「新B1は平均入場者数3,000人でも行ける」は本当なのか
こんにちは、+Bです。いよいよ明日10/5からB.LEAGUE 2023-24シーズンが始まります。このシーズンは、いつものシーズンとは一味違う重要性を持ったシーズンとなります。なぜなら、2026年から始まる新リーグ「B.LEAGUE PREMIER」の参入審査対象の最終シーズンだからです。
審査は①売上、②入場者数、③アリーナの3つで行われ、1-4次審査まで段階的に条件を緩和し早抜け方式で原則上限18クラブに到達するまで行われます。定量基準である①②の概要は以下です。
1次審査⇒①2期連続売上12億超、②2期連続平均4,000人超
2次審査⇒①1期売上12億超、②1期平均4,000人超
3次審査⇒①1期売上12億超&②1期平均3,000人超 or ①1期売上9億超&②1期平均4,000人超
4次審査⇒①1期売上9億超&②1期平均3,000人超
1次審査は2022-23および2023-24シーズンが対象とされ、2022-23シーズンの基準を満たしているのは琉球、A東京、千葉J、川崎、宇都宮の5クラブのみです。したがって、1次審査では最大でも5クラブしか合格しないこととなり、2次審査が実施されることは確定しています。問題はこの2次審査で何クラブが通過するかです。タイトルにもある通り、2次審査合格は13クラブ未満に留まり3次審査が行われると見る声が多いように感じています。現に、三河、FE名古屋、滋賀などのクラブは平均入場者数3,000人超でのBプレミア参入目標を公言しており、有識者の中でも平均入場者数3,000人でもBプレミアに行けるとの見立ては根強いと感じています。
しかし、本当に平均入場者数3,000人で3次審査でもBプレミアに参入できるのでしょうか…?
直近の動向を踏まえ、かなり怪しいのではないかと思っています。このように考える理由をご説明します。
まず、①の売上については本日時点で6クラブが2022-23シーズンの決算をクラブ独自に公表しており、そのすべてが12億円超の計上額と2次審査以前での通過可能性がある水準となっています。
②についてですが、9/23時点で私がXでポストした状況は以下の通りです。かなりのクラブが売り切れ状態、前期比でも相当な過熱ぶりが伺える状況です。
このような直近の経営成績、観客動員の動向を踏まえた上で、改めて状況を整理してみましょう。
まずは1次審査です。先に述べた通り、琉球、A東京、千葉J、川崎、宇都宮の5クラブだけが2022-23シーズン平均入場者数4,000人を超えたため、1次審査通過の可能性を残しています。この中で唯一宇都宮だけが③アリーナの建設計画の発表がありませんでしたが、先月遂に宇都宮駅東公園が候補地に挙がっていることが発表され、具体的な計画の公表まではそう遠くなさそうです。ほぼ確実に、この5クラブは1次審査で通過すると言ってよいのではないでしょうか。
次に2次審査です。こちらは上述の通り決算数値についてはコロナからの回復どころか事業自体の着実な成長が各クラブ顕著に表れている状態です。そこに加え、このチケットの売れ行きからチケットや物販の増収も23-24シーズンはかなり見込めるでしょう。さらに入場者数に目を移せば、昨シーズン時点で4,000人に肉薄した北海道、秋田、群馬、茨城、横浜BC、三遠、広島、島根、名古屋Dに加え、新アリーナ開業の佐賀、千葉ポートアリーナ100%開催を解禁したA千葉、ホームタウン移転の神戸と有力クラブが10クラブ以上あります。
そうなると、3次審査で残る枠というのは3枠前後であり、さらに行ってしまえば2次審査で原則の上限枠である18枠が埋まっても全く不思議ではない状態であると言えると考えています。
ここで私が伝えたいのは、平均3,000人目標を公言しているクラブは今すぐ4,000人に上方修正すべきだ、ということではありません。むしろ現実的な目標を設定することは球団スタッフやファンの方の熱量を高める上で至極有効な手段だと考えています。私が伝えたいのは、
(仮に2次審査基準充足クラブが14クラブ以上になったら・・・)
(3次審査の枠が1つしかなかったら・・・)
「優先順位はどうやって決まるの?」
ということです。残念ながらこの記事を書いている10/4時点では外部向けにその基準はリーグから公表されていません。おそらく内部では検討されているかと思うのですが、このために長い年月をかけて努力されたクラブや選手、ファンが納得できるようなルール設定を切に願っています。欲を言えば基準充足クラブが18を超えた場合は優先順位など設けずに全て合格にしてほしいと考えています。ただ、それはそれで上位カテゴリーのクラブ数を絞るという新リーグ構想の趣旨にも反するのだと思っています。どのようなルール設定にするのかは非常に難しい問題ですが、少しでも多くの方が納得するためには、簡潔明瞭なルールの公表が一日も早く待たれる状況と考えています。そのタイムリミットは、日々迫ってきています。