【活動レポート】PMI Legal Community 2月LAB:「企業を取り巻く多様なステイクホルダーとのコミュニケーション戦略」としてのパブリック・アフェアーズ/ルールメイキング
2023年2月13日、PMI Legal Communityで、2月LABを開催いたしました。
PMI Legal Communityでは、ルールメイキングに関連するテーマで、講師の方をお招きして勉強会(LAB)を毎月開催しております。
今回は郡裕一さん(エデルマン・グローバル・アドバイザリー・ジャパン マネージングディレクター)をお招きし、「『企業を取り巻く多様なステイクホルダーとのコミュニケーション戦略』としてのパブリック・アフェアーズ/ルールメイキング」というテーマで講義をしていただきました。
以下では、講義の概要やその後の質疑応答の様子をご紹介いたします!
1 郡さんによる講義
(1)企業の信頼度と企業に求められる役割
講義の最初は、政府、メディア、企業などがどの程度信頼されているかについて定量的に測ったトラストバロメータの結果を示しながら、企業に求められる役割についてお話ししていただきました。
現状、企業・NGO/NPO・政府・メディアの信頼を見たときに、一番信頼が高いのが企業で、政府やメディアは信頼が低下している状況にあります。
日本でも同様の傾向で、企業の信頼度が一番高く、次にNGO/NPO、政府、メディアという順番になっています。
このように、企業に人々の信頼が向けられる中で、企業にはどのような役割が求められているのでしょうか。
そこで、各社会課題に対する企業の取り組みが十分か否かについて回答を求めたところ、企業の社会的課題への取り組みが不十分であり、もっと取り組んでほしいと思っている声が大半という結果がでています。特に、経済格差の問題や気候変動といった問題について、企業がその取り組みを強化してほしいという声が多くあがっています。
また、特にCEOがそういった取り組みの担い手になることが期待されています。日本企業は、自社のビジョンや自身が成し遂げたいことを発信するという面で弱い部分がありますが、こういった発信も重要であると言えます。
また、企業が信頼を獲得していく際には、情報の質が重要となります。
下のグラフでは、高所得者と低所得者では、低所得者の方が信頼度が低いという差がでていますが、低所得者であっても様々な情報をチェックしている人は信頼度が高まるという結果がでています。他方で、高所得者であっても、情報に精通していなかったり偏った情報しか得ていない人の信頼度は低くなっています。
このような点から、情報の質を高めていくことが信頼度構築に必要な要素であると言えます。
(2)Public Affairsの実務
講義の後半では、現代の企業に求められている役割を踏まえた上で、具体的なPublic Affairsの実務についてお話ししていただきました。
まずは、Public Affairsのプロセスについて紹介していただきました。
その中で、ステークホルダーに対してメッセージを投げかける際に、各地域の特性を踏まえるべきとの指摘がありました。例えば、「脱炭素」に関わる言葉であっても、地域によって言葉の受け取り方が変わってきます。メッセージの主要部分には一貫性が必要ですが、その伝え方は各地域の特性を踏まえて考えていく必要性があると言えます。
その後、これまでに扱ったPublic Affairsの実例を2件紹介していただきました。これらの具体例を通して、PAの実務が事業の遂行にどのように役立っているのかについて、具体的にイメージをすることができました。
2 質疑応答
講義のあとは、会員からの質疑応答を行いました。
例えば、次のような質問がなされました。
このように活発的に質問がなされ、非常に有意義な時間となりました!
3 PMI Legal Communityのご案内
PMI Legal Communityは、「ルールメイキング」という新領域に挑む実践コミュニティです。
官庁出向経験者、 スタートアップ・IT企業のインハウスロイヤー経験者、 キャピタリストなど、様々なバックグラウンドをもつ弁護士・専門家が参加しており、毎月勉強会を開催するなど、学ぶ、考える、つながる場を提供しています。
現在会員募集中ですので、興味をお持ちの方は是非参加していただければと思います!
毎月の勉強会(=LAB)には、トライアル参加という形で、会員でない方も初回無料で参加することができます。こちらも是非ご活用ください。
【団体概要】
名称:一般社団法人Public Meets Innovation
設立日:2018年10月1日
HP:https://pmi.or.jp/