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席を譲るか寝たふりするかいつも葛藤する小心者の私だけれど優しい世界を目指したいって話【エッセイ】
先日、地下鉄で座っていると、私の前に、ゆったりとしたワンピースを着た女の人とその夫らしき人が立った。
よくみると女の人は、お腹のあたりがふくらんでいる。
「どうぞ」と、一旦立って席を譲ろうとすると、「いいえ、いいです。いいですぅ」と丁寧な言葉ながらも、頑固に辞退されたので、仕方なしにもう一度座った。
すると、どうも二人の様子がおかしく、こそこそ話しをしている。
「間違われたんとちゃうん?」
「そんな格好するからやろ」
「せやけど、、えぇ~~、そうかなぁ、、、」
そう、彼女は妊婦さんではなかったぁ!! (爆)
申し訳ない気持ちと恥ずかしさで、寝たふりをしたのだが、どうみてもお腹が出ているぞ、彼女!!と心の中で突っ込んだ。
私は、バスでも地下鉄でも、 「座る」 ことに軽い罪悪感を感じる。
だったら座らなければええやんか。。。と言われそうだが、始発などの場合、ガラガラの車内で、ひとり立っているっていうのも意地を張っているようでおかしな図だ。
なので、一旦は座るのだが、問題は、降りる駅までの過ごし方である。
明らかにお年寄りが乗ってこられたら、席を譲るのだが、少し離れたところに立っているとか、外見が微妙で判断に迷う場合、堂々と座っていることができない。
なので、ほとんどが寝たふりか、私は気が付いてませんっていう感じで押し通す(苦笑)
昔テレビでだれかが、「僕は今まで、電車やバスで座ったことは一度もありません」と言っていたが、そこまで強く誇示するほどでもなく、座れたらラッキーなんだけど、気が小さいのよね私、、、ってニュアンスだから、ややこしい。
そういえば、随分昔だけれど、「僕は座りたいので、替わってください!」と、若い女の子に、強い口調で宣言している若い男がいた。
一瞬車内の空気が止まったが、連れがいた女の子は、「じゃ、ジャンケンで、、、」と言い、周りの意識を一身に集めて、席争奪じゃんけんが繰り広げられ、結局、若い男が席を勝ち取った。
「大阪やなぁ~~」と、ある種の感慨を受けたのだが、席をジャンケンで獲るっていうのも、面白いかも。
しかし、席を譲られる側にいるはずの高齢の母が昔、「なんで、あんなよぼよぼのじいさんに席を譲られなあかんねん」と、よくわからない理由で怒ったりしていたから、席を譲るほうも、譲られるほうも、人それぞれだなぁと思う。
どちらにしても基本的には、 “ 思いやりの気持ち ” に尽きるだろう。
そして、その思いやりを受けた側も、素直に「ありがとう」と感謝で応えられたら、優しい世界になるに違いない。