#30 「人が増えても早くならない」を社長に渡そう!

今回は、「人が増えても早くならない」を社長に渡そう! というテーマで話題の書籍について深掘りしています。

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ソフトウェア開発は人が増えても早くならない

はち :今日はですね、プロダクトシリーズならぬ推し本番外編!これは僕がもう一個やってるPIVOTのポッドキャストですでに散々話してしまったんですけど、倉貫さんの新しい本で「人が増えても早くならない」っていう本がオススメなんですよ。ソフトウェア開発の話をしてるんですよ。例えば、製造業とか工事現場の作業とかって人が増えたら早くなるんですよね。で、ソフトウェア開発は人が増えても早くならないんですね。これを聞いてジョンさんは「いや、それはそうだよね!」なのか「え?そうなのか??」なのか「どうやらそうらしい」で言うとどんな印象ですか?

ジョン:「え、そうなんだ」かな。

はち :いいですね。エンジニア出身のPMはそんなの当たり前だろっていう話なんですよ。ジョンさんをディスってるわけではなく、ジョンさんはエンジニア出身ではないじゃないですか。でも、そうなんとなくそうっぽいっていうのは分かっていると。同じようなことが会社でも起きてますよねっていったところに対する本です。

ジョン:ああ、でもそれはめっちゃそうかもしれない。特にやっぱりビジネスサイドとか営業の人とかは、やっぱりもっとそこらへんわかんないと思うんで。「今リソース足りてないっす、じゃあ人増やそう」となる。

はち :それそれ!例えばあと一ヶ月で開発完了し、この機能の開発が終わんないとリリースができませんってなった時に、じゃあ外の会社から三人フリーランス集めてくるから、それでなんとか終わらせてよみたいなっていう経営者が世の中にはたくさんいます。ただ先にこの人が増えても早くならないっていう、その、八章からなる二章目なんですけど、そこの結論から言うとえとですね、ちょっと読みますね。「例えば五人のプロジェクトなら、自分以外の四人について動きを把握して連携を取ればよかったのが三人。追加して八人になったら七人を相手にしないといけない。ミーティングの時間が増え、同僚からの相談に乗る時間が増えれば、自分の手を動かす時間が減ってしまいます」コミュニケーションパスが増えるっていう話ですね。なので、三人増えたら三人分早くなるかっていうと、むしろマイナスになってます、それがソフトウェア開発だよっていうお話なんですけど、これが一緒に仕事をしてるはずなのに、人によってめっちゃ当たり前だから言わないっていう人と、そんなの当たり前かどうかも知らずに仕事をしている人が会社の中では共存してるんですよ。なので、それをみんな気づこうぜっていう本。

特に、ビジネス出身の経営者の下で働くエンジニアは、日々この多分もやもやに葛藤していると思うので。しかもこれ言語化が難しいんですよ。なぜならソフトウェア業界の当たり前だからソフトウェア業界の言葉でしか表現されてきてなかったんです。それを倉貫さん、ソニックガーデンの社長で、何回か前に僕が推しプロダクトシリーズでメルマガがすげえっていう話をした、クラシコムの北欧暮らしの道具店運営しているクラシコの社外取締役もやっている倉貫さんが今までソフトウェア開発の界隈でずっと生きてきたところから、そのクラシコムさんというある意味、そこから違った文化のところにソフトウェア開発の文化を浸透させた時の過程がここに凝縮されてるわけです。なので初めてエンジニアがもやもやしていたものが経営者にも分かる言葉で言語化された本。

なので、今日は何が言いたいかっていうと、これにもやもやしている、例えばエンジニアもしくはPMエンジニア出身のPMとか、「それ人を増やせばいいじゃん。なんとかなんないの?」って言われてきたPMとかは武器を手に入れたと思っていて。まずはこの本を自分が読んでも読まなくても、正直どっちでもいいから経営者に渡せっていう。これもう教科書を渡すみたいな世界になってくるんで、それをひたすらお勧めしたいという話でした。

本の構成紹介

はち :しかもこれね、もう完全にターゲットが忙しい経営者とかビジネスマン向けだから130ページしかないんですよ。もう一日あれば読める。確か8章から構成されています。ちょっとタイトルと目次だけ読みます。

  1. 第一章、完成しても終わりではない
    いわゆる納品で終わりとかじゃない。むしろそこからがスタートだって話。

  2. 第二章、人を増やしても早く作るわけではない
    さっきの話ですね。

  3. 第三章、たくさん作っても生産性が高いとは言えない
    いわゆる例えば本とかロットを増やせばボリュームディススカウトされるようなものじゃソフトウェア開発ないよねって話。

  4. 人に依存せず同じ品質で作ることはできない
    うん、難しいぞここら辺から。

  5. 第五章、プレッシャーをかけても生産性は上がらない
    気合いと根性でもどうしようもなんねえぞっていう。

  6. 第六章、見積もりを求めるほどに絶望感を増す
    これはいろんなPMに読んでもらいたい。うん、これはねもう詳しくは読んでほしいんです。もう語りきれないんで。

  7. 第七章、一度に大きく作れば得に見えて損をする
    アジャルの話ですね。

  8. 第八章、工程を分業しても効率化に繋がらない
    上流だけテストだけとかやってもそれは効率化にはなんないぞという。でも工場とかはむしろその方が効率化になりますよね。イチゴ乗っける人え、クリーム絞る人とかの方がスピードが上がっていくしという。そうじゃないぞという話を色々していただいている。

読んで社長に渡そう

はち :まずは読んでください。

ジョン:はい、まずは読みます。

はち :百三十ページなんで、そして読んだら次にやることは分かりますか?社長に渡してください。

ジョン:渡します。

はち :はい。これを聞いてる方は、ぜひまずはそれをやっていただいて。で、その上で会社の中のプロダクト開発に対する意識が絶対変わるはずなので、困ったらですね、PMはそういうことをやるといいぞっていう名著が生まれたというお話でした。

ジョン:今、目次とか聞いただけだけど、心当たりあるなみたいなのは、やっぱ多分思う人多いというかまうんうんって思いますよね。私もそうだったんですけど、説明するのってやっぱり難しいなって思うんで、本を読んでですね。私もこういうことだぞって言えるようになろうかなと思います。

はち :そうです、そうです。まさにこうやっぱり説明できない理由は、さっき途中でも言ったんですけど、ソフトウェア開発の人は、ソフトウェア開発の言語で世界を見ていて、PMはPMの言語で世界を見ていて、経営者は経営者で世界を見ているわけですよね。なので、そこの翻訳が必要で、そこの翻訳をソフトウェア開発の人が経営者に向かっている時って、やっぱりソフトウェア開発の言語になっちゃうんですよ。で、今逆もしかりで、それをソフトウェア開発と経営者を両方の視点から見てきた人が翻訳してくれてるんで、いわゆるプロの翻訳が初めて翻訳してくれたない、よくある出来事みたいな感じなんですよね。うんなので、自分で説明するより早いよし。ちなみに、ちなみに僕はこの本を社長に渡そうと思ったらもう読んでいました。

ジョン:読んだ上でちゃんと話は通じてましたか?

はち :通じました。なんとなく感想はなんとなくそういうもんだと聞いていたが、腑に落ちてなかったことがちょっと腑に落ちるようになったって。

ジョン:すごいいいですね。結局本って割とそういうもんですよね。本だけじゃないですけど、やっぱなんとなくこう、もやんと思ってたものが、こう本を読んだり、誰かと話すことで、こうちょっと本に落ちるみたいな。あれですよね。自分一人じゃちょっとたどり着けなかったものに、何かそういった周りの知見を取り入れて、生で落とすっていう形かな。

はち :はい、うん、そんな感じです。

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キャスト

  • MC

    • はち (PIVOT株式会社 プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/PassionateHachi

    • ジョン (とある上場スタートアップ プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/john_tk120

  • スタッフ

    • 「PMのネタ帳」コミュニティーメンバー

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