2020 立川談吉年末放談③
昨年度、師走もピークに差し掛かるころ掲載させていただきました
立川談吉さんの一年を振り返る年末放談。
今年もやろうということになりまして、
zoomを利用したリモートでお話を聞くこととなりました。
皆様におかれましても大変な一年であったであろうと想像できる2020年。
談吉さんにとってはどんな一年だったのでしょうか。
本日はいよいよ最終回、今年熱中したあのゲームの話から始まります。
聞き手は昨夜に引き続き±3落語会事務局の八百枝です。
古典のやりなおしとドラクエのやりなおし
— 今年ドラゴンクエストにハマったのは暇だったからですか?
談吉:ドラクエにハマったのは「暇だったから」です。凄い暇だったんですね。ドラクエタクトっていうのがあって、それをやってみよーっと思って始めてみたんですけど、結局、ガチャでやる気をなくして、それなら買い切りのやつがいいなと思って、じゃあドラクエⅢをアプリで落としてそこからはまりましたね。Ⅲはアリーナのような個性の強いキャラクターがいないじゃないですかそれでよくあそこまで面白くストーリーを作り上げた、そしてボスが素敵だった。
— ボスが素敵だった…?
談吉:ゾーマが素敵だった。あの音楽が良かった。
— 神竜まではいかなかったんですか?
談吉:破壊の鉄球をとって満足しちゃったんですね。それからⅡへ行きました。Ⅱやったことないなと思って。昔、我が家にもあったんですよ、ファミコンのドラクエⅡが。あったんですけど兄貴のでしたからやれなくて。兄貴がドラクエⅡを持って、なぜかドラクエⅡを持ってなぜか自転車で友達の家へ遊びに行こうとしたらしいんですよね。
— うぅぅぅ…
談吉:自転車が転んで
— あぁァァァ……
談吉:Ⅱが壊れたんですよね。
— あぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜、悲しィィィーーーー!!
談吉:なのでⅡができなかったんですよ。
— でやってみてどうでした?
談吉:Ⅱは鬼畜ですね。オートセーブがなくて不親切。
— (激しく同意)
談吉:そしてⅡをクリアした後、ⅣやってⅤやってⅥやってⅦやってⅧまでやりました。
— 凄い…暇…、暇って凄い…。
談吉:もうやらないぞと思いました。といいつつ、今、テリーのワンダーランドをやってますけどね。ゾーマ作っちゃったんで、もういいかなとは思ってますよ。
— ファイナルファンタジー(以下、FF)はやらないんですか?
談吉:今、…迷ってるんですよ。
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— 今までお話聞いてきてちょっと思ったのですが、2020年コロナに世の中が巻き込まれようとも、談吉さんの生活はあまり変わらなかったが落語においては変化があったような気がしますがいかがですか?
談吉:そうですね。…落語は、変わったなということと、落語に対する考え方もちょっと変わったかなと思ったのと、まくらもちょっと変わったなというと、ほんと色々意識するようになりましたね。出方も変わったし。だいぶ変わったとは思いますね。だいぶと言ったって変わったということがやっとわかったかな、やっと実感できる感じの変わり方をしたなといのが今あるかなといったところですね。あと古典のやりなおしを今年はいっぱいやりました。『ろくろ首』とかもそうだし、『死神』も作り直した。
そうですね、古典のやりなおしもしましたし、ドラクエのやりなおしもしました。
あと思ったのは、古典落語を好きな人は、ドラクエも好きなんだと思った。
— …ふぁ?
談吉:ドラクエとFFがあるじゃないですか。ドラクエっていうのは王道なんですよ。魔王を倒す・世界を守るっていうのがドラクエ。FFっていうのは世界を変えるっていう話なんですよ。ということはですね、ドラクエが好きな人は古典が好きで、FFが好きな人は新作が好きなんじゃないかな?とか思ったりしましたけどね。
ーほう…。
談吉:あくまでも予想ですよ。恐らくそうではないか?といったところです。ちょっと違いますけど、談之助師匠の言葉で「演芸好きはジャイアント馬場さんが好き。お笑い好きはアントニオ猪木さんがすき。」というのがあります。演芸は徐々に徐々に積んでいってもりあがった最後に十六文キックという水戸黄門でいったら印籠を出すのが演芸の感じなんですよね。
かたやお笑いはいきなり奇襲をしかけたりする驚きのある感じ。それは名言だと思いますよね。
ーあと今年、他にはまったものはありますか?
談吉:『食彩の王国』ですね、はまったというより今はまっているといったところでしょうか。食彩の王国は録画します。あれは見逃しちゃいけないんですよ!大変なんですよ生産者は!大変な思いで作っている食材をね、毎回紹介するそんな素敵な番組、他に無いですよ。
ーそういえばYouTubeでミュージシャンの太田光昴さん『ご飯のお供チャンネル』というのを始められましたよね。
談吉:私が作っているのもあるんですよ。「油みそ」と「ねぎ塩」、作ってくれましたか?
ー…いや…作ってないですね…。
談吉:作ってくださいよ〜!(そこから作り方講座が始まる)
芝浜は演者と価値観が合うかどうか
— さて、12月の談吉百席で鼠穴をかけられたんですね。
談吉:やりましたね。またちょっと違うかなって感じになってきましたかね。そんなに無理して変えたりはしないんであれですけど、季節のもの(噺)というのは毎年やっていかないと良くなっていかないなとは思いますので、ちょっとづつ毎年良くなってるかな?というふうには思っています。
— 談吉さん、芝浜は久々にやらないんですか?
談吉:芝浜は、色んな人のを聞いてますけど、いっぱい色んな落語をやったあとにやるもんだなと思っています。鼠穴はいっぱい色んな人に会ったあとにやる噺かなと思っています。
うん、今年はそういうふうに思ったかなーって感じですね。
— 実は、私自身は芝浜という噺があまり好きではないんですよね。
なんとなく違和感を感じてしまって。
談吉:言っちゃうと「三題噺」なのでつじつまを無理矢理合わせていった噺って事ですから、「芝の浜」と「革の財布」と「酔っ払い」の3つで、圓朝がつくった。
元がそれだって言うのをどうにかつくりこんだ噺ですから、違和感はあるもんなんです、絶対に。で、いかに違和感をその時その瞬間に感じさせなくするかっていうのが演者の力。
— だから家元の芝浜には感じるところがあるんですね。
談吉:噺自体が未熟なものなので、そこを演者が自分なりの解釈で「俺はここおかしいと思うんだよな」っていうところを埋めてやっていく訳ですね。
それがお客さんとカチッと合った時に、いい芝浜になる。
演者がどうやって「こういう噺なんだよ」って思わせる技量、技術、噺の構成、引き込む力、説得力の全部が出る噺なんですよ。
なぜなら、元がしっかりしてない噺だから。
だから私は一回はやったけど、違う噺をいっぱいやってからでないと出来ないなぁ、というところにいますかね。
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— そんなこんなで大変な年も暮れていきますねぇ。
ところで、年末の原稿はきちんと書いて下さいね!!
31日の夕方に渡されても困るんですからね!
談吉:書きます書きます!!(笑)
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これで立川談吉の年末放談はおしまいです。
2020年最後の「煮込む日々」は大晦日21時頃更新となります。
是非そちらもお読み下さい。
最後に談吉さんからこの連載を読んで下さっている皆様へご挨拶がございます。最後までお読み頂き誠にありがとうございました。