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「私は何がしたいのか」問題

何がしたいのかずっと考え続けている

「私は何がしたいのか」「どうなりたいのか」
これね。私はここ10年くらいずっとぐるぐると考えている。

そんなことを言ってると、昭和の阿部サダヲが乱入してきて
「ぐだぐだ言ってんじゃねぇよ!働け!馬車馬のように働くんだよ!
『何がしたい?』そんなこと考えてるヒマがあったら一件でも多く契約取って来いよ!ボケ!!」と飛び蹴りされそうだけど。

…いや、私も昭和の人間だし。実際、馬車馬のように働いていた時代もあったわ。


人間のタイプ

そもそも、生まれ持った性格として特別意志の強いタイプというのがいる。それ以外の人は素直もしくは何にも考えずに流されるタイプ。

意志強(いしつよ)くんは自分自身の感覚を大事にするから、たとえ周りの人が「こうしなよ」「これが普通でしょ」と言っても、自分のやり方を貫き通す強さがある。かっこいいよね。

小・中学生くらいまでは素直タイプがいわゆる「いい子」。
(勉強も生活習慣も大人の言う通りにするからね、そりゃ大人から見たら「いい子」だわな。)
一方で、意志強(いしつよ)くんは「反抗的」「変わった子」なんて見られたりもする。

でもこれ、義務教育を卒業して就職活動を始めるあたりから急に様子が変わってくるのだよ。少なくとも私にはそう見えた。

それまでは黙って言われた通りにこなしていれば合格ハンコをもらえてたのに、急に「あなたは何がしたいの?」と大人が口々に聞いてくる。

「あなたがうちの会社に入ってやりたいことは何ですか?」
「わが社のサービスに関してあなたの意見を聞かせてください」

え?…えーーーーーーーー?
私がどうしたいか?私の意見?
………(沈黙)
………(1時間経過)
………(48時間経過)
…わ・か・ら・な・い…(泣)。

そもそも自分の頭で物を考えること、それを表現するということを全然して来なかった。
そのことに初めて気がついて呆然と立ち尽くす。
なんとからっぽでちっぽけな自分よ…。

ふと横を見ると、中学時代ことあるごとに親とぶつかり先生に反抗していた意志強(いしつよ)くんが、さっそうと夢に向かって突き進む姿が。

あれ?あれあれ?
なにがどうしてこうなった?


家庭環境と親の関わり

ちなみに、生まれ持った性格にそこそこ影響するものの一つに、家庭環境と親の関わり方があると思っている。

「あなたはどうしたいの?」
この問いかけを親が子どもにしてきたかどうか。

多くの親がわが子の意志を尊重しようと心がけているだろうけど、子どもは基本親の顔色をうかがうもの。
自分の気持ちは置いておいて、「ここは親の言うとおりにしておこう」とその場を切り抜ける経験をひたすら積み重ねていく子も結構いるんじゃないかと思う。
だから親の子どもへの関わり方にはちょっとテクニックがいる。

それに、何かを「選ぶ」ということそのものが許されない環境で過ごす子だっているよね。そもそも選択肢がないんだから自分の意志もなにもない。


育児と自分とのバランス

そんなこんなで、何とか意志があるようなフリをしてごまかしてきたものの、また次のどでかいハードルがやってくるのです。
育児。
これといった正解がなく、目の前にいるのは自分とは違う種類の生き物。

先を読んで計画的に進めていく仕事とは全く違うスキルが求められる為、まぁいっぱいいっぱいになる。(子どもの性質によって手のかかり具合は何倍にもふくれ上がる。)

「母親は自分のことは後回し。それが当たり前。」
この呪縛は今やだいぶ薄れてきたような気もするけど、何せ自分の肩に乗っているタスクが重い。日々変わっていく子どもとの関わりは、仕事のようにマニュアルを作って他の人に頼む、ということが難しい。
「私がやるのが一番スムーズにいくから」と全部抱えこんでいると、自分のことを考える時間なんてゼロ。

気づいたら自分が何者なんだかすっかりわからなくなっていた。
ファミレスでメニューを開いても、自分が何を食べたいのかさえわからない。

…こりゃ重症ですぞ。


自分の気持ちに気づくには訓練が必要

こんな感じで、もうずっとぐるぐる考えている。
そもそも自分に何ができるのか。
モヤモヤしているうちに、子どもの調子が崩れてそっちに労力を持っていかれる。
しばらくたって少し余裕ができるとまた同じ地点に戻ってくる。この繰り返し。

…いやいや!いいかげん抜け出しなさいよ、この無限ループ!

私だってやるときゃやるんだよ、ただちょっと大器晩成なだけ(どんだけ?)。


小さなことから始めよう

結論。小さなことから始めよう。

今日のお昼は何食べようか?空いた15分で何しよう?
時間もお金も体力も限られているけれど、その中でも選べることはある。
自分の気持ちに気づいて、選ぶ訓練を積み重ねよう。

これといったスキルも経験もないけどさ、大それたことをしようなんて思っちゃいないけどさ、それでも自分のしたいことやってみようよ。

これが私がこのnoteとイラストを始めたきっかけ。

これが未来の何かにつながるかどうか全然わからないけれどとりあえず一歩踏み出してみたよ。


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