MotownのUSプロモーション盤アルバム
こんばんは!
今回は地獄のMotownアルバム特集です!
レコードを買っている人しか、というか、R&Bのレコードを熱心に買っている人の一部しか知らないことがあるんですよ。
それは...
"90年代のMotownのアルバムは、やたらプロモーション盤止まりが多い"
ということなんです!
要はMotownからリリースされた90年代のR&Bのアルバムは、CDは広く流通してもレコードはプロモーション盤のみで終わるパターンが非常に多いということです。たまにUS盤でレコードが正規リリースされるアルバムもありましたが、そのほとんどがプロモーション盤止まり。中にはUSではプロモーション盤のみ、UK/EU盤でジャケット付きで正規リリースされるパターンもありましたが、それもごく一部の作品のみでした。
ということでレコードコレクター(のごくごく一部)が夢見る"MotownからのUSプロモーション盤のみのアルバムをコンプリートする"目標に向けての途中経過を見てみてください!
2024年現在、所持しているMotown USプロモーションアルバムは21枚!
それぞれ軽く紹介していきます!
Pretty in Pink / Wake Up (1991)
まずは1991年のPretty in Pinkのアルバムから!
大半の楽曲がNew Jack Swingという、ゴージャス(死語)でイケイケ(死語)なアルバムです。
Nikita Germaine / Sweet as It Comes (1992)
派手さは無いながらも、まとまりのある良作。伸びやかで優しいNikita Germaineの歌声に魅了されます!
Tim Miner / Tim Miner (1992)
プロモーションシングルにして人気盤、Wouldn't Chance a Thingが知られた渋声のTim Miner。アルバムの注目曲はやはり軽快なNew Jack Swing NumberであるMake It Rainですね!
The Boys / The Saga Continues...
お子様4人組も少しは大人になりましたが、バブルガムポップの心得は忘れず、Thought You Knewという爽快なNew Jack Swingを用意してくれていますね!Thought You KnewはメンバーのHakeem制作曲で、特大名曲Tevin Campbell / Goodbye (Hakeem's Remix)を作り上げたあのHakeemです。両曲はよく似ていますね!
Another Bad Creation / It Ain't What U Wear, It's How U Play It
Motownが手掛ける新たなキッズグループ、その名もABC!なんて安直な紹介で世に送り出されたグループですが、曲はなかな侮(あなど)れません!
低音を鳴らすことに重点を置いたJeep Beatsと、ちょっと背伸びさせられて歌うABCの初々しさが交錯するGot It Goin' onが白眉!この曲は大好きで、一時期毎日聴いてました。こういう曲がシングルカットされずにアルバムのみに収録されているんでMotownのアルバムはタチが悪いんですよ!
Kiss the Sky / Kiss the Sky
記憶無し!今度改めてちゃんと聴いてみます!
7669 / 7669 East from a Bad Block...
Hip Hop好きにもお馴染みのAli Deeが数曲手掛ける、ヤンキーギャル(死語)4人組のアルバム!見てくれは危なそうな人達ですが、爽やかでコシの強い良曲69 Ways to Love a (Black) Manで聴かせるコーラスはバッチリすぎます!
内容はほぼR&Bですが、たまにAli Dee制作のHere I Comeみたいなラップナンバーもあります。
Johnny Gill / Provocative
レーベルの売れっ子Johnny Gillの1993年のアルバムもUSはプロモーション盤のみ。New Jack Swingが並ぶ良作も、レーベルは徹底してレコードを正規発売せず。やはりここでもアルバムのみに収録されたWhere No Man Has Gone
Beforeという渋カッコ良すぎるNew Jack Swing Numberが。
New Jack Swing最高峰の一曲として知られるが、まさかのプロモーションアルバムのみに収録されているという特大名曲No 1/2 Steppin'が地獄!この曲は本当に好き過ぎて自分でYouTubeに音源アップしたくらいです。こういう重厚なNew Jack Swingは大好物です!最強!
Zhane / Zhane
何といっても問答無用のクラブヒット、Hey Mr. DJに尽きますね!スローを中心としたアルバムもしっとり聴き応えありますが、この永遠の名曲の印象がいかんせん強過ぎて。いつ聴いても心躍ります!
For Lovers Only / For Lovers Only
こちらもアルバムのみに収録、シングルカットはされていない楽曲Gowiththefloが人気。やはりMotownはこういう実力派男性ヴォーカルグループが似合いますね。
Whitehead Bros. / Serious
G-Funk丸出しのシングル曲も好評だった男性2組のWhitehead Brothersの1994年のアルバムは、Slave / Just a Touch of Loveのカヴァー曲も収録した人気盤ですね!個人的にはナイスミディアムチューンのChangeがおすすめ。
Brik Citi / Between a Rock and a Hard Place
Artifactsと同名のアルバムからは、New Jack Swingの金字塔とも言えるSay U Likeがプロモーションシングルカットされていますね!やはりこの曲がアルバム内でも際立つ特大ホームラン級の楽曲です。
On Edge / On Edge
SWV以降のR&B業界にありがちなグループですが、アルバムのみに収録された爽やかな曲調の69 Wayzは見逃せません!
Harem / Harem
突き抜ける爽快感とキャッチーな曲調で、プロモーションアルバムのみに収録という悪条件にも関わらず大人気曲となったAll That U Needが最注目曲ですね!後に日本のブートレグでシングル化もされたこともありこの曲を知っている人も多いですが、プロモーションプレッシングのアルバムは全く見ません!
Mind, Heart & Soul / Mind, Heart & Soul
この曲が好き過ぎて10年くらい前にYouTubeに自分で音源をアップしました!フック(サビ)の爆発力と重厚ながらもNew Jack Swing的な軽快さも併せ持った名曲、Just Say Whenが超強力!いつ聴いてもブチ上がり確定なキラーチューンです!
Blu / Out of the Blu
Motownのプロモーション盤のみとなるアルバムの中でも、比較的球数があってお手頃価格で手に入る良盤。Lip Serviceが人気ですね!
Rosie Gaines / Closer Than Close
これも買った記憶は無いが持っている盤ですね。また時間あるときに聴いてから収録曲をピックアップしておきます。
Boyz II Men / The Remix Collection
大々的にHip Hop勢とのコラボレーションを行い、リミックスプロダクションもHip Hopに寄せたものとなっており、けっこう面白いリミックスがたくさん収録されたアルバム!
The Meteor Man / Original Soundtrack Album
エディ マーフィー主演の怪作映画メテオマンのサウンドトラックも、アルバムはプロモーション盤のみ。これが探すとびっくりするくらい全く無くて、誰も探していないレア盤として君臨(?)しているO.S.T.。
Queen Latifah / Black Reign
このアルバムのレコードについては、数年前にまずジャケット付きUK盤が高額化。その時はUSプロモーション盤は注目されていなかったのですが、ここ2-3年くらいでいきなり高額化。凄く良い内容で僕も大好きなアルバムなんですが、10年前にはゴミ盤扱いだったレコードが急に高値になるとビビりますよね。
1993年というClassicsが量産された良い時代背景ということもあり、例に漏れずこのアルバムも内容充実の力作となっております!
USはプロモーション盤のみとなるアルバムもそうですが、シングルもプロモーション盤にしか入っていないリミックスやアルバムヴァージョン入りのプロモーションシングルがあるなど、なかなか曲者(くせもの)が多いです。こういうプロモーション盤が充実しているのはMotownらしさがあって好きですね!
正直、アルバムのUSプロモーション盤を持っていても凄いとは全く思いませんが、このプロモーションシングルとなった強烈なPosse Cut Numberを所持していると聞いたら、「おお!素晴らしい!」となりますよ!アルバムよりもよほど重要なシングル!
Trends of Culture / Trendz...
Lord Finesseプロデュース曲がスマッシュヒットした3人組のアルバムは、Motown傘下のMad Soundsよりリリース。例の如くこちらもプロモーション盤のみとなり、当時は正規盤は発売されていません。
後にジャケット付きクソブートで再発されていますが、オリジナル盤としてはプロモーション盤のみ。シングルが4曲もあり、重要な曲はだいたいシングルカットされています。
やはりOff & Onですかね。青春のボコボコJeep Beatsで、いつ聴いても地獄です!
Tha Mexakinz / Zig Zag
ズンズン進むボコボコジープビーツがたまらないB級作品ですが、僕はこういう作風がとにかく大好きなんです!シングルで聴かせてくれた雰囲気そのままに、アルバムもカッ飛ばしてますね!
やはりこのアルバムもプロモーション盤のみ。Motownは傘下のレーベルですらアルバムをほとんど正規発売しないという方向性は徹底してますね!
QDIIIをリミキサーに迎えてシングルカットされたPhonkie Melodiaは、静と動の対比が上手く表現されたプロダクション上で、2人の歯切れの良いメキシカンラップが炸裂する大好きな一曲です!
(画像ではPhonkie Melodiaのプロモーション盤が抜けていたので、後から加えて再アップしておきます)
モータウンの歴史が書かれた、コンプリート・モータウンという書籍には...
辞典クラスに厚みのあるこの書籍ですら、90年代のアルバムにはほぼ触れておらず、プロモーション盤のみのアルバムの話なんていうのも全く掲載されていません!
それくらいMotownのプロモーション盤のみとなるアルバムの話はニッチな話題ですが、レコードキチガイにとっては絶対逃げられないところではあるので、いつかコンプリートしたらまた記事を書きたいと思います!