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Quincy Jones と Michael Jackson

マイケルジャクソンの超メガヒットアルバム『Thriller』に入っており、シングルカットもされた [Human Nature] という曲がとても好きです。

■作曲: TOTO(アメリカのバンド)のスティーヴ・ポーカロ
■作詞: ジョン・ベティス(カーペンターズの多くの作詞で有名です)

この曲の歌詞、ようく見てみると色んな解釈が出来ますが、訳について巷に出回っている考察はどれも正しいような気がします。単なるナンパの歌=男女の間の事は全て自然なことなんだよ、みたいな歌詞とも取れるし、恋愛とはちょっと離れて、生きる事そのものみたいに考えてもハマる気がします。

で、私が印象に残っているのは、このコーラスの部分。

If they say why, why?
Tell them that it's human nature
Why, why, does he do me that way?
(もし彼らが何故?と聞くなら、それが人間の性なんだって言うんだ)
(どうして神は僕をこんな風に造ったんだろう?)
 ※「どうしてこんな事を僕にさせるの?」みたいな感じ
I like livin' this way
I like lovin' this way
(こんな風に生きるのが好きなんだ)
(こんな風に愛すのが好きなんだ)


そして、この曲を含むアルバム『Thriller』のプロデューサーは、クインシー・ジョーンズです。


クインシーは1933年生まれで、「ネズミのフライを食べるぐらい貧しかった生家」「育った街にはギャングしかいなかった」「少年の頃に仲良くなったのがレイ・チャールズ」「10代初めで街にやって来たビッグバンドに俺も入れろと直談判し入団するも、年齢を理由に結局、撤回される」「ビッグバンドを率いてヨーロッパツアーを敢行するが、メンバーわがまま過ぎて管理がもう無理&借金まみれで、自殺を考える」「シナトラから貰った指輪を大切に小指に今も嵌めている。絶対外せない指輪」などなど、自叙伝を読むとかなり面白いエピソードだらけです。

エージェントとの契約交渉なんかも、2021年現在の日本から見ると、ハチャメチャだな……って話だらけなんですが、当時のジャズミュージシャンって多かれ少なかれこの調子ですよね。昨日や明日が無いどころか、物理的にいつ死んでもおかしくない状態で普通にステージに立っていたりするという。

この自叙伝は「クインシーの語り」と、「彼の周りにいた人達が語るクインシー」が交互に差し挟まれており、読みやすく、たいへん興味深い本です。

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クインシーとマイケルジャクソンが一緒にインタビューを受けている動画がネット上で観れますが、クインシーのアレンジャー・プロデューサーとしての、人たらしぶりが垣間見れたりします。常日頃よりマイケルの肩へ腕を回し「君は最高だ」「本当に素晴らしいよ」等と囁いていたのではないでしょうか(本来そういう、人好きのする愛情溢れる方らしいんですけどね)。

ネトフリのドキュメンタリーでも、若い頃の編曲稼業の報酬を記録したメモを見ながらペイの安さをぼやいたり、「愛してるよ」と電話して有名ミュージシャンをイベントにササッと出席させる等、お茶目で素敵なクインシーの姿が見れます。

■Netflix クインシーのすべて

ただ、クインシーは黒人差別の苛烈な時代(今もそうですが)を生きた人です。バンドで移動してても黒人ミュージシャンだけはレストランに入れず、テイクアウトしてもらってバスの中で食べたり。黒人として嫌な目に遭う度に、クインシーは少し肩をすくめて嫌な事を振り払い、どんどん音楽にのめり込んで行きます。この「嫌な事を直視せず脇に置いて向き合わず、とにかく仕事に没頭する」姿勢が、後々になってまたクインシーやその周りの御家族にとっても深い傷となってゆくのですが…………。

朝の4時まで曲を書いて床で寝て、翌朝8時には仕事で人と会っていたという父の姿を、お嬢さんで女優のラシダ・ジョーンズも愛情と尊敬を込めて語っています。

「マイケルは結構、盗作してたよ」とか「マイケルは有名になるためなら手段を選ばないような男」等と辛辣かつヤバイ事をほいほいインタビューで暴露しては御家族(子供や孫)に怒られたりしつつも、マイケルのレコーディング時の集中力や下準備の完璧ぶりを絶賛していたりもします。

この曲の歌詞はスティーヴ・ポーカロと幼い愛娘との会話をもとに修正を重ねて作られていますが、『もしもこの街(New York)がただの林檎なら、ひとくち齧らせてよ』なんて、なんだか洒落ててとっても素敵です。

マイケルジャクソンの美しくセクシーな発声とダンスに乗せて、とんでもない名曲がいきなり転がり落ちてきた感じの曲です。

マイケルの映画『THIS IS IT』でも、この曲のリハーサル風景がありますよん。


マイケルも好きだけど、クインシーも無茶苦茶大好きだ。
🙂🙄🙂🙄✨🎈






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marume***
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