【IELTSライティング7.0+】★超ハイレベル★IELTSライティング講義録10選 by PlusOnePoint
このnoteは、IELTS対策の専門スクール『プラスワンポイント(PlusOnePoint)』にて実施しているライティング集中対策講座「ライティング・サミット」の講義をまとめたものです。
IELTSライティングにてハイスコアを目指す方は避けては通れない「内容面でのブラッシュアップ」に焦点を当て、採点項目である「Task Response」と「Coherence and Cohesion」の向上を目指すために必要な知識を身につけていただくことが可能です。
ライティング・サミットの全身である「12週間チャレンジ」では、12週間の集中対策の結果、参加者全員がライティングで7.0以上を達成することができました。12週間チャレンジからさらにバージョンアップした「ライティング・サミット」でも続々と目標スコアを達成されています。
このnoteは、その「12週間チャレンジ」と「ライティング・サミット」の中から、特に重要なポイントを絞り込み、全10章にまとめたものです。このnoteがIELTS対策をされている方々のライティング・スコアアップに役立つことを祈っております。また、noteおよびウェブサイト記事作成にあたり、エッセイ原文の使用についてご快諾くださった受講生の皆様にも感謝申し上げます。
プラスワンポイント代表 高橋 響
『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者
第1講 具体例で議論の方向性を
見失わないようにしよう
エッセイを書いている途中で議論の方向性を見失うことがあります。ボディの始めに書くトピックセンテンスで議論の方向性(トピック)を示しているはずですが、話が進むにつれてなにの議論を深めようとしていたのかを書き手自身が忘れてしまうことがあるのです。
特に、具体例を示すときにそれが起こりがちです。綿密なプランニングをしていたとしても、段落を書き終えたら思わぬところに着地していた、ということもよくあります。
【原文】
Nowadays more and more people have access to the Internet. However, constant availability of any information worsens people's memory and critical thinking skills. To what extent do you agree or disagree?
内容の改善点
イントロダクション
「この議論のある部分に賛成です」と書かれていますが、ポジションとしては曖昧に聞こえます。より具体的に、「記憶力が悪化する(worsens people's memory)」には賛成だが、「クリティカル・シンキング力が悪化する(worsens critical thinking skills)」には反対するというポジションを具体的にかつ簡潔に書くと、読み手に分かりやすくなります。
第1ボディ
この表現が読み手に伝わりにくいために、話の流れが阻害されています。直訳すると「彼らが外出する前に」という意味になりますが、前の文からの流れを考えるとやや唐突な展開です。「外出する際」という意味であれば、「when they go out」「when going out」などが無難です。
今回のエッセイで最も改善をしたいポイントは具体例における議論です。
この段落では「インターネットに常時アクセスができることによって人びとの記憶力が悪化している」ということを説明しようしていました(議論の方向性)。しかし、ここで書かれている具体例から分かることは「昔の人は道の名前や目的地への方向を知っていた」ということだけであり、「インターネットがどのように記憶力に影響を及ぼしているのか」については深く議論がされていません。
★ここがポイント★
このように具体例を説明するときに段落の議論の方向性を見失ってしまうことはよくあります。こうならないようにするためには、事前にしっかりとしたプランニングをしておき、具体例を書きながらトピックセンテンスを確認する習慣を身につけることが大切です。
①事前にプランニングをする
エッセイを書き始める前に、それぞれの段落でどのようなことを議論し、どのような方向に展開をして、どこに着地させるかをメモ書きしておくことで今回のようなミスを防ぐことができます。
②具体例を書きながらトピックセンテンスを確認する
サポートセンテンスは段落の始めに掲げたトピックセンテンスをサポートする内容であるはずです。しかし、今回のように話が進むにつれて脱線していくことがはよくあります。特に具体例まで話が進むともとの話を忘れがちです。サポートセンテンスを書いたらトピックセンテンスに戻ってどのような議論をしていたのかを確認する習慣を身に付けましょう。
第2ボディ
「in light of ...」は「〜を考慮して」という意味です。「クリティカル・シンキングを考慮して」だと前の段落からの話の流れが悪くなります。ここでは「in contrast(対象的に)」や「on the other hand(他方で)」のようなつなぎ言葉が良さそうです。
メインアイデアとして「ウェブサイトは解決策を与えてくれないから」と書かれていますが、「解決策を与えてくれないからクリティカル・シンキング力は影響を受けない」という要旨からは読み手は書き手の主張を十分に汲み取れません。
原文とはやや主張が変わりますが、「インターネットは、むしろ物事をクリティカルに考えるきっかけを与えてくれる」のような肯定文で書くことで書き手の主張をストレートに伝えることができます。
サポートセンテンスでもトピックセンテンスと同じ方向性を保って、「インターネットにはあらゆる情報があり、自分でそれらを分析したり適用することを促す」というような流れにしていくといいでしょう。
コンクルージョン
「some people think that ...」という表現は「このような意見の人もいる」というような他人の意見の紹介です。Must 56参照
原文の書き方の場合、結論が他人の意見の紹介になってしまいます。今回のエッセイでは特に他人の意見について議論をしていませんでしたので、「自分の主張の総まとめ」をするといいでしょう。
To sum up, while I agree that being inundated with information on the Internet degrades memorizing skills, I maintain that the Internet brings about opportunities to augment critical thinking skills.
表現の改善点
イントロダクション
「Some people said that ...」のように動詞を過去形にしてしまうミスをよく見かけますが、「〜と言っていた人がいます」という意味になってしまいます。「〜という意見の人がいます」という現在のことを表したいわけですので、動詞は現在形を使います。Must 56参照
第1ボディ
関係代名詞として使われていますが、動詞と目的語(先行詞)が一致していません。関係代名詞 that の前にある名詞(先行詞)が動詞 search の目的語であったはずなので、元の形に戻すと「they(S) want to search(V) the information(O)」となります。Must 45参照
しかし、searchを他動詞で使う場合には「(主に場所)を調べる」という意味になります。例えば、search the house(家を探す)、search the Internet(インターネットを検索する)など。情報を探す場合には、自動詞の search を使います。search for information(情報を求めて探す)とするか、他動詞として使える obtain(手に入れる)のような動詞を使うといいでしょう。
「road(道路)」は可算名詞です。可算名詞を単数形かつ無冠詞で使うことは通常はありません。可算名詞の一般論をする場合には、無冠詞の複数形を使って「know names of roads」のように表現します。Must 08参照
あるいは複合名詞を使って「know road names」のように表現するとさらに良い表現となります。Must 33参照
第2ボディ
website(ウェブサイト)は今では1語で使われることがほとんどで、web sitesのように2語で綴ることはまれです。
またフォーマルなライティングでは、don't のような省略形を使わずに do not と書くほうがいい場合もあります。
「検索結果」と表現したいですので、ここでも複合名詞を上手に使って「search results」のようにすると意味が伝わります。「a lot of search results」でも伝わりますが、「a large number of search results」のようにするとさらに良くなります。
コンクルージョン
この文章は受動態です。元の形である能動態に戻してみると意味が伝わらない文になっていることがわかります。
by ... の部分(the Internet)が能動態の主語で、受動態の主語(critical thinking)が能動態の目的語ですので、「the Internet still does not overcome critical thinking(インターネットはクリティカル・シンキングを今なお克服しない」という意味になり、意味が伝わりません。「overcome(克服する)」という動詞に代わって「bring about a decline in ...(〜の低下をもたらす)」という表現を使って、「the Internet does not bring about a decline in critical thinking skills」のように能動態で表現するといいでしょう。Must 35参照
モデルアンサー
Nowadays more and more people have access to the Internet. However, constant availability of any information worsens people's memory and critical thinking skills. To what extent do you agree or disagree?
覚えておきたいハイレベル表現
#02 具体例が物語り口調に
ならないようにしよう
具体例を使ってトピックセンテンスの内容をサポートする際、ついつい「物語り口調(story-telling)」になってしまうことがあります。自分の経験を紹介する際に、「例えば、私は〇〇高校に通っていました。そのとき、△△さんという友達がいました。その友達と✕✕したことがありました。その時、・・・」のように、時系列で話してしまうと論理的ではなくなります。
ロジカルな議論の進行は必ずしも時系列ではありません。ボディの議論を結論から始めるのと同様に、具体例の展開においても「結論→説明」の順で説明をしたいところです。具体例を通してどのように議論を進めたいのか、具体例から導き出したい考察を見据えながら具体例の展開を組み立ててみましょう。
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