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RPG (131)

筆者は自分のことを語るのが苦手だが、読者の皆さまにはしっかり伝えておこう。

『談吉さん、二度目の渋谷らくご創作大賞とったどー!』

ありがとうございます。これもひとえに煮込む日々の読者の皆さまが、私を見捨てないでくださったからだと思います。心より感謝を申し上げます。

さて煮込む日々であります。
もう今年もあとわずか。みな思い思い暮れの準備を始めているだろう。筆者は引越しをしたばかりで、まだ開いていないダンボールがたくさんある。というかまだ開けられないダンボールが沢山ある。別に何らかの封印がほどこされていて、封印を解く呪文を覚えた賢者に開けてもらわないといけない訳ではない。だいいち封印を解く呪文を覚えるためには聖者の洞窟で洗礼を受けなくてはいけないし、聖者の洞窟に行くには王様の許可をとらなくてはいけない。そもそもここのところ王様5年前から眠ったままである。王様を起こすには″目覚めのアコーディオン″を鳴らさないといけないが、″目覚めのアコーディオン″を演奏出来るのは音楽家のポコだけである。しかしポコは盗賊のナチョスに捕まっているので、助けるためにナチョスを倒さなきゃいけないが、ナチョスはハラペーニョの塔に潜伏しているから、ハラペーニョの塔に入るためのピンチョスの鍵を手に入れなければお話にならない。ピンチョスの鍵はバザーで売ってるので、カポー村の民芸品である木彫りのチコリータのを持っていかなくてはいけない。木彫りのチコリータは職人のトーマスに掘ってもらうのだが、トーマスは村の西の森で倒れているので、「西の森に行ったらいいんじゃない」というセリフを酒場で聞かなくてはいけない。酒場に行くには「何かあったら酒場で話を聞きな」というセリフを、道具屋の裏で反復横跳びしてる村人に聞かなくてはいけない。何より村に行くには夢の中で「あなたは村に行くべきよ」という神のお告げを聞かなくてはいけないし、そもそも自分の名前を打ち込まなくてはいけないのである。
つまり何が言いたいのかというと、ダンボールを開けるのは大変だということと、リメイク版のドラクエⅢやりたいなぁ、やってる人羨ましいなぁということである。

それにしてもRPGというのは一体何が面白いのだろう。文章にするとただあっちゃこっちゃ行ってるだけではないか。などど思ってはいけない。あっちゃこっちゃ行くのが楽しいのだ。ああでもないこうでもないと間違えながら進むのがまた面白いのである。
人生もそうである。間違えながら進むのだ。たまに正解ばかり選ぶ天才もいるが、それはごくごくわずかである。筆者はこれからも間違え続けるだろう。だが一歩一歩どうにか進んで行こうと思う。ドラクエⅢいいなぁ。

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±3落語会事務局
この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com