第27期盤聖戦東京1部リーグ振り返り(2) 中須賀戦2
ポジション1 赤 斎藤 0-1 白 中須賀 11ポイントマッチ
手が広くて難しい。「23/20」をやった場合は9/3 6/3、それをやらない場合は「13/10(2) 6/3(2)」か「13/7(2)」だろう。このポジションを理解するポイントは陣地で、白がインナーポイントを作っているのでこちらもインナーを作って対抗したい。したがって6/3(2)が必須だ。スタックの解消にもなってプラスだ。残り2回は13/10(2)がよく、6の目が良く止まっている。実戦の13/7(2)はどっちつかずで160点のエラーだ。
ポジション2 赤 斎藤 1-5 白 中須賀 11ポイントマッチ
ランで大きく勝っているためブリッツを仕掛けたいと考え6/1(2)* 7/2(2)と埋めたが、110点のエラーだ。「ランで勝っている」というのは正しいのだが、ランで勝っていることはブリッツのほかにランニングでも勝ちやすいということを意味するのでそこも考慮すると18/13(2) 6/1(2)*の最善手が浮かんでくる。そもそも1ポイントに2枚突っ込む手はブリッツ志向なのだからわざわざさらに埋めてまでアンカーを残すこともないということか。
ポジション3 赤 斎藤 1-5 白 中須賀 11ポイントマッチ
4は8/4で決まり。残りの1のチョイスだ。実戦は2/1として654の3ポイントを生かしに行ったが、1ポイントを作っているため654にこだわる必要がない。第一2/1とするとこの1枚は完全に死に駒になってしまう。残りの1は4/3か6/5として死に駒を作らないようにすべきだ。2/1として2ポイントのブロットをカバーしづらいのもマイナスになっているようだ。
ポジション4 赤 斎藤 3-5 白 中須賀 11ポイントマッチ
バックゲーム崩しの常とう手段で、シャハブセミナーでも出てきた形だ…ということを振り返っていて思い出した。4は12/8で決まり、残りの3は4/1*とヒットして後ろの5プライムを生かしてバックゲームを崩しに行く。ヒットされることは痛くなく(4ゾロみたいな目で出るのは痛いが)、むしろ駒を再利用できるので今度は10ポイントでもプライムを作れるかもしれない。実戦の12/8 10/7は60点のエラーで小さめだが悔しさが残るエラーだ。
ポジション5 赤 斎藤 3-5 白 中須賀 11ポイントマッチ
実戦は9ポイントをクリアしたが、気取りすぎだ。白に6で出させたい意味だったがむしろ6で駒を無駄遣いさせることに主眼を置いたほうが良かった。また、6の目を動かさなくてもいいというメリットもある。14/7とおとなしくやって勝手に崩れてくれるのを待てばいい。
ポジション6 赤 斎藤 3-7 白 中須賀 11ポイントマッチ
4点に興味のあるスコアであることを考慮し、明らかに早めであることを意識してキューブを打ったが、130点のノーダブルだ。6でヒットしてからダブルしても十分で、白はヒットされてもダンスしなければダブルテイク確定だし(出目によってはキューブすら打てない)、ダンスしてもテイクできるかもしれない。であればここでキューブを打つ必要がないとわかる。
ポジション7 赤 斎藤 5-7 白 中須賀 11ポイントマッチ
このマッチの「ヤバい」ところは、これをヒットせずbar/16をノータイムで指したことだ。bar/16はヒットより170点期待値を下げる悪手であった。5ポイントアンカーに手を付けることを一切考えておらず、エラー値以上に「いけない」一手であった。
なおこのマッチはほかに見落としで300点を超えるエラーも犯しており、集中力が切れていたのかもしれない。
ポジション8 赤 斎藤 5-7 白 中須賀 11ポイントマッチ
負けているので6/1 3/1とする手はありえない(事実、130点のエラーだ)。問題はどこを外すかだ。ポイントは白のインナーブロットで、これがあるため白はインナーブロットにはよほどのことがなければ触らない(リターンされると逆転されるからだ)。残りは13を崩すか16を崩すかだが、出目次第ではリターンが多くなる16を崩していくのが最善のようだ。13を崩すとヒットするときの目は3か5、16を崩すと4か2になり、カバーを考慮した場合の出目が分散できるということか(このあたりの差がよくわからない。わかる人がいたら教えてほしい)。実戦の20/13はインナーで相手してもらおうとした手だが、前述の通りよほどのことがない限りこれには触ってくれないのでランで負けている現状では不適切となる。
ポジション9 赤 斎藤 6-7 白 中須賀 11ポイントマッチ
実戦は4の目で22/18と指したが状況をわきまえておらず300点も期待値を下げる大悪手であった。ポイントはランと白の構えで、ランで負けていない現状ではアウターをヒットされる痛みが大きく、飛び出すと白の攻め駒が多いので厳しい攻めにさらされる可能性が高い。したがって形は最悪だとわかりつつも10/6と逃げておくのが最善だ。ちなみに実戦手では白からのダブルパスになっているが当然テイクするつもりでこれを指しており(実戦はダブルが飛んでこなかった)問題山積みだ。キューブが飛んでくる可能性も考慮して指す必要があった。
ポジション10 赤 斎藤 6-7 白 中須賀 11ポイントマッチ
このキューブアクションがこのマッチのベストチョイスであった。2、4、10のショットは26通りもあり、ダンスしたらパスになるためここでのダブルは機敏であった。実際160点のダブルで最善である。ただしいくら「ヒット→ダンスがパス」になるとはいえ、ショット数がポイントになることは十分考慮すべきである。
白はテイクで問題なく実際その通り進んだが、このダブルショットが当たらず、次のショットも当たらなかったためこのダブルは空振りに終わった。
ポジション11 赤 斎藤 6-9 白 中須賀 11ポイントマッチ
赤はギャモンを取られると負けという絶望的な状況でこの6ゾロは「最悪な中の最低限」の出目である。この6ゾロで13ポイントに2枚出たが、こんなところで140点のエラーをもらうとは思わなかった。最善はbar/19 bar/7で、小さい目で処理できるようにしておく必要があるのが最大の理由だろう。13に行っても小さい目でクロスオーバーしづらい(12ポイントにはできるだけ行きたくないのだ)。ギャモンセーブではクロスオーバーも重要だが、小さい目も大きい目も使えるようにしておく柔軟性が必要であった。
マッチPR:7.31
見落としも多く、PR以上に良くないマッチであった。