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大人とは(26)

  大人になると気にならなくなる物事がいくつもある。迷信もその一つだ。夜に爪を切ると親の死目に会えない、夜に口笛を吹くと蛇が出る、写真を撮ると魂が抜ける、蜂にさされたら尿をかける、辛子はいじわるに練らせろなどなど。まだまだたくさんあるが一体誰が考えたのか。いや、考えた者については置いておくとしよう。恐ろしいのは大人になると気にならなくなるということだ。蓄積した知識や経験がこれらを迷信として処理することで、辛子を練ろうが尿をかけようが、なんでもないと認識し気にならなくなるのだ。しかし、待って欲しい。子供はどうする。親の死に目に会えないだの、蛇が出るだのを迷信として処理出来ないのではないか。大人は子供に嘘をついて、しつけだの道徳だのを教えているが、それは道徳的にどうなのだ。大人とは勝手なものだ、そうは思わないか。今回の題目は、なまはげである。

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この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com