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異次元のチームプレイを体感しよう!Worlds観戦ガイド|2024 LoL World Championship

 年明けには空前のLoLブームが巻き起こった2024年。9ヶ月が経過した現在も、すっかり沼にハマったストリーマーたちを中心に、絶えることなくLoLの篝火が受け継がれている。この記事を開いたあなたも、きっとそんな配信者に心当たりがあるだろう。
 なんとなく好きな配信だから眺めている人も、既にサモナーズリフトから抜け出せなくなっている人も、これだけは見逃さないでほしい一大イベントが間もなく始まる。世界一のチームを決める大会、League of Legends World Championship(以下、Worldsワールズ)だ。
 今年からLoLを見始めた人でもこの祭典を最大限楽しめるよう、この記事ではWorldsの出場チームや見どころを紹介したい。最後までお付き合いいただければ幸いだ。


大会概要

 今年は世界各地のリーグを勝ち上がった20チームが競い合う。
 大会は3つのステージに分かれ、メジャーリージョンと呼ばれる4大リーグ(LCK・LPL・LEC・LCS)の代表は2つ目のスイスステージから、それ以外の地域(とLEC・LCSの第3シード)は1つ目のプレイインステージからの参戦。詳しいフォーマットは以下の動画を参照。

 Worldsを観戦する上で是非とも楽しみたいのが、世界中のユーザー全員で試合結果の予想的中率を競う「Pick'emピッケム」だ。LoL Esports公式サイトからログインして自分なりのピックをロックインしよう。優秀な成績を収めると豪華景品もゲットできる。

 以下では、今大会に出場するプレイヤーたちを紹介する。応援するチームや選手がいれば、観戦の楽しみは倍増。推しを見つける一助にしてほしい。
 なお、とんでもない文量になってしまうので、一旦ブックマークだけしておいて各チームの試合の時にでも目を通すのがおすすめ。とりあえずどこが強いのかざっくり知りたい方は、総評の項まで飛ばしてしまうといい。


チーム紹介

 メジャーリージョンの各チームについては、選手の知名度と注目度の目安を5段階で記載。なお、ここでの「知名度」は主にキャリアの長さと国際戦経験の多さを、「注目度」は今シーズンのパフォーマンスとチーム内における重要性を大まかに表すものとする。
 チームや選手の評価については極力客観的な記述を心掛けてはいるものの、筆者の私見も多分に含まれることを了承いただきたい。


LCK

 韓国リーグ、League of Legends Champions Korea(以下、LCK)。世界で最もハイレベルな精鋭たちが鎬を削り合うリージョン。
 入念に練り上げられたドラフト戦略と、教科書通りのクリーンな試合展開が特徴。随所で輝く各選手のミクロ面もさることながら、キルに頼らずローテーションだけでも有利を生み出せる統率の取れたマクロ面こそが真骨頂と言えるだろう。オブジェクトの価値やピックの意図など、「LoL」のひとつひとつを正しく理解してリスクを排除し、王道を究めて順当に勝つ。


・ Hanwha Life Esports

チームタグは【HLE】

 2016年には旧ROX Tigersとして世界を震撼させた古豪。昨年は春夏ともに4位とまずまずの結果だったが、今年は屈強なキャリーラインを残して大幅補強。ネームバリューに引けを取らない総合力をシーズン通して磨き上げ、夏のファイナルではついにGen.Gのゴールデンロードに立ちはだかった。

TOP:🇰🇷 Doranドラン
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 万難を排してミッションを遂行する、不撓不屈の仕事人。ソロキルからのウィンコンディションはもちろん、レーンで失敗した時でさえ決して役目を見失わず、チャンピオンの性能をフルに引き出してドラフトの意図を守る。インタビューでの独特の受け答えがファンの間では「D言語」として話題。

JG:🇰🇷 Peanutピーナッツ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 卓越したスマイト精度でオブジェクトを搔っ攫っていく大泥棒。かつてはガツガツと敵陣に入っていくフィジカル自慢の急先鋒だったが、キャリアを積んだ現在はロジカルな戦況把握と適切なコールで試合を操るコンダクターへと変貌を遂げた。キュートな笑顔で女性人気も高い、LCKの王子様。

MID:🇰🇷 Zekaゼカ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 2022年WorldsでDRXの躍進を支えた立役者。ヨネやアカリ、サイラス等のメレー系を使わせれば右に出る者はない。今季は苦手なメイジ系が姿を消すメタの追い風も受け、まるで水を得た魚だ。「인간インガン갈리오カリオ(人間ガリオ)」と名状されるほど恵まれた体格を持つが、本人曰く運動は得意ではない。

ADC:🇰🇷 Viperヴァイパー
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 世界の頂に最も近い、ADCの完全体。クリック精度、CS、ウェーブ管理、ガンク耐性、スキルショット、状況判断、ポジショニング、ピックプール、戦術理解、柔軟性、メンタル等々、どこを取っても一級品で死角が見当たらない傑物だ。今年はAI作曲された応援歌『ウォンディルA D Cの神』が大流行。

SUP:🇰🇷 Delightデライト
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★★
 チームファイトで違いを見せるイニシエートの匠。タンク系チャンピオンを握ればその影響力は絶大で、勇猛果敢なエンゲージコールでチームを牽引する。メタの研究にも余念がなく、コーチ陣に交じってドラフト戦略を練るほどだ。大飯食らいの大酒飲みで、何の気なしに焼酎ソジュを3本空けてしまう。


・ Gen.G

チームタグは【GEN】

 今年のMSI王者にして、Worlds優勝候補の大本命。全レーンに世界トップクラスの選手を揃え、シーズン最高勝率のリーグ記録を塗り替えたドリームチームだ。グランドスラムこそHLEに阻止されたものの、その腕前は歴然。最強リージョンの名に恥じない最高峰のパワーを遍く世界に見せつける。

TOP:🇰🇷 Kiinキーン
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★★
 アクションのひとつひとつが秀麗かつ丁寧な、トップレーナーの理想形。長らくチームに恵まれず、国際大会での活躍はほとんどなかったが、磐石のメンバーが揃った今年はその本領を遺憾なく発揮する。顔が似ていることを理由に、けろけろけろっぴのグッズを事あるごとにプレゼントされている。

JG:🇰🇷 Canyonキャニオン
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 2020年にWorldsを制して以降、世界の最前線を走り続ける超弩級ジャングラー。マップの全てを掌握するマクロコントロールは天下一品で、ニダリーやリー・シン等の高機動力チャンピオンを手にすれば誰にも止められない。不思議な愛嬌のある見た目から、ファンにはよくシロクマに例えられる。

MID:🇰🇷 Chovyチョビー
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 今、世界で最も強いミッドレーナー。特筆すべきはその驚異的なCS精度で、あまりにも効率よくファームを集めてキャリーするため「袖にミニオンを仕込んでいる」などと噂されるほどだ。Worldsにおいては優勝も秒読みと言われ続けて早や幾年、未だ決勝進出も叶わず「88848」が呪いの数字に。

MSIに続いてWorldsにも「1」を刻みたい

ADC:🇰🇷 Peyzペイズ
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★★
 デビュー2年目、弱冠18歳にしてMSI王者となったLCKの超新星。若さ溢れるプレイングの強気さと、若手らしからぬチャンピオンプールの広さを併せ持つ。LoLの家庭教師をつけられて育ったという桁外れのスーパーエリートで、元チームメイトのPeanutによれば「Peyzの家は宮殿だった」という。

SUP:🇰🇷 Lehendsレヘンズ
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★★
 シンジドやシェン、エリスのサポート運用を開拓した異色のパイオニア。かつてSoloQではシンジドOTPのトップレーナーとして名を馳せたが、ロールを転向して一気に世界レベルの才能を開花させた。毎度Peyzに「サポートが他の人だったらなあ」と煽られて嫉妬の炎を燃やすくだりがお約束。


・ Dplus KIA

チームタグは【DK】

 DAMWON GamingとしてLCKに昇格してから今に至るまで一度たりともWorlds出場を逃さず、2020年には優勝まで経験した超実力派。今シーズンはアカデミー上がりのルーキーたちが躍動して好成績を収めているが、彼らが初の国際戦でパフォーマンスを出し切れるかどうかが一番の懸念材料だ。

TOP:🇰🇷 Kingenキンゲン
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 知恵と剛腕で風穴を開けるクラッチキング。メタを掘り下げた際の適応力が高く、それ故に毎シーズン環境が煮詰まる終盤に調子を上げることから「ビッグゲーム・ハンター」の異名を取る。趣味は筋トレで、ベンチプレスは110キロ。勝利時にはカメラに向かって自慢の筋肉を披露することも。

JG:🇰🇷 Lucidルシッド
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★★☆
 長きにわたってLCKデビューを待望されていたゴールデンルーキー。獅子奮迅の活躍を見せたアカデミーリーグでの勢いそのままに、鋭いエンゲージの嗅覚と非凡なメカニクスを駆使して並み居る強敵と互角以上に渡り合う。チワワに似ていると評判で、LCK公式のサムネイルでもイジられている。

MID:🇰🇷 ShowMakerショーメイカー
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 その名に偽りなく、鮮烈なプレイで花形を演じるフランチャイズスター。ドラフトの流れやコンセプトに合わせて、ダメージディーラーからサポートまであらゆる務めを完璧にこなす千両役者だ。何かとお怒りの様子をミーム化されがちで、ここ最近は「4700HP」のカ・サンテコピペでおなじみ。

ADC:🇰🇷 Aimingエイミン
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★☆
 チームのメインオーダーを担う、世にも希少な戦術家ADC。無謀な飛び込みでスローしていた数年前の姿は既になく、手堅く戦い続けて今年の夏には過去最高記録のシーズン通算301キルを獲得した。ShowMakerが2年契約と聞き勇気を出して2年契約したが、実際はShowMakerは3年契約と知って脱帽。

SUP:🇰🇷 Mohamモハン
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★★☆
 シーズンの終盤にコールアップされ、決して調子の悪くなかったKellinからスタメンの座を奪い取った秘密兵器。少々行き過ぎる場面も見受けられるものの、活きのいい仕掛けっぷりでチームに推進力をもたらしている。本当はOverwatchのプロになろうとしていたが、父親の反対を受けて撤回した。


・ T1

チームタグは【T1】

 Worldsを制すること4回、世界一の人気と実績を誇る名門中の名門。彼ら抜きにWorldsは語れないディフェンディングチャンピオンだ。優勝メンバーを維持して臨んだ今年は多忙とメタの変化に振り回されて絶不調。ギリギリでプレイオフを勝ち抜け、苦難の第4シードから5度目の栄冠を目指す。

TOP:🇰🇷 Zeusゼウス
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 サモナーズリフトに舞い降りた「雷の神」。若くして完成された当代一流のトップレーナーだ。万能のパラメータの中でも攻撃面は突き抜けており、ジェイスやヨネを使えば独りでに敵を粉砕してしまうことも少なくないが、本人はタンク系の方がやりがいを感じるという。IVEのファンで、リズ担。

JG:🇰🇷 Onerオナー
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 冴えわたる攻撃性を携えた森の支配者。レジェンドジャングラーBengiをして「全盛期の俺を超えた」と言わしめた。一時はチーム最弱とも評されたものの、今年はチームで唯一調子を落とさず孤軍奮闘する最後の柱に。姉はチアリーダーで、あまりの美貌にOnerの義理の兄を名乗るファンが続出。

MID:🇰🇷 Fakerフェイカー
知名度:★★★★★★★★★★
注目度:★★★★★
 言わずと知れた「不死身の魔王」。歴代最高の選手としてHall of Legendsに殿堂入りした。常に平静を保って淡々とキャリーする姿で有名だが、今季はかつてない大スランプに陥り、自分の不甲斐ないミスに憤りを露わにするシーンも。世界中のファンの願いに応え、万全のフォームを取り戻せるか。

ADC:🇰🇷 Gumayusiグマユシ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 大舞台で頼りになる、気骨あふれるT1の主砲。アフェリオスやジンクス等のハードキャリーで真価を発揮する一方、メタによって評価の移り変わりが激しい。この夏は苦境に立たされがちだが、例年通り秋が旬の"Worlds男"として復権したいところだ。StarCraft2のスター選手INnoVationは実の兄。

SUP:🇰🇷 Keriaケリア
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 無限の可能性を感じさせる、才気煥発の何でも屋。広大なピックプールに加えてサポートにはもったいないと言われるほどのフィジカルを備え、唯一最大の弱点とされていたガラスのハートも少しずつ強度を上げた。チームに年上はFakerしかいないはずなのに、末っ子ポジションで皆に可愛がられる。


LPL

 中国リーグ、League of Legends Pro League(以下、LPL)。世界最多のチーム数を誇る、群雄割拠の激戦リージョン。
 有利を広げるチャンスを見逃さない、とにかく好戦的なスタイルが特徴。その特色ゆえにパワフルな個人技の光るシーンが多く、素人目にも見応えのある派手なリーグだ。得られるリターンを見越してどんどんリスクを取っていく中で、時には利益度外視のランダムファイトが発生することも。これが混乱にも似た怒涛の展開を生み出して軟弱な敵を押し潰していく。


・ Bilibili Gaming

チームタグは【BLG】

 ここ2年で急激に勢力を伸ばしている新時代の覇者。中国製ニコニコ動画「Bilibili」を母体に、スター選手と成長株を集めて攻撃力特化のロースターを組み上げた。一見不利な状況のファイトでも堂々と受けて立ち、操作精度と立ち回りで勝つ、LPLスタイルの最先端が全世界を恐怖の底に陥れる。

TOP:🇨🇳 Binビン
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 LPLが誇る「最強の矛」。対面を圧倒してゲームを終わらせる破壊力を持つ、ファイター系チャンピオンのスペシャリストだ。出場した国際大会5回のうち1回だけがベスト4、残る4回は全て決勝まで進出しているファイナル請負人。ボクシング愛好家で、リアルファイトでも1v1最強説が囁かれる。

JG:🇨🇳 Weiウェイ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 ガンクを絡めたゲームメイクにかけては他の追随を許さないアグレッシブな旗振り役。ヴィエゴやヴァイ、ジャーヴァンⅣのピックがことさら猛威を振るい、鋭い仕掛けでスノーボールを加速させる。その昔、誤ってスマイトではなくイグナイトで試合に出てしまい「炎帝」と呼ばれるようになった。

MID:🇨🇳 knightナイト
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 技術とセンスで不可能を可能にする「黄金の左手」の持ち主。アーリの扱いにかけては世界一と名高く、公式戦28連勝を成し遂げた記録を残す。左利きなのでずっと両腕をクロスさせる格好でプレイしていたが「マウスを左に置けばいい」と指摘されてハッと気づいた、という天然エピソードも有名。

1v1イベントで伝説の操作法を再現(Solo King Challenge 2021)

ADC:🇨🇳 Elkエルク
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★★★
 BLGの急成長を象徴する、覚醒したハイパーキャリー。デビュー当初からポテンシャルの片鱗を覗かせつつも、2年前は下位チームで燻ぶっていた。ところがONとタッグを組んで一変、たちまちのうちに最上位ADCに。契約金は2年300万元だったと報じられ「コスパが良すぎる」とファンは騒然。

SUP:🇨🇳 ONオン
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★★★
 マップのどこにでも現れる、神出鬼没の自由人。あえてジャングラーと連動しない独立的なエリア取りを多用する分、時折トロールに見える場面さえあるが、実際にはあたかも味方がすぐ近くにいるかのようなフェイクプレッシャーで敵を惑わしている。何故か韓国語版のLoLクライアントを愛用。


・ Top Esports

チームタグは【TES】

 LPLの荒波の中でも高頻度で上位争いに食い込む強豪の一角。今シーズンは未熟ながらも突破力のあるミッドレーナーを中心に据え、4人のベテランが脇を固める体制でチームが綺麗にまとまった。Worldsの行く末を占うのは起爆剤のCreme。彼がはじけた暁には、頂上の景色が見えてくるだろう。

TOP:🇨🇳 369
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 LPLが誇る「最強の盾」。ウィークサイドを軽々こなしつつもゲーム全体に甚大な影響力を持つ、タンク系チャンピオンのスペシャリストだ。名前の読み方は「サンリュウジュウ」、「スリー・シックス・ナイン」など各地で異なるので、日本においては日本語で「サンロッキュー」と読むのが正解。

JG:🇨🇳 Tianティエン
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 2019年のWorlds決勝でMVPに選ばれたビッグブレイン。世界を獲った後は手首の怪我やメンタルの失調で凋落の兆しも見せたが、浮き沈みの末にとうとう本来の姿を取り戻した。医者の家系に育った頭脳派で、ついた渾名が「清华打野チンホワダーイェ(清華大JG)」、日本で言うなら「東大理Ⅲジャングラー」。

MID:🇨🇳 Cremeクリーム
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★★★
 昨年は中堅チームで何度も番狂わせを起こした、急上昇中の若手ミッドレーナー。メレー偏重のピックプールゆえに「Chinese Zeka」と形容される。MSIでは初の国際大会に委縮してしまったが、Esports World Cupでは良好なパフォーマンスを見せたこともあり、今大会は大ブレイクの機運が高まる。

ADC:🇨🇳 JackeyLoveジャッキー・ラブ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 2018年Worlds王者、一世を風靡した超攻撃型ADC。イキリ前ブリンクはこの男の代名詞。敵陣のド真ん中に突っ込み全てを蹴散らして生き残る(稀に生き残らない)。昨年オフシーズンには、操作精度が高すぎたあまりアンチチートシステムを誤作動させてBANされるという新たな伝説を残した。

SUP:🇨🇳 Meikoメイコ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 キャリア10年目の大ベテランながら、なおも色褪せる気配のない中国史上最高サポート。MSIとWorldsだけでなく、オールスター、アジア競技大会、デマーシアカップ等々、あらゆるタイトルを総ナメにしてきたリビングレジェンドだ。サモナーネームの由来は『あの花』のめんま(本間芽衣子)。


・ LNG Esports

チームタグは【LNG】

 蘇州は陽澄ヤンチョンにホームスタジアムを持つ、青い麒麟が旗印のチーム。今年はスタートダッシュにこそ失敗したものの、早い段階でヘッドコーチを変えて軌道修正に成功。LPLのチームとしてはやや珍しく、むやみな乱戦より規律あるマクロゲームを重視する傾向にある、韓国風のスタイルが持ち味だ。

TOP:🇨🇳 Zikaジカ
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★★☆
 すでにNo.2トップレーナーと称する声も増え、Binにも迫る勢いの新鋭。元々は典型的なファイター専門家だったが、LNGに移籍してからはチャンピオンプールを急拡大してあらゆる局面で存在感を増している。眼鏡の下は凛とした顔つきの好青年で、ファンガールたちからは黄色い声援を浴びる。

JG:🇨🇳 Weiweiウェイウェイ
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★★☆
 安定性こそわずかに欠くものの平均すれば高水準なパフォーマンスで、昨年はWorlds決勝まで登り詰めた大器。ジャングルからADCに転向してジャングルに戻ってきた、珍しい経歴の持ち主だ。BLGのWeiと混同されがちだが、もちろん赤の他人。純朴そうな童顔がWeiwei、生意気そうな童顔がWei。

MID:🇰🇷 Scoutスカウト
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 2021年のWorlds王者。弱点らしい弱点がなく、長年ハイパフォーマンスを維持し続けている究極のオールラウンダーだ。キャリアのほとんどを中国で過ごし、LPLレジデンシーの権利を獲得。現地では"名誉中国人"扱いで広く愛されるようになった。ブルガリのオシャレ眼鏡(BV 2224B)がお気に入り。

Scoutは現在EDGとの契約トラブルで係争中につき出国停止命令を受けており、Worldsへの参加可否は不透明。続報を待つのみ。
9/19 追記:スタンドインとしてYagaoの加入が決定。引き続きScoutも参加に向けて調整中。

ADC:🇨🇳 GALAガラ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 LPLのレジェンドADC、Uziの後継者と称される誉れ高きエース。世界一のカイ=サ使いとして名が知れた反面ピックプールには難ありとされていたが、今年は苦手としていたジンやセナを克服し、一段と隙のない構えでキャリー義務を果たす。名前は中国の人気ロックバンド「GALA楽隊」から。

SUP:🇨🇳 Hangハン
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★★☆
 誰もをあっと驚かせる意外性ナンバーワンサポート。鮮やかなエンゲージ、超人的な反応速度、理解不能な先読みスキルショット、そして孤立からのデッドと、どんなプレイが飛び出すかわからないびっくり箱だ。スタイルの似たLECの奇人Hylissangヒリサンになぞらえて「Hyli-Hangヒリハン」と名付けられた。


・ Weibo Gaming

チームタグは【WBG】

 昨年のWorlds準優勝チーム。スター選手TheShyを失って迷走した今年は夏にもロースター再編を敢行。そこからは日が浅い分バラバラな動きを個人技で補い、カオスなファイトを制して勝ち上がってきた。プレイオフを目いっぱい戦い抜いたおかげでチーム力も向上中、その完成形を披露できるか。

TOP:🇨🇳 Breatheブリーズ
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★★☆
 絶妙なバランス感覚でチームの秩序を守る用心棒。やや過小評価されがちなイジられキャラで、「呼吸哥没有英雄池,只有英雄田(呼吸ニキのチャンピオンプールはプールじゃなくて田んぼ=広いだけで使えない器用貧乏)」などがミーム化。しかし本人は鋼のメンタルでそれを自虐ネタに活用した。

JG:🇰🇷 Tarzanターザン
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 読んで字のごとく「ジャングルの王者」。2018年、勝率70%でKRチャレンジャー1位に到達、LCKデビュー直後から大暴れ。瞬く間にシーンを席巻し、全ジャングラーの手本となった。「청소반장チョンソバンジャン(清掃委員長)」と命名されるほどの綺麗好きで、掃除をサボるチームメイトには嫌がらせで対抗する。

MID:🇨🇳 Xiaohuシャオフー
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 リーグ最多の出場試合数を誇るLPLの顔。ミッドレーナーとしてもトップレーナーとしてもMSIを制覇した激レアな実績を持つ。今回のWorldsに向けては、シグネチャーピックのリサンドラにバフが入ったことも見逃せない。中国の暦で寅年の元旦に生まれたため、愛称が「小虎シャオフー(トラちゃん)」。

ADC:🇨🇳 Lightライト
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★★☆
 徹頭徹尾ブレないミスター安定感。キャリアの大半をウィークサイド係として過ごしたが、リソースを注ぎ込んでもらえるようになった今年はギアを数段上げて生き生きとキャリーしている。大人しい性格とは裏腹に歌うことが好きで、チームメイトの配信中に横から歌声を響かせてしまうことも。

SUP:🇨🇳 Crispクリスピー
知名度:★★★★★
注目度:★★★★☆
 2019年のWorlds王者、重度の厨二病を患う尖った男。フック系使いのプレイメーカーとして名を揚げ、近年は誰よりも声を出すインゲームリーダーとして奔走中だ。海外では「クリスプ」、中国では本名で「刘青松リュウチンソン」とばかり呼ばれるが、本人曰く正確なプレイヤーネームは「克里斯Pクリスピー」らしい。


LEC

 EMEAリーグ、League of Legends EMEA Championship(以下、LEC) 。ニューメタを切り開くカオスなエンタメリーグだ。昨年度にEUからEMEA地域へとリーグが拡大されたが、慣習的に「EU」と称されることがほとんど。
 オフメタピックを絡めた自由なドラフトと、マップを広く使ったオブジェクトトレードが特徴。近年は新人起用が活発な一方で戦力の分散や流出が進み、リーグの競争力低下が不安視される面もある。今大会は戦場を荒らして盛り上げる台風の目となれるか。また、LCSとのライバル対決にも注目。


・ G2 esports

チームタグは【G2】

 LECの常勝軍団。黄金期2019年にはMSI優勝・Worlds準優勝と大旋風を巻き起こした。今季はメタとプールの嚙み合わせに苦しみ、仕上がりに一抹の不安を残す。マップ全体で相手を揺さぶる大胆な「G2マクロ」で敵を飲み込めるか、はたまたヒールとして見事なやられっぷりを演じてしまうのか。

TOP:🇩🇪 BrokenBladeブロークン・ブレード
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 LECとLCSの両方を制覇した数少ないプレイヤーの一人。レーンを支配する姿から「The Topfather(トップの首領ドン)」の異名を取る。ちょっぴりキザな一面もあれど、皆に慕われるムードメーカー兼ショットコーラー。ドイツ国籍だがトルコ出身のサッカーファンで、贔屓のチームはガラタサライSK。

JG:🇸🇪 Yikeヤイク
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★★☆
 昨年のルーキーオブザイヤーに選出された大型新人。ベル=ヴェスやリリアのようなパワーファーム系キャリーを得意とし、素早いジャングルクリアからの適切なポジション取りで盤面を整える。すっかり"G2しぐさ"が板について憎まれ口を叩くこともある反面、本当は誰よりも仲間思いの熱い男。

MID:🇩🇰 Capsキャップス
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 ミッドレーナーの宝庫たるLECで一際まばゆい輝きを放つ、ヨーロッパの至宝。良い時には「Claps拍手喝采」、悪い時には「Crapsごみくず」と呼ばれるほどに好不調の振れ幅は大きいが、ノッている時は誰も手が付けられない爆発力の塊だ。いつも応援に駆けつけるCaps dadお父さんも名物キャラクターとして親しまれる。

ADC:🇫🇷 Hans samaハンサマ
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★★
 スリリングなムーブで見る者を魅了する、EU随一のドレイヴン使い。自ら敵前に身を晒し、HPをフルに使って集団戦を勝利に導く。昨年は一気に垢抜けた大幅イメージチェンジでファンが爆増。本人は「試しに前髪を上げてみたら、案外悪くなかった」と話すが、悪くなかったどころの騒ぎではない。

同一人物か疑うレベルのビジュアルアップデート

SUP:🇸🇮 Mikyxミキィ・エックス
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 Capsと共にG2の黄金期を支えたEUのベストサポート。挑発的なまでに危険な立ち位置を取り、相手の判断を狂わせるトリックスターだ。近頃はアマチュア時代の相棒だったポッピーがブーム再燃中。『HUNTER×HUNTER』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』など、日本のアニメ作品が大好き。


・ Fnatic

チームタグは【FNC】

 初代Worlds王者にして、今なお世界を舞台に戦い続けるEUきっての名門。世界規模のファンダムを持ち、ブラック&オレンジを身に纏った応援団がチームを後押しする。昨年はチームビルドに失敗して最悪のシーズンを迎えたが辛うじて再建に成功し、今年はG2をBo5で打ち破るまでに大復活。

TOP:🇪🇸 Oscarininオスカーリニン
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★☆☆
 昨年半ばのチーム再編で二軍から召集された、若手キャリー系トップレーナー。強敵に揉まれながらめきめきと腕を上げてきたものの、チャンピオンプールやチームゲームの理解度にはまだ伸びしろを残している。その目覚ましい成長を支えているのは、憎たらしいほどに図太く強靭なメンタルだ。

JG:🇪🇸 Razorkラゾーク
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★★
 攻めの姿勢でチームを先導する切り込み隊長。日によって神エンゲージとインティングの紙一重を行き来するコインフリップ系ジャングラーだったが、堅実さを身に着けて期待値は上昇中。試合前のマイクチェックで周りを「ニャー」と鳴かせるのにハマっていたが、ウザがられすぎて最近は自重。

MID:🇨🇿 Humanoidヒューマノイド
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 観客を飽きさせない劇場型ミッドレーナー。華麗なアウトプレイを決めたかと思えば次の瞬間には謎の大ポカをしでかしてしまったりと、良くも悪くも目が離せない「Absolute Cinema」の申し子だ。応援するファンやキャスターからは、いつも本名の「Marek Brázdaマレク・ブラズダー!」を叫ばれてしまいがち。

ADC:🇰🇷 Noahノア
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★★☆
 混沌の中に勝ち筋を見出す希望の光。調子の波に悩みを抱えつつも、より不安定な上半身のあおりを受けてしばしば歩くネクサスと化す。スタープレイヤーRekklesに代わる形で加入したことで厳しい批判の目を向けられたが、フレンドリーな人柄とストイックな姿勢で人気と信頼を勝ち取った。

SUP:🇰🇷 Junジュン
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★★☆
 チームが求めていた最後のピース、Noahのポテンシャルを最大限引き出す女房役。地に足のついたレーニングと適切な視界管理で、味方のチャレンジの土台を作る。高校時代まで親の強い反対に遭っていたが夢を諦めきれず、大学の講義をサボってPCバンに籠りプロへの道を拓いた執念と努力の男。

余談だが、今年からストリーマーとしてFnaticに加わった「The Rat King(ネズミ野郎の王様)」ことCaedrelのウォッチパーティーは筆者のイチオシ。解説はめちゃくちゃためになるしリアクションも面白いので、英語が苦手でない方は是非みてほしい。


・ MAD Lions KOI

チームタグは【MDK】

 Worlds常連のMADが、スペイン最大手ストリーマーIbaiのチームブランドKOIコイと提携して衝撃の方向転換。SuperLiga(スペインリーグ)から選び抜かれた4人のルーキーとElyoyaによる、地域密着型のフレッシュなロースターで再出発を決めた。飛び道具だらけのドラフトで、ダークホースとなれるか。

TOP:🇪🇸 Myrwnミルウィン
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★★☆
 スペインで最も有望と目されるアバンギャルドなトップレーナー。アーリやルル、ニダリー、ゼリ、果てにはフィドルスティックスまで繰り出せる、変幻自在のポケットピックで敵を翻弄する。柔和な見た目に反して、ゲーム中に興奮してシャウトしがちな熱血漢。推しはLE SSERAFIMのチェウォン。

JG:🇪🇸 Elyoyaエル・ヨーヤ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 絶対的信頼度のチームリーダー。某ビッグクラブからのオファーを蹴ってまでチームに残留することを選んだ、地元愛の強いバンディエラだ。攻撃的なジャングリングで新人たちをキャリーし、デビュー以来4年連続のWorlds出場を実現。趣味は映画観賞で、パク・チャヌク監督作品に心を惹かれる。

MID:🇵🇱 Fresskowyフレスコーヴィ
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★☆☆
 Elyoyaの右腕として力戦奮闘するユーティリティープレイヤー。Myrwnの影に隠れてはいるものの、同じく広いピックプールで柔軟なドラフトを支えている。メンバーで唯一スペイン以外の出身だが、チームメイトやファンの多くは親しみを込めて「Fressquitoフレスキート」とスペイン風のニックネームで呼ぶ。

ADC:🇪🇸 Supaスーパ
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★☆☆
 初陣から半年で2回のペンタキルを獲得した"持ってる"男。確かなキャリーポテンシャルがある一方ややミスの目立つ側面があり、厳しい評価を受けることも多め。特徴的な鼻から「El tucánエル・トゥーカン(オオハシ)」の二つ名を持つが、誤植などを経て今は「El Turcansエル・トゥルカンス(トルコ人)」で定着してしまった。

SUP:🇪🇸 Alvaroアルヴァロ
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★★☆
 優れたメカニクスと冷静なコールで荒れたフィールドを整える現場監督。ストーブリーグでは争奪戦が繰り広げられた、メジャー級の即戦力人材だ。人一倍プロ意識が高い真面目な性格で、長くチームを共にしたメンバーたちは自ずとその姿を見習って練習態度やルーティーンを改めるに至った。


LCS

 北アメリカリーグ、League Championship Series(以下、LCS)。諸外国からの助っ人を惜しみなく登用する、まさにアメリカらしい人種の坩堝。一般には「NA」と呼ばれる。
 メジャーリージョンでは最弱と軽んじられるが、近年は国内の若手が続々と台頭しており、レベルは着実に上がってきている。ただし、特大スローに繋がるリスキーなバロンコール(NA Baron)を始めとした古典的なミスプレイの数々も未だ健在。世界のパワーバランスを覆すのは今年か、まだ先か。


・ FlyQuest

チームタグは【FLY】

 NBAのミルウォーキー・バックスを母体とするesportsチーム。試合に勝つ度に100本の植樹を行うなど、環境保護活動にも注力している。今年はMSIでの大敗を受けてベテランのJensenに別れを告げ、アカデミーで無双していたミッドを昇格。この勇気ある決断が功を奏し、念願の初優勝を果たした。

TOP:🇧🇪 Bwipoブウィポ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 クリエイティブなピックとコールで試合を動かすアイデアマン。緊迫感の漂う大舞台でも明るく楽しげなひょうきん者で、プレイヤーカメラにはコミカルな"顔芸"リアクションが頻繁に映し出される。その圧倒的な存在感ゆえに(?)、力強く歩く姿を加工された「WIDE BWIPO」のミームが大人気。

JG:🇵🇱 Inspiredインスパイアード
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★★
 虎視眈々と機を窺う冷徹なリアリスト。トキシックなイメージが災いして腫れ物扱いを受けがちだが、経験値で劣るチームをキャリーし続けた実績は本物。今や西洋一のジャングラーとして名前が挙がるまでになった。キルを起こさない消極的な戦い方を「ヴィーガン」と言い表してプチ炎上中。

MID:🇰🇷 Quadクアッド
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★★☆
 若くして引退したが、ストリーマーから競技シーンに返り咲いた助っ人。元々はカシオペアOTPで、LCK時代は「Solo Cassiopeia」略して「SOLCA」と名乗っていた。今シーズンのプレイオフではシングル・ダブル・トリプル・クアドラ・ペンタキルを1試合でコンプリートする世界初の珍記録を樹立。

ADC:🇨🇦 Massuマッスー
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★☆☆
 稀代のスーパーキャリーを予感させるダイヤモンドの原石。メカニクスでゴリ押す脳筋プレイヤーだったが、勝ち気な姿勢はそのままにチームゲームに順応した。進路は医者か弁護士しか認めない厳格な家庭に育つも、兄弟の助けもあって親を説得、今はプロゲーマーの道を温かく見守られている。

SUP:🇺🇸 Busioブシオ
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★☆☆
 20歳にしてLoL歴13年目の新世代サポート。今年はゲーム理解度の高い味方とコーチに恵まれて猛勉強、マクロ面の判断力で飛躍的な伸びを見せた。極めて勤勉なメモ魔で、ノート代わりの専用Discordサーバーを活用し、練習で学んだ内容を逐一スクリーンショットと共に記録して小まめに復習する。


・ Team Liquid

チームタグは【TL】

 古くは「4位の呪い」に悩まされたが、意欲的な補強を続けてWorlds常連となったNAの勇士。無理のないスローペースな試合を好み、どっしり構えた5対5の集団戦で勝利を狙う。国際戦では振るわない現状が続く中で、結果を出すには発展途上のキャリーラインが更に限界を超える必要がありそうだ。

TOP:🇰🇷 Impactインパクト
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 2013年Worlds王者、なおも第一線で戦い続ける老練の士。渡米当時はカタコトの英語「TOP DIEトップは死ぬです」をミーム化されたりしたが、今年でLCS歴も10年目。もはやリーグ最多出場・最多勝利の記録を更新し、流暢なコールでチームを鼓舞している。貯めた給料で韓国にビルを1棟、LAに家を1軒購入した。

JG:🇰🇷 UmTiアムティ
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★★☆
 序中盤の組み立てに定評のある司令塔。LCKでは中堅下位チームで苦しい下積み時代を過ごしたが、帰国子女としての英語力アドバンテージを活かして異国の地で花開いた。熱いパッションを持つ反面、自分を見失いがちなところが玉に瑕。ホロライブENを愛するVリスナーで、がうる・ぐら推し。

MID:🇺🇸 APAエーピーエー
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★☆☆
 ビッグマウスの野心家にして自信家、そして隠れた努力家。オレリオン・ソルやジグスを好んで繰り出す尖ったプールが長所であると同時に短所でもある。煽り合いが達者で、試合本番のゲーム内チャットでも口撃(yap)を欠かさないことから「YAPA」「YAPTAIN AMERICA」などの渾名がついた。

ADC:🇺🇸 Yeonヨン
知名度:★★★☆☆
注目度:★★★☆☆
 アカデミー時代からCoreJJの熱烈な指導を受けた期待の星。ルーキーオブザイヤーとして挑んだ昨年のWorldsは、スクリムから本番まで大連敗。世界との差を見せつけられ、挫折をバネに一回り大きくなった。韓国系アメリカ人のため実質4人目のKR枠と言われるが、韓国語が堪能なわけではない。

SUP:🇰🇷 CoreJJコア・ジェイジェイ
知名度:★★★★★
注目度:★★★★★
 2017年、Worlds決勝でSKT T1の時代を終わらせた張本人。世界屈指のLoL IQでリーグ全体のレベルを引き上げたフロントランナーだ。勝利の方程式を整える力がずば抜けており、Champions Queue(高レート限定のカスタム)では「CoreJJのいるチームが勝つ」とまで言われた。今大会最年長の30歳。


・ 100 Thieves

チームタグは【100】または【100T】

 読み方は「ハンドレッド・シーブス」。ルーキーたちを育成する長期的なプロジェクトとして揃えたはずのメンバーが、初年度からまさかの快進撃。NAラストホープと称されるCloud9を打ち破ってWorldsまで辿り着いた。プレイインを突破するだけの地力は間違いないが、緊張に打ち勝てるか。

TOP:🇨🇦 Sniperスナイパー
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★★☆
 今大会最年少の17歳。12歳でチャレンジャー、14歳でNA1位に達してコミュニティを賑わせ、長い間100Tアカデミーで守り育てられてきた虎の子だ。プレイもコールも既に一線級の働きを見せているが、NAの未来を背負って立つ者としてこの場で更なる成長の鍵を掴みたい。実兄は元LCS選手のV1per。

JG:🇰🇷 Riverリバー
知名度:★★★★☆
注目度:★★★★★
 未熟な若者たちを取りまとめる、冷静沈着なオペレーター。世界各地のチームを地域トップレベルまで導いてきた歴戦の傭兵だ。慎重に盤面の有利を稼ぎつつも、土壇場では腕力に物を言わせたクラッチプレイをぶちかます。日本のプレイヤーにはV3 Esports在籍当時の「Baby」の名で知られる。

MID:🇰🇷 Quidクイッド
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★☆☆
 Gen.Gアカデミー出身、春には最優秀ミッドレーナーにも選ばれた逸材。時にコミュニケーションエラーもあれど、血の気の多いスタイルが若手中心のチームカラーにフィットして伸び伸びとキャリー中。FLYのQuadと名前が似ていると話題だが、ハングルだと「퀴드クイッドゥ」と「쿼드クアッドゥ」でもっと激似。

ADC:🇺🇸 Tomoトモ
知名度:★☆☆☆☆
注目度:★★★☆☆
 チームの危機を救う、喋れるダメージディーラー。シーズン終盤にチームに合流すると、持ち前のコミュニケーション力で連携面を円滑化。今ひとつ足りなかった完成度を押し上げてWorlds進出を決定づけた。寿司が大好物で、サモナーネームの由来もニューヨークにある和食レストランの店名。

SUP:🇦🇺 Eylaエイラ
知名度:★★☆☆☆
注目度:★★★☆☆
 オーストラリアが生んだサポートの雄。サブコーラーとしてRiverを全面的に支援しつつ、思い切った仕掛けでペースを掴む。得意とするところはキルゲームで、パイクの実装時にはサポートとして公式戦で世界初のペンタキルを獲得した。舐めたトラッシュトークは許さない、根っからの負けず嫌い。


Play-Ins

 以下、MDK・100Tと共にプレイインステージを戦うマイナーリージョンのチーム。チームの概要と知名度の高いピックアップ選手1名のみを紹介。

・ PSG Talon

チームタグは【PSG】

TOP:🇹🇼 Azhiアジ
JG:🇹🇼 JunJiaジュンジア
MID:
🇹🇼 Mapleメイプル
ADC:
🇹🇼 Bettyベティ
SUP:
🇹🇼 Woodyウッディ

 PCS(APAC)1位通過。PCSの発足以来、全8スプリットのうち7回もの優勝を飾った絶対王者。プレイインでは頭一つ抜けた存在で、何と言ってもミスが少ない。レーンで勝ったMapleをサイドに出した1-4の陣形は必勝パターンだ。直近のスクリムでは、LPLチームを相手に連勝を収めているとの噂も。

注目選手:Maple
 台湾のGOAT、世界的ミッドレーナー。序盤のレーニングから中盤以降のサイドプッシュまで一人で有利を生み出せる総合力の高さで、チームの命運を双肩に担う。今年限りで引退を表明、このWorldsで有終の美を飾れるか。


・ Fukuoka Softbank Hawks Gaming

チームタグは【SHG】

TOP:🇯🇵 Eviエビ
JG:🇰🇷 Forestフォレスト
MID:
🇰🇷 DasheRダッシャー
ADC:
🇯🇵 Marbleマーブル
SUP:
🇰🇷 Vstaヴィスタ

 PCS 2位通過。集団戦に絶対の自信を持つ我らが日本代表。マッチアップで多少の不利を覚悟してでも集団戦に強いピックを優先し、武闘派のJg-Supラインを筆頭にオブジェクトファイトから一気に畳みかける。LJL代表として2021年以来の本戦進出に向け、機運はかつてないほどに高まっている。

注目選手:Evi
 日本はおろかマイナーリージョン全体で見ても最強格のトップレーナー。象徴的なサムズアップで世界に広く知られるLJLの顔だ。時には気負いすぎたプレイもあるが、国際戦で必ず何かを起こしてくれる男。Eviを信じろ。


・ GAM Esports

チームタグは【GAM】

TOP:🇻🇳 Kiayaキアヤ
JG:🇻🇳 Leviリヴァイ
MID:
🇻🇳 Emoエモ
ADC:
🇻🇳 Easyloveイージーラブ
SUP:
🇻🇳 Elioエリオ

 VCS(ベトナム地域)1位通過。2017年には画期的なチーズ戦術で世界中を熱狂の渦に巻き込んだ、ベトナムで最も人気と実績のあるチーム。ランダムファイトが頻発するVCSの中にあって、意外にも落ち着いたマクロゲームで有利を作れる試合巧者だ。今年はトップサイドを活かすのが最大の勝ち筋。

注目選手:Levi
 GAM全盛期にも中心的存在だったベトナムの英雄。腕を買われて世界を渡り歩いた末、現在は再びベトナムに舞い戻ってリーグの牽引役として大車輪の活躍。「兵長」のニックネーム通り、名前の元ネタは『進撃の巨人』。


・ Vikings Esports

チームタグは【VKE】

TOP:🇻🇳 Nanaueナナウエ
JG:🇻🇳 Guryグリー
MID:
🇻🇳 Katiカティ
ADC:
🇻🇳 Shogunショーグン
SUP:
🇻🇳 Bieビエ

 VCS 2位通過。かつてWorlds決勝に進出したジャングラーSofMがオーナー兼コーチを務めるチーム。地域最強のキャリーラインを揃えており、タワープレートの獲得数や15分時点のゴールド有利はリーグでもダントツ。一方、格上相手には経験の浅いトップレーンが潰されてしまうのが大きな弱点だ。

注目選手:Kati
 国際戦経験も十分な、チームの大黒柱。シンドラやビクターなどコントロールメイジを本分とするが、ADC系の扱いもリーグ内では群を抜いている。「ベトナムのFaker」と本名のPhêフェーをかけて「Phê cơフェーコー」と呼ばれる。


・ paiN Gaming

チームタグは【PNG】

TOP:🇰🇷 Wizerワイザー
JG:🇧🇷 CarioKカリオーク
MID:
🇧🇷 dyNquedoジンケドゥ
ADC:
🇧🇷 TitaNチータン
SUP:
🇰🇷 Kuriクリ

 CBLOL(ブラジル)1位通過。ブラジルで最長の歴史と最大のファンベースを持つ古豪。5シーズン連続で準優勝に泣いたシルバーコレクターだったが、ボットレーンの補強が実って9年ぶりの優勝を果たした。ベテラン中心のチームだけあって、勢いに飲まれない老獪なマクロゲームが強みだ。

注目選手:TitaN
 ブラジルのレジェンドbrTTに後継者として指名され、地域を背負うADC。命知らずの前ブリンクで試合を台無しにしていたのははるか昔の話。強気ながらも安定したディールと積極的なショットコールでチームを勝利に導く。


・ Movistar R7

チームタグは【R7】

TOP:🇰🇷 Summitサミット
JG:🇵🇪 Oddieオディー
MID:
🇰🇷 Keineケイニー
ADC:
🇦🇷 Ceoセオ
SUP:
🇦🇷 Lyonzライオンズ

 LLA(ラテンアメリカ)1位通過。旧名の「Rainbow7」で知る人も多い、南米の強豪。強力なソロレーナーを軸に押せ押せの展開を好むが、行き過ぎて自滅することもある諸刃の剣だ。来年のリーグ再編に伴い、LLAからプレイイン直通の形式はこれがラストチャンス、選手たちの気合もひとしお。

注目選手:Oddie
 ラテンアメリカのジャングラーと言えばこの男。リーグ黎明期から活躍していた大ベテランだ。一度はリーグを後進に託して引退したが、電撃復帰。今年はレーンの暴れ馬たちの制御に苦心しつつも、再び頂点に返り咲いた。


総評

 国際競技シーンを初めて見る方のために説明すると、パワーバランスとしては基本的にLCKとLPLの2強。ノックアウトステージ(ベスト8)は全て中韓で占められても何ら疑問はなく、欧米からここに食い込めるのはG2のみ……というのが下馬評の相場だ。優勝争いは本命GenG、対抗BLGといった構図。
 プレイインに関してはPSG・MDK・100Tが通過確実、残る1枠をGAM・VKE・SHGが争うものとする見方が一般的。しかし、MDKと100Tは事前評価の高くない中で3位に滑り込んだこともあり、はっきり言って付け入る隙は十分にある部類だ。例年より拮抗した、混戦模様が予見される。
 また、今年のWorldsパッチは地域決勝から大幅なメタの変化が予想されることにも注意が必要だ。マークスマンの弱体化とメイジの復権はキャリー陣の力関係を大きく変える。国内プレイオフと比べて好不調の逆転する選手やチームが続出してもおかしくない、予測困難な大会となりそうだ。

9/20 追記:LoL Esportsにて世界各国のプロチームにレーティングを施したGlobal Power Rankingsが公開された。判断材料の1つとして参考にしよう。


配信情報

 試合の模様はTwitchの「RiotGamesJP」チャンネルにて全試合生配信。

 アーカイブやその他の動画コンテンツはYouTubeの「LoL esports JP」チャンネルにアップロードされる。

 今年のWorldsはヨーロッパで開催、試合は日本時間で夜~明け方にかけて行われる。開幕戦は来週、9月25日(水)21時に開始予定。スケジュールはLoL esports公式サイトLeaguepediaで確認することができる。当日は一部ストリーマーによるウォッチパーティーも行われることがあるので、合わせて楽しみたい。

 また、忙しくて試合の模様を追えない方は、ハイライト動画を探すのもいいだろう。特に「LJL Highlights! Meanwhile in Japan」は非常に見やすい編集でアップロードも早く、強くおすすめできる。ただし、国際戦は規定により試合終了から第三者の動画投稿まで8時間のラグを要するため注意。


おわりに

 大変長くなってしまったが、これだけの知識があればWorldsを楽しむための土台は完璧。あとは、選ばれし選手たちの究極のスキルと異次元のチームプレイを心ゆくまで楽しむだけだ。
 今年、流行りに乗っかってLoLに触れたあなたはとてもラッキー。世界一のゲームで世界一を決める、最高のエンターテインメントを楽しめる権利を得たも同然だ。初心者でもエアプでも、この祭典を最後まで存分に堪能してほしい。この記事がその一助となっていれば幸いだ。
 では、よき観戦ライフを!

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。面白かった、役に立ったと感じた方はリポスト等で拡散にご協力いただけると幸いです。

 いや、軽い気持ちで書き始めたけどマジで大変でした。昔は『選手パワーランキングTOP20』みたいな記事が公式から出てたんですけどね。ああいうのまた出してくれたりしないかな。
 海外だとよく流れてるチームや選手のティアー表も、日本だとあんまり見ない気がする。プロ・元プロとかキャスター陣とか、一人でも多くの知識人の評価が知りたい。誰かの目に届くことを祈って、Tiermakerのリンクを貼っておきます。こんなんなんぼあってもいいですからね。


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