緊急音の極致②
§2 世界の緊急音 その1
1. EAS(Emergency Alert System)(アメリカ)
緊急警報システム(Emergency Alert System: EAS)は、気象警報やAMBER警報などの重要な緊急情報を被災地に伝えるために、州当局や地方当局が一般的に使用している全国的な公共警報システムである。[1]
(AMBERアラートは、誘拐されたと思われる行方不明の子どもについて、法執行機関が一般市民に通知するために使用される。 AMBERアラートは、子どもの身体への重大な傷害や死亡の危険が差し迫っていると当局が判断した、最も深刻な子どもの誘拐事件にのみ使用される。AMBERアラートの目的は、数百万人の目と耳を増やし、子どもの安全な帰還と誘拐犯の逮捕を見守ることである。[2])
まず、EASヘッダーが3回鳴る。(ビービービーってやつ)その後、EAS注意音が鳴る。この音は、NOAA気象ラジオでは、1055Hzである。民間放送局では、853Hzと960Hzの正弦波の「ツートーン」(警報音が流れます)注意信号が使用される。(ビーってやつ)非常に高い音で、ほぼ長2度の間隔を形成する 2 つのトーンは、人間の耳に不快感を与えるため、特に注意を引くものとして選ばれた。[3]
尚、アメリカには放送局経由のEASに加え、無線通信システム経由の無線緊急警報(Wireless Emergency Alert : WEA)、複数のシステム横断的に情報発信を可 能にする統合公衆警戒・警報システム(Integrated Public Alert & Warning System : IPAWS)が導入されている。[4]
2-1.民防空警報システム(민방공 경보체제)(韓国)
民防空警報は、敵の侵攻によって全国または一部地域に航空機や誘導弾、地・海上兵力による攻撃が予想される場合、または攻撃がある場合、または化学・生物兵器による攻撃がある場合に、その事実を国民に迅速に伝えようとするもので、政府では全国的な民防空警報体制を作り準備している。[5]
2-2.Cell Broadcast System(CBS)(韓国)
CBS(Cell Broadcast Service)とは、ある基地局のエリア内にある携帯電話全体に、一斉配信す るサービスである。伝達されるのはメールと同じ文字情報と着信音で、緊急地震速報や国や自治体の出す災害情報を伝達できる。[6]
3.ECBS(Emergency Cell Broadcast System)(フィリピン)
フィリピンでは、国家災害リスク軽減管理評議会(NDEEMC : National Disaster Risk Reduction and Management Council)が、政策決定、調整、統合、監督、監視、評価といった機能を有し、法で定められた17の責務を負う。NDRRMCの議長は、災害リスク軽減や管理における人命や財産の保護のために、政府やNGO、市民組織といった機関の施設やリソースを利用するため支援を要請できる。また本権限には、共和国法第7077号に定められたとおり災害時における救援・救急活動を支援するために予備部隊を召集する権限が含まれる。[7]
そして、ECBSを通じて配信される緊急警報は、他の政府機関からの意見を参考にして国家災害リスク軽減管理評議会によって作成される。[8]
(政府のホームページ[9]、ECBSの記述は見つけられなかった。)
ECBSを通じて、スマホで緊急メールを受信した時には、アメリカのEASヘッダーのような音(ビービービー)が断続的に流れるようである。
§2 引用・参考文献
[1]https://www.fcc.gov/emergency-alert-system
[2]https://www.fcc.gov/consumers/guides/amber-plan-americas-missing-broadcast-emergency-response
[3]https://en.wikipedia.org/wiki/Emergency_Alert_System
[4]https://www.ituaj.jp/wp-content/uploads/2017/03/2017_03-03-Special-fmmc.pdf
[5]https://m.safekorea.go.kr/idsiSFK/neo/main_m/set/civilAirDefence.html#:~:text=%EB%AF%BC%EB%B0%A9%EA%B3%B5%20%EA%B2%BD%EB%B3%B4%EB%8A%94%20%EC%A0%81%EC%9D%98%20%EC%B9%A8%EA%B3%B5,%EB%A5%BC%20%EB%A7%8C%EB%93%A4%EC%96%B4%20%EC%A4%80%EB%B9%84%ED%95%98%EA%B3%A0%20%EC%9E%88%EC%8A%B5%EB%8B%88%EB%8B%A4.
[6]http://nakamuraisao.a.la9.jp/koreacbs.pdf
[7]https://www.adrc.asia/nationinformation_j.php?NationCode=608&Lang=jp&NationNum=14
[8]https://en.wikipedia.org/wiki/National_Disaster_Risk_Reduction_and_Management_Council
[9]https://ndrrmc.gov.ph/2-uncategorised/3318-transparency-seal
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