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Coffee Chat、その魅力と実践方法
この投稿は、ソニー有志アルムナイ Advent Calendar 2024 の25日目の記事です。
仕事やプライベートでのつながりを深める方法として、「Coffee Chat」というコミュニケーション方法に注目しています。このシンプルな取り組みは、短時間でありながらも濃密な会話を通じてネットワークを広げる絶好の機会を提供します。
今回は、私がCoffee Chatを始めたきっかけや実践の様子、そこから得られた学び、さらにはCoffee Chatの実践者である服部しのぶさんへのインタビュー内容をまとめてご紹介します。
Coffee Chatとは?
Coffee Chatは、30分程度のカジュアルな雑談を通じて、人間関係を構築し、情報を交換するコミュニケーションです。特にアメリカでは広く知られており、職場の中でもネットワーキングやメンターシップの一環として行われています。日本ではまだあまり浸透していませんが、その気軽さと実践のしやすさから注目しています。
その目的は主に3つあります。
ネットワーク構築
異業種や異部署の人とつながり、将来的なビジネスチャンスや協業の可能性を広げます。研修やメンターシップの継続
研修やメンター制度で出会った相手と、定期的に会話を楽しむことでアドバイスを受けたり、意見を深めたりできます。気軽な情報共有
同じプロジェクトのメンバーや他部署の協力者と、雑談を通じて課題感や進捗を共有。相談しやすい関係を築き、信頼関係を深めます。
雑談という形をとりながらも、実際には深い目的を持ったコミュニケーション。コーヒー片手に行うリラックスした雰囲気の中で、思いがけない発見や新しいアイデアが生まれることも少なくありません。
私がCoffee Chatを始めたきっかけ
このスタイルに出会ったのは、2024年12月にあった、ソニーのリーダーシップ研修でのことでした。そこで講師を務めたの服部しのぶ(Sally)さん(ソニーOB、現在 Disney StudioLAB)の講演が、私にとっての転機となりました。彼女は「人的ネットワークを広げ、深めるためには、30分のカジュアルな雑談(Coffee Chat)が効果的」と語りました。
ネットワーキング活動に対して苦手意識のあった私にとって、「30分」「雑談」という気軽さは大きな魅力でした。雑談ならハードルが低いし、相手にも負担をかけずに済む。それなら自分にもできるかもしれないと思いました。
また、この取り組みは単に人脈を広げるだけではなく、リーダーシップを強化するきっかけにもなると感じました。ハーバード・ビジネス・レビューの「オーセンティック・リーダーシップ」などにあるように、リーダーシップの源泉は「自分を変える経験」にあると言われています。Coffee Chatは、そんな自己変革をもたらす場になるのではと感じました。
実際に行ったこと
Coffee Chatを始めるにあたって、いくつかの工夫をしました。
まずハードルを下げるために、オンラインでの Coffee Chat を中心に行うことにしました。移動の手間がなく、スケジュールの調整もしやすいのがメリットです。
次に facebook 上で Coffee Chat の募集投稿をしました。「こちらからお誘いしないの?」という声も聞こえてきそうですが、まず Coffee Chat そのものと、私がそういう取り組みをしようとしていることを周知し、知ってもらうことが、その後のスムーズな Coffee Chat につながると考えました。
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そして、事前にテーマを設定しました。たとえば、「アプリ開発のトレンド」や「クラシック音楽の振興」といったテーマを設定し、私との Coffee Chat に興味を持ってもらえるようにしました。また、相手のプロフィールを調べ、どんな話題が興味を引くか考えることで、より具体的な質問を準備しました。
Coffee Chatで出会った人々と得た学び
Coffee Chatを通じて、さまざまなバックグラウンドを持つ人々と出会いました。12月初めから始めて、約3週間で14名の方とお話する機会がありました。
音楽家との対話
ピアニストなどの音楽家たちとの対話では、クラシック音楽の振興やピアノフェスティバルの運営に関する議論を交わしました。集客など現場での苦労話を共有する中で、自分が考えもしなかった視点を得ることができました。
起業家との対話
起業家たちとの会話では、AIの台頭後の業界の動向や、事業のExit(売却)の理由とタイミングについて意見交換しました。特に、「なぜそのタイミングでExitを選んだのか」という問いに対する答えは、経営者としての判断力を磨く上で非常に参考になりました。
その他の交流
ライフログ用のUI設計についての意見交換や、Coffee Chatそのものの価値について議論する機会もありました。それぞれの会話から得られた洞察は、私自身の考え方をより深めるきっかけとなりました。
服部しのぶさんとの Coffee Chat
冒頭に書いたように、Coffee Chat を教えてくれた服部しのぶさんは、Coffee Chatを活用してネットワーキングや関係性を深める実践者です。彼女が実践している方法やその狙いを伺いました。
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Coffee Chatの目的
お互いに助け合う関係の構築
「人と人とのつながり」を何より重視し、情報交換を通じて互いに助け合える関係を築くことを目指しています。つながりを作る、維持する
これから仲良くなりたい人とは3か月に1度、近しいチームメンバーとは2か月に1度の頻度でタッチベースを行い、関係性を深めています。相手が何をしているのか、あるいは自分の考えをどう感じているのか知りたい
特に、憧れの人と話したいときに。
実施頻度と方法
週4人程度のペースで行い、対面での実施を優先しています。オンラインの便利さを活用しつつも、直接会うことで生まれる深いつながりを大切にしています。
話す場所は、オフィスに行ったり、来てもらったり、ときには外を歩きながらと、自由なスタイルで行っています。
気をつけていること
相手との関係をより深めるため、会話を自然に雑談に持っていく工夫をしています。
お互いに共感できる話題や接点を探し出し、会話を盛り上げるようにしています。
Coffee Chatを通じて得られる価値
Coffee Chatを続けることで、私自身、多くの新しいつながりと発見を得ることができました。それは単にネットワーキングの手段にとどまらず、事業や会社の方向性を再確認する場にもなりました。
この30分という短時間での対話が、相手との信頼関係を築き、意外なアイデアを引き出す力を持っていることに改めて驚かされます。皆さんもぜひ、Coffee Chatを試してみてください。このシンプルな取り組みが、新しい可能性を切り開く鍵になるかもしれません。
私としては、このCoffee Chatという文化を、ぜひ日本にも根付かせたいと願っています。それによって、人と人がより気軽に結びつき、質の高いネットワークを自然に育めるようになる。そして、互いに助け合い、そこから新たなアイデアや発想が生まれることで、より創造的な社会が育まれていくのではないかと期待しています。
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この記事を読んで、興味を持った方は Coffee Chat をしませんか?
12/26(木)〜12/30(月)の13:00-13:30に枠を作りました。
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画像は、「Coffee Chat で立ち話」のAI生成画像です。