担当ちゃんと私②
つまらない記憶の方が印象強かったのに、なぜだろう。
初めてのホストクラブ以降、
2〜3回ほど、他のお店を初回で訪れた。
・・・・・・・・・・・・・・・
虫が、暗闇で光る電球に引き寄せられるように、
『ホストクラブ』というキラキラした非日常空間は、私を引き寄せた。
そう、あの空間が。
綺麗な物が好きな女性の心を、魅了して止まないのだ。
「楽しくないんだけどな・・・」と思いながらも、
あの空間に居るときの高揚感を味わいたかった。
・・・・・・・・・・・・・・・
そしてある日、
何気なしに訪れたあるお店でひとりのホストに出会った。
彼こそが、私にホスト通いの楽しさを教えてくれるきっかけになった人物だと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・
友人と共に、席に案内された。
今まで行ったどのホストクラブよりも、内装が素敵だと思った。
昔の記憶なので確かでは無いが、白を基調とした広く豪華な店内で感動したのを覚えている。
まるで自分がお姫様になって
舞踏会に来たかのように錯覚した。
・・・
キャストが名刺を置いて入れ替わり立ち代り・・・のシステムは一緒だった。
(またコレか、、やっぱ疲れるだけだな、、)と、お姫様の妄想が崩れ始めたとき、席についてくれたホストがだいぶ好みだった。
・・・
年下のキャストが多い中、彼は同年代だった。
ホストだから賑やかではあるものの、落ち着いたオトナの雰囲気があった。
顔よりもその雰囲気を、本能で好きだと思った。
距離感の詰め方が絶妙で、私はすぐに彼に好感を抱いた。
たぶん、私たちの様子はちょっと違った。
・・・・・・・・・・・・・・・
初めて名刺を持って帰った。
もちろん彼の名前が入った物だ。
また会いに来たいなと、ホストに対して初めて思った。
・・・
友人と店を出て帰る途中、
「あのまま二人でホテル行っちゃうんじゃないかと思いましたよー笑」
と、からかわれた。
そのくらい、あの短時間で彼に引き込まれたのだった。
つづく