【バックギャモン】これをテイクさせて勝つために

今期のJBS名人戦は名古屋リーグに参加し、本割2勝1敗でプレーオフとなりましたが、辞退することとしました。Xでも書いた通りその詳細については説明することはできませんが。
その最終戦、神谷正俊さんとの対戦での最終局面を紹介します。

ポジション1 黒 斎藤 22-21 白 神谷 25ポイントマッチ

白の早いダブルからレースになった局面。ミッドポイントのみになったこの局面はすでにレースと考えていいでしょう。レースでは勝っていることから、ここからは常にダブルを考えていくことになります。
ではこの局面で4倍はどうなのか?このまま勝てばマッチ勝率81%(4awayクロフォード)、負ければマッチ勝率40%(3away-2away)、よって40/(40+(100-81))≒68%なので盤面勝率68%あれば打てます。ではテイクラインはどうか?これはダブルパスになった時は4awayクロフォード、キューブデッドになることからそのままマッチ勝率となるため19%(黒から見れば81%)です。ダブルゾーンは68%~81%です。ではこの局面は何%かと言えば、アンリミテッドでは打たないレベルなのでここでの4倍はないと考えました。が、勝率はこの時点で70%、先の計算の通り68%あるのでダブルできそうですが、それほどルーズせずいい条件で4倍を打てる展開もあることから、ここではノーダブルがベストになります(もしかすると、仮にルーズしても先にクロフォードを取れるので、ということもあるかもしれない)。実戦もノーダブルで、ダブルは150点のブランダーとなります。

ポジション2

ポジション1から黒62、白51でこの局面です。アンリミテッドであれば明らかにダブルで、ダブルテイクど真ん中の75%くらいと判断しました。これで4倍を打てるのかですが、「テイクパスは81%がボーダー」と知っているので、ここも1回スルーしました。実際ダブルは50点のエラーです。キューブが大きくなりキューブデッドになるリーダーからのダブルという状況では、おおむねテイクパスボーダーの3%下あたりでダブルを打てると考えるといい感じです。今回だとそれが大体78%、そう考えると「アンリミテッドではテイクパスが微妙」というところまで引っ張ってもOKということになります(そのくらいならテイクしてくれる)。

ポジション3

ポジション2から黒63、白43となって図の局面です。ここは時間を使って考える価値があります。ピップを見ると70-79、形の上からは、アンリミテッドであればテイクは厳しいように見えます。78%は超えていそうだが、80%あるかは微妙。ということは81%はないのでテイクはしてくれそうです。これが自分の狙っていた状況、ここでダブルを打って勝っていくのが正しいギャモンです。実戦はここで4倍、神谷さんはノータイムでテイク。

もう完璧なダブルです。これを正しくダブルし、テイクさせて勝つ。そのために勉強しているんだと自信を持って言えるいいダブルだったと思います。

実戦は…

66を振られた直後、21を振って逆転。そうか、そうきたか。ギャモンは厳しいなぁ。
ということで勝ちが直前で逃げて行ったという感じです。

とはいえ、ちゃんとやるべきことをやっていればいいこともある。そういうゲームなので引き続き頑張っていこうと思います。

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