Z世代は、お年玉を何に使う？ ファッション？ コスメ？ それとも…？

突然ですがこれを読んでくださっているみなさんは、学生時代の年末年始はどう過ごされましたか？30代以上の世代では、学生時代は家族で年越しそばを食べ、地元の友人と初詣をし、親族で集まってお年玉をもらい...というのが一般的な過ごし方であったかと思います。家族のあり方や親族の関係性の変化、コロナ禍の影響もある中で、気になるのがZ世代の年末年始の過ごし方。今回は年末年始の過ごし方やお年玉の使い道についてリサーチをしました！

【調査概要】 
＜調査対象＞ 
12 ～24歳の未婚・男女545名 
＜調査実施期間＞ 
2021年12月16日～23日
＜調査方法＞ 
インターネット調査 

年末年始の過ごし方は？

アンケートに答えてくれたZ世代の年末の過ごし方トップ3は、「大掃除をする（55.2%）」「年越しそばを食べる（53.8%）」「テレビ番組を観て年越しカウントダウンをする（51.4%）」でした。定番の過ごし方はZ世代でも変わりないようです。ただしいずれも全体で約半数に留まっており、年末の過ごし方も多様化していることがうかがえます。

この質問で特徴的だったのは「年賀状」だったと思います。年々発行枚数の減少がニュースになる年賀状ですが、15歳未満においては他の世代に比べてかなり高い割合が「送る」と回答していました。15歳未満の男性では69.4%、女性では54.5%と、いずれも半数以上です。15～19歳になると男女ともに約半分に減ることから、中学校くらいまでは年賀状を送り合い、高校からその習慣が薄くなっていると推測します。

その他15歳未満では「祖父母に会いに行く」が男性 29.1%/女性 39.6%、「親族で集まる」が男性29.1%/女性 40.5%、「テレビ番組を観て年越しカウントダウンをする」が男性50.9%/女性 73.0%と、いずれも15歳以上に比べてかなり高い数値となっています。年齢的にも実家・地元で家族と過ごし、親の習慣に則っているようです。

年始は何をする？

続いて年始の過ごし方です。こちらのトップ3は「お年玉をもらう（63.5%）」「LINEで年始の挨拶をする（56.1%）」「おせち料理を食べる（47.3%）」となりました。いずれも15歳未満が全世代の中で一番多くなっており、年末の過ごし方同様に若いほど定番の過ごし方をしていることがうかがえます。「家族と初詣に行く」も15歳未満では男性 40.9%/女性 58.8%で約半数でどの世代よりも多く、同様に「祖父母に会いに行く」「親族で集まる」も最多という結果となりました。このことから、15歳未満では家族と年末年始を一緒に過ごすことが一般的であることがわかります。

「初売りに行く」は男性に比べて女性の方が多いものの、全体で12.7%とあまり多くありませんでした。ネット通販でもセール商品や福袋を買えるようになったことが影響しているのかもしれません。

お年玉、いくらくらい？何に使う？

年始の過ごし方で15歳未満の男性 77.3%/女性88.3%が「お年玉をもらう」と回答していたように、お正月の一大イベントといえばやはりお年玉！そこで気になるのがお年玉の使い道です。Z世代は何にお年玉を使っているのでしょうか？

もらう金額については10,000円～30,000円未満がボリュームゾーンとなっています。また、20代よりも10代の方がもらう金額が多い傾向にあるようです。

気になる使い道ベスト3は、「貯金（52.6%）」「すぐには使わないが、必要な時にお小遣いにする（34.0%）」「推しのグッズを買う（24.1%）」と、全体ではかなり保守的な結果に！もらったからと言って衝動で何かを買うのではなく、計画的に使うというZ世代の賢い消費スタイルが垣間見えます。「推しのグッズを買う」は女性がかなり全体平均を押し上げているようです。

男女別で見ると傾向が分かれました。貯金・お小遣いを除くと、男性では「ゲーム機器」「ゲームソフト」「スマホゲーム/オンラインゲームに課金」など、ゲーム関連に遣うという人が多くなっています。20代では「化粧品」も16.7%で、このタイミングで美容に力を入れる人が多いようです！女性では「化粧品」「洋服」「推しのグッズ」がベスト３で、おしゃれやオタ活に遣う傾向が強く出ています。

ちなみにその他の回答として「投資」と「パソコン・周辺機器」も2-3名ずつ挙がっていました。お年玉で投資とは、意識が高い...！

まとめ

年末年始の過ごし方について、ポイントは以下の通りです。

①15歳未満は年末年始は家族と定番の過ごし方をする
②お年玉の使い道は「貯金」「すぐには使わないが、必要な時にお小遣いにする」が多数で保守的
③男性はゲームに、女性はおしゃれにお年玉を使う

いまの10代は”Z世代”として特別視されることが多く、実際に消費スタイルや情報収集については特徴があるですが、今回ピックアップした年末年始の過ごし方のように古来の文化・習慣についてはいわゆる大人とあまり大差ない行動をしています。特に15歳未満は年齢的に親の影響を受けて行動することが多いため、その傾向が強く出ています。お年玉の使い道が保守的である点も、彼ら自身の賢い消費スタイルは確実に根底にあるとして、そうさせているのは大人や世の中が明日が見えない不安が大きい中で保守的になっていることも影響しているのではないでしょうか。Z世代だけでなく世の中の情勢にも目を向けて、今後も彼らへの理解を深めていきたいと思います。

堀 かおり
2014年、電通テック入社。2018年5月より +tech labo の研究員となり、“Z 世代”を軸として開発業務を行っている。Z世代男子に向けてメンズ美容の情報を発信するInstagramアカウント「Boys Beauty」のプロデューサー。