かわせみ亭コラム#9
唯我独尊の優位者たち
自分の振舞いは常に相対的なもの、すなわち他人との関係性の中にある、という認識のない人々の行いは常に独善的であり、専横的であり、私利私欲的になり、ついには自己ないしは共同体を衰亡・破滅に導くという歴史の事実にまったく気がついていないのである。特に力で優っている人々、頭脳で優っている人々、権力で優っている人々、金力で優っている人々においては、常にそのような傾向が強く、「利益は自分に、負担は他人へ」という欲まみれを是とし、成功の誉れは自分のもの失敗の原因は常に劣った他人のせいとしてしまうのである。
このような思考性癖をもったものたちが政治・社会・経済の優位に立った場合には、その国家の主義主張が何であったとしても、必ずその国家や共同体集団には破滅の運命が待ち構えているということは歴史の証明するところである。
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