幼稚化する大人たち

(かわせみ亭コラム#29)
 実に天真爛漫な能天気な振る舞い方だと思う。自分の組織の者が大きな不始末をしでかした時の組織幹部の記者会見の言葉は決まって、「ご心配とご迷惑をおかけしました」というマニュアル言葉なのだ。聞いているこちらは一向にご心配などしてはいないし、深い陳謝の念など一かけらも感じられない。
 謝罪の言葉は言い訳のオンパレードで、「私は知りませんでした、指示してはいません、担当者が勝手にやったことです、組織的な問題ではありません」などとおっしゃる。
 組織活動の中で行われたことなら、一担当が勝手に実行しようが、多数が合意のもとに実行しようが、すべての責任はその組織長にあるのは当り前のことなのに。
 ボクは知らない、ボクはやってない、ボクは関係ないとあくまでもしらを切り通す子どもの姿を見ているようだ。このような悪ガキたちに、ものの道理を説いても通用するわけもない。彼らに必要なのは親のゲンコツなのだから。 とっちゃん坊やの年老いた親はどこにいるのだろうか。
 私たちの日本はいつの間にか美しくもなく、クールでもなくなってしまった。
 いつまでも続くわけもない千日手、きっといつかは王手がかかり一巻の終わりとなるだろう。

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