バックギャモンクエストで初段を目指す
現在対人バックギャモンのアプリは2つ3つしかないのですが、「クエストシリーズ」と連携できるアプリとして「バックギャモンクエスト(以下、ギャモクエ)」があります。アプリは「The BACKGAMMON」で配信されています。
他のクエストシリーズと同じく段位とレーティングがあります。仕組みも同じです。今回は「バックギャモンクエスト」で初段を目指すための記事を掲載します。
なおこの記事はギャモクエ特有の事情を含みます。通常のギャモンでは成立しないことも多数ありますので、その点はご理解ください。
0.前提の話
初段を目指す、とありますが、ギャモクエの初段というだけで言えば大したことありません。大事なのは、初段になった後、そのレーティングを維持することです。そのためにはどうすればよいかについても書いていきます。
ただし、初段~二段のレーティングを維持するレベルであれば最低限のことは知っていなければなりません。「当てる・作る・逃げる」「勝ちやすい形・負けにくい形」「初手の定跡」「上がりあいの基礎テクニック」のような話はある程度知っておく必要があります。初段を目指すだけなら多少かけていても問題はありませんが…
1.まずは1級を目指す
1級の昇級条件は「レーティング1600到達」です。はっきり言ってしまいますが、1級は上記前提の話を多少わかっていれば「誰でも到達可能」です。これよりもレーティングが下の人はあまりいませんので、勝率5割(ギャモン勝ちやダブル勝ちが多ければ尚よし)でも十分到達可能です。
2.初段に到達できるか
初段から昇段条件がいきなり厳しくなります。しかもギャモクエ特有の事情を知っているといないとでは大差ということもあります。まずはその特有の事情から説明します。
2-1.レーティングと段位と実力の関係
ギャモクエにもほかのクエストシリーズと同じく段位とレーティングがあります。また、降級・降段はありません。さらにギャモクエは「1点勝負に限らない」という特殊事情があります。大きく点数を取れば1試合でレーティングが20点以上動くこともあります。
まずは、初段・二段の昇段条件を示します。
初段:レーティング1700以上、4連勝を同時達成
二段:レーティング1800以上、4連勝を同時達成
ところがギャモクエをやっていてわかると思いますが、「初段で1500台」「二段で1600台」がゴロゴロいます(囲碁クエストや将棋クエストではそんな人はいない)。私はギャモクエの段位は当てにならないと思っていて、同時にレーティングにも注目しています。そして対戦の時にその人の実力を図ることにしています。概ね、初段で1500台前半、二段で1600台前半の人は強くありません。ちゃんとできる人は、いくら1試合で20点とか減る可能性があるにしてもそんなに減らないからです。どちらも、1級で1600台後半のほうがよっぽど強いと思います。まずはこのあたりで相手の実力を想像することができます。私のギャモクエ野良対戦はその距離感を測るところから始まります。
なお、レーティング1800点台の二段は問答無用で「普通にできる人かそれ以上」の実力があると思っていいでしょう。
2-2.数手でわかる相手の実力
ギャモクエで相手が初手になった場合、出目次第では相手の実力がわかることがあります。本noteに書いた「バックギャモン初手の話(後編)」の手を指してきた場合です。
後編では「少数派・消えた初手」を紹介しています。これがなぜ悪いかというのも書いていますのでまずはこちらを参照していただきたいのですが、レーティングが低くてここに記載の手を指した場合は「強くない人」です。
2-3.強者相手のギャモン・弱者相手のギャモン
図1
図1は、初手黒52(13/8 24/22)、白55(8/3*(2) 6/1(2)*)、黒56(bar/20)の後の白番でキューブアクションです。ギャモクエルールで、どうしますか?
また、以下の図2は、黒が2枚ともダンスした場合です。
図2
図1は、テクニカルには「ダブル・テイク」です。
また、図2の場合は「ダブル・パス」が最善となります。
ところが、ギャモクエではこれが大きく変わります。
例えばここまでの話で「相手が強くなさそうだ」となった場合、自分がどれほどのものかということにもよりますが、図1ではダブルしません。図2ではさすがにダブルするかもしれません。どちらもダブルを打つ根拠はギャモン勝ちが多いことですが、勝率が高くありません。実力差で(かなり)自分より弱そうだ、となったら、勝率が高い場面でキューブを打つことが望ましいため、ここでは見送ることも考えます。
逆に相手が強い場合や相手が誰だかわかっている場合は最善通りで問題ありません。特に相手が強い場合は「少し早いくらい」でキューブを差し出しても良いでしょう。テクニカルにパスできないような場面で飛んでくるキューブはテイクするしかないのですが、「最悪の展開」も見える場面で飛んでくる下位者からのキューブは嫌なものです。
このことは、レーティングの維持にも役に立ちます。相手の実力を測り、強くなければ「テクニカルにはダブルテイクでも打たない」が良い手になりやすくなります。
(ただしこのようなギャモンは、普通のギャモンに影響を及ぼす可能性があるので多用は禁物です……)
2-4.初段になるために必要なこと・初段を維持するために必要なこと
●基本的な知識はある程度以上必要。
●相手の実力を測れるなら測る。
●自分より強くなさそうだと思ったら、勝率最善を目指し、キューブは「パスされてもいい」くらいなところまで引っ張る。
●逆に相手が強い人なら、少し早めのキューブや攻め中心にして相手が降りられないようにする。
●4倍キューブはいつもより保守的に考える(2倍→4倍が一番レーティング差がつく)。8倍以上のキューブはあまり意味がない(レーティングが変わりにくい)。これも、2倍キューブを遅らせる要因にもなる。
3.レーティングが高くて自分よりも強くない人が相手の場合
この場合も、「自分よりも強くない場合」の方針でOKです。キューブはパスされてもいいくらいなところで打ちます。「こんなのテイクするのはクレイジー」というのも平気でテイクしてくれますので、引っ張って引っ張って勝利宣言レベルのキューブを打つ、で良いでしょう。
4.実際のギャモンで応用できるか?
「人によってやり方が変わる」は、リアルのギャモンでもあります。
相手が強い人なら最強で、強くない人なら保守的に応じるということが増えると思います。ギャモクエほどではありませんが、全くないわけではないです。
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