すべてのエネルギーを作品に注いでいます。どうかぜひ、PANCETTAを外へと広める手伝いをしてください。お力、貸してください。どんなことでも構いません。このnoteを拡散してくれても、誰かにPANCETTAの動画を送りつけても、満員電車の中でぼそっと「PANCETTA」って声に出してくれても、心の中で念じてくれても、過去の動画をもう一本見てくれることでも、みなさん少しの力をPANCETTAに分けてくれたら、きっとPANCETTAにとっての栄養になります。もっともっと美味しくなります。力、貸してください。

一宮周平です。PANCETTAやってます。
これからも、PANCETTAやっていたいです。


スズナリの舞台

10月5日から8日の間、PANCETTAでは初めて、スズナリの舞台に上がります。今までと比較しても客席数の多い劇場です。まだまだ、たくさん席が空いています。みなさん、力を貸してください。ここまで読んでくれた方、なんだちょっとは頑張ってるんだな、とか、ほんのちょっとの気持ちで構いません。あなたのその一つの拡散が、大きな力となります。10年間の集大成を、どうにか多くの人に観ていただきたいです。生で舞台を見ることって、刺激的なはずです。

とはいえどんな舞台なの?と思う方、こちらをご覧ください。前回公演"蝉"の映像です。


最後に新作の詳細です。ここまでお読みいただいた方、本当にありがとうございました。既に拡散していただいた方、本当にありがとうございます。

今回は、"ゾウ"をテーマに5人の俳優と、3人の演奏家とともに、全身全霊で作り上げています。"ゾウ"に思いを馳せて、帰っていただけるはずです。
ぜひ、劇場にてお待ち申し上げます。


PANCETTA 14th performance “ゾウ”

——踏み出せ、その一歩を——

 大きなゾウを眺めていた。小さな憎悪を抱えていた。暑い日も、寒い日も、ちっとも動かず、立ち尽くしている。ずっと想像していた。あいつが一体、何を考えているのかを。

日程
2023年
10月5日(木)19:30
10月6日(金)19:30◎
10月7日(土)13:00/18:00○
10月8日(日)11:00●/15:00

※未就学児入場不可
※台本貸し出し有(詳細はHPにて)
◎の回は手話通訳有(詳細はHPにて)
○の回は終演後バックステージツアー有(HPにて要予約)
●の回は未就学児入場可(0歳からOK)、入場無料(HPにて要予約)
※受付開始45分前、開場は開演の30分前

会場
ザ・スズナリ
〒155-0031 東京都世田谷区北沢1丁目45−15
tel/03-3469-0511

脚本、演出
一宮周平(PANCETTA)

出演
今井あずさ、植本純米、佐藤竜、吉澤尚吾、一宮周平

音楽、ピアノ 加藤亜祐美
ヴァイオリン 佐藤恵梨奈
ユーフォニアム 安東京平

舞台監督 小川陽子
照明 黒太剛亮(​黒猿)
照明操作 江花明里
音響プラン 竹下好幸
音響操作 藤田沙耶、久家あつや
制作 小泉沙百合
当日運営 滝沢有菜(HARU Stage)、黒木界成
絵 松本亮平
デザイン 齋藤俊輔
撮影 市川唯人
鑑賞サポート 野口季美恵
企画、制作協力 竹井京子
PR Chika
協力 キューブ、青年座映画放送、劇団さしすせそ

チケット予約
8月20日(日)12時〜チケット発売開始
◯事前精算(カンフェティ)
http://confetti-web.com/pancettazou
10周年記念チケット(サイン入り台本、記念Tシャツ付):7,000円(9/20まで)
前売:4,000円
ペア前売:7,500円/2枚
世田谷区民割引:3,800円(要証明書)
U22前売、当日:2,500円(要証明書)

◯当日精算(カルテットオンライン)
https://www.quartet-online.net/ticket/pancettazou
前売/当日:4,500円
U22前売、当日:2,500円(要証明書)

全席自由席

手話通訳協力
特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net )

記録助成
一般社団法人EPAD/文化庁文化芸術振興費補助金(統括団体による文化芸術需要回復・地域活性化事業(アートキャラバン2))|独立行政法人日本芸術文化振興会

問い合わせ pancettapancetta@yahoo.co.jp
HP pancettapancetta.com

主催、企画、製作 PANCETTA

PANCETTA(パンチェッタ)
2013年5月22日より。
一宮周平による、パフォーマンスユニット。作品ごとにメンバーを集め上演する。
人間の身体を駆使し、表現の可能性を示唆する。装置のない空間に存在する音・光・身体がつくり出す時間は、観る者の想像を喚起し独特の世界へと導く。また日本特有の文化、言葉を多彩に活用し、類を見ない表現を追求する。生でこそ価値のあるものづくりを念頭に面白さを追求し続けている。


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