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意外と気づかないチャゲアスのジャケットにあるもの(Part2)
皆さんは、邦楽ポップスデュオ、CHAGE and ASKA(以下チャゲアス)のシングル、アルバムのジャケットでお気に入りのものはありますか。
チャゲアスの名曲は、歌声も歌詞ももちろん素晴らしいですが、彼らの名曲のジャケットも、作品を象徴するデザインです。多くのデザイナーが手がけてきました。なかには、音楽媒体によって、デザインが違うものがあります。
先月初旬、ブリが執筆してまとめた『初見で気づかないチャゲアスのジャケットにあるもの』の記事に、反応がたくさん集まり、ブリはとてもうれしく思います。実は、その後もいろんな発見があったので、気づいたことを再びまとめました。今回は、邦楽ファンが扱う音楽媒体によって、なかなか気づかないジャケットの変更点があります。他に実はこんなことがあったと、意外と気づかないかもしれないことも、見つけました。
この記事では、チャゲアスの歴代シングル、アルバムのジャケットで、初めて見た人も、よく見ているチャゲアスファンも、なかなか気づかないことをまとめました。ブリが見つけたものをできる限り、集めてみました。皆さんは、いくつ気づきましたか。
CHAGE、ASKAはそれぞれ「チャゲちゃん」「あすちゃん」と呼びます。
☆真夏にセーター姿
チャゲアスの代表曲『MOON LIGHT BLUES』のジャケットは、手書きで描かれた美しいものです。でも、よく見てください。何か変なところに気づきませんか。
アナログテレビに映し出された、若きチャゲアスは、浜辺でゆったり座っています。ジャケット左側のチャゲちゃんはライターで火をつけて、一服をしそうな様子です。一方、右側にいる、あすちゃんはベンチに座っています。でも、あすちゃんの服装を見ると、なぜかセーター姿なのです。半袖シャツのチャゲちゃんと比べて、長袖のセーターをまくっているあすちゃんが気になるのです。
暑そうな浜辺なのに、セーター姿でいるのがどこか不自然なのです。ブリは、このシュールな服装ミスに、ツッコミを入れたくなりました。実はあすちゃんは、後にこのジャケットに対して、服装が変だと自ら突っこんでいました。
ちなみにこのシングル曲は1984年2月22日に発売されました。あすちゃんの誕生日(1958年2月24日)の2日前でした。でも、季節はまだ寒いなかでの撮影だったので、服装は仕方ないと思いました。
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シャツ姿のチャゲちゃん、セーター姿のあすちゃん
☆サングラス姿で初登場
チャゲちゃんといえば、サングラス姿です。彼を象徴する個性です。チャゲアスファンの間では、初めて彼がサングラス姿になったのは、1986年に発売されたシングル曲『モーニングムーン』だと知られていますが、実はその前にサングラス姿で初めて登場しています。
彼が初めてサングラス姿で登場したのは、1985年に発売されたベストアルバム『Standing Ovation』(スタンディングオベーション)のジャケットです。チャゲちゃんもあすちゃんも、サングラス姿です。
このベストアルバムは、チャゲアスにとって、初めてのベストアルバムです。チャゲアスが最初に所属していたレコード会社、ワーナーパイオニア(現ワーナーミュージック)から、キャニオンレコード(現ポニーキャニオン)に移籍してから初めて発売されたものです。ワーナーに所属していた時の楽曲、提供曲である葛城ユキのヒット曲『ボヘミアン』のセルフカバーが収録されました。『ボヘミアン』を聞きたい方におすすめです。
チャゲちゃんの落ち着いたサングラス姿は、いつもかっこいいです。
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2人ともサングラス姿である
☆銀色の光沢紙ジャケット
実物ではなく、ジャケットの画像データをよく見ている方には、なかなか気づかないことです。
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ダウンロード配信のジャケット
1986年のミニアルバム『Snow Mail』は、他のアナログレコード盤のケースと比べて、特殊な紙ケースになっています。銀色に反射する紙になっています。アナログレコード盤はこのようなパッケージになっています。後のリマスター盤のCDでも、銀色の紙ケースが再現されました。ジャケットの画像データだと、単なる灰色の背景にしか見えないのです。
しかも、このミニアルバムはアナログレコード盤も、リマスター盤も限定盤で発売されたので、かなりレアな作品になっています。このミニアルバムは、クリスマスをテーマにした楽曲があって楽しいです。
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1986年発売当時のアナログレコード盤。
銀色に反射する紙ケースになっている
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2009年のリマスター盤。
銀色に反射する紙ケースが再現された
☆シングルのジャケットを再利用
チャゲアスの初期の代表曲を収録したベストアルバム『SUPER BEST』のジャケットは、白黒のチャゲアスの写真があります。実はこの写真は、シングル曲のジャケットが再利用されました。
1986年に発売されたシングル曲『黄昏を待たずに』のチャゲアスの姿を加工して、ベストアルバムのジャケットにしました。2枚を比べてみました。使い回しでも、かっこいい2人の写真を拝めるだけで、うれしいです。
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☆シングル再販盤でジャケット再利用
チャゲアスのシングル曲『LOVE SONG』は2種類のジャケットがあります。初盤である1989年のアナログレコード盤、1992年に再販売された8cmCDで、ジャケットが違います。横顔のチャゲちゃん、あすちゃんの写真に変わりました。
実は8cmCD盤のジャケットは、ベストアルバムの写真を再利用しました。元の写真は、1990年に発売されたバラード曲のベストアルバム『THE STORY of BALLAD』に載っていたものです。2人の横顔のアップがうつっています。
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『THE STORY of BALLAD』ジャケットの比較
ちなみに、『THE STORY of BALLAD』は初盤の1990年と、1992年のAPO盤仕様、リマスター再販盤ではデザインの位置がちょっと違います。初盤、APO盤仕様にあったジャケットは、リマスター再販盤ではCD収納スペースに乗っています。
使い回しでも、美しい2人の横顔を拝めるので、うっとりします。
☆「足」だけジャケット初登場のチャゲアス
チャゲアスが1980年代に発売したアルバムで、彼らの姿がうつるジャケットはほとんどありません。彼らの顔が描かれた絵が初めて出たのは、1986年のアルバム『MIX BLOOD』のみです。実際の彼らの姿がアルバムのジャケットに初めて登場したのは、1988年のアルバム『ENERGY』のみです。
でも、彼らの姿といっても、「足」だけジャケットにうつりました。ジャケット手前には、1980年代後半の「C and A」のロゴマークの彫刻が浮かんだタイルがあります。タイルの後ろには、チャゲアスの立ち姿がありますが、チャゲちゃんの左足と、あすちゃんの右足しかうつっていません。よく見ると、あすちゃんは靴ひもがあって、彼の右足が一歩前にあるように見えます。チャゲちゃんの左足のかかとが浮いたようにも見えます。
「足」だけでメンバー本人たちが初登場した、ジャケットでした。「足」だけでもかっこいいと思ってしまいます。あすちゃんは動きやすい靴を履いているようにしていました。チャゲちゃんは、ラバーソウルの靴を愛用していました。
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足だけジャケットにうつるチャゲアス
☆トイレで撮影
1988年のシングル曲『ラプソディ』のジャケットは、鏡にうつるチャゲアスが、鏡に寄せるように立っています。横顔の美しさと、鏡にうつる2人の対照的なバランスが素敵なジャケットですが、実は撮影場所はトイレでした。
この時期のチャゲアスは、ライブツアー、シングル曲の連発に加えて、他アーティストへの提供曲が忙しい時でした。時間に追われて、ロケ地、撮影時間を手短にした結果、シングル曲のジャケットはトイレで撮影することになりました。
あすちゃんはこの話に恥ずかしがっていました。でも、トイレとは思えない、美人である2人の横顔を拝めるジャケットです。
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アナログレコード盤のジャケット。
鏡に寄せるように撮影した2人
☆洗面台で撮影
1988年のシングル曲『Trip』のジャケットは、暗闇で赤く、チャゲアスの顔部分が浮かぶような写真です。カメラの暗室ような赤い空間に見えた、このジャケットは、ホテルの洗面台で撮影されました。
このシングル曲の5ヶ月前に発売された『ラプソディ』と同様、チャゲアスの活動は多忙で、手短にジャケット撮影が行われました。泊まったホテルの部屋にある洗面台をふいてから、この写真が撮られました。2人がそんな状況で撮影したとは思えない、美しい写真です。ブリのお気に入りのジャケットの1枚です。
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アナログレコード盤のジャケット。
暗闇に浮かぶ2人の顔
☆目立つポニーマーク
チャゲアスの過去のアルバムCDを探していると、ジャケットの左下にマークがあります。これはレコード会社のポニーキャニオンの昔のマークです。この記事では「ポニーマーク」と呼んでおきます。1984年のアルバム『INSIDE』のジャケットと、1990年の再販盤CDのジャケットを並べました。
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1990年のポニーキャニオン再販盤CDの比較
このポニーマークが付いたアルバムは、ポニーキャニオンからの再販盤である目印です。1990年に、アナログレコード盤として発売されていた『風舞』から『ENERGY』まで、CDとして再販盤が出たので、ポニーマークが付けられたジャケットになりました。
チャゲアスは、1985年から1997年までポニーキャニオンに所属していました。CDの普及によって、1990年に過去のアルバムが大量に再販売されました。中古市場で探していると、ポニーキャニオンからの再販盤が多く出回っています。1990年代前半のチャゲアスブームをきっかけに、この再販盤を手にした人が多かったのです。
(チャゲアスの今までの再販盤について、説明した記事はこちらへどうぞ)
ちなみに、再販盤からの違いは一部のアルバムにあります。1980年代前半のアルバム『風舞』から『Z=One』まではワーナーパイオニアに所属していた作品で、チャゲアスがポニーキャニオンに所属してから、1986年に最初の再販盤が出ました。再販盤は発売当時のアナログレコード盤にはない、シングル曲とカップリング曲がボーナストラックが収録されました。1990年以降の再販盤、後のリマスター盤も、ボーナストラック付きの内容になりました。
せっかくの美しいジャケットにレコード会社のマークを付けられて、ちょっと残念な気持ちがします。
☆ジャケットがちょっと切り取り
実際のCDとダウンロード配信の両方で、チャゲアスの音楽を手にした方にしか分からない、小さな違いです。ブリがアルバムのジャケットをスキャンしていたら、気づきました。
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ダウンロード配信のジャケット比較
1993年のアルバム『RED HILL』は、赤く照らされた砂漠が壮大にうつされたジャケットになっています。実はこのジャケットは、実際の紙のブックレットと、ダウンロード配信のジャケットとは微妙なサイズ違いがあります。
ダウンロード配信のジャケットでは、紙のブックレットより若干ジャケットのサイズが小さく切り取られています。ジャケット上部の端の雲に注目して、比べてみると、ジャケットが切り取られていると気づきます。
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写真上が発売当時のジャケット、
下がダウンロード配信のジャケット
『RED HILL』は発売当時に、厚紙のCDケースと写真集、カバーケースが付いた、初回盤パッケージになっていました。1991年のアルバム『TREE』から1993年の『RED HILL』まで、このような初回盤パッケージになっていました。
歌詞カードは、CDケースの背面にあるバックインレイと同じサイズです。ジャケットの写真が、若干大きいものになっています。歌詞カードとともに、写真集が付属しています。歌詞カードは12cmCDと同じサイズです。
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初回盤パッケージ。写真左上から
付属カバーケース、写真集、歌詞カード、厚紙のCDケース
おそらくダウンロード配信のジャケットは、初回盤のブックレットではなく、通常盤のジャケットに統一したと思われます。ダウンロード配信のジャケットは、全て同じ正方形サイズで統一されているので、このような特殊なブックレットのサイズは、実際のパッケージでしか見られないものです。
☆カバーケースのためのデザイン
1995年のアルバム『Code Name.1 Brother Sun』のジャケットを見ていると、ジャケットの構図に気になる点がありませんか。ジャケット右側だけ意味深長に空いた、黒背景の部分が気になると思いませんか。
実はこのアルバムは発売当時、初回盤のみのパッケージとして、カバーケースが付属していました。黒背景の部分は、ジーンズ模様のカバーケースで隠れて、アルバム名だけ浮かぶような形になっています。1990年代のチャゲアスのアルバムは、初回盤にカバーケースが付いていました。
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右が通常盤ジャケット
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カバーケース
今までのアルバムのカバーケースで、変わったデザインをしています。リマスター盤、ダウンロード配信では通常盤のジャケットに統一されました。実際のパッケージを見た人にしか気づかないデザインです。
☆まとめ
以上、意外と気づかないチャゲアスのジャケットにまつわる、いろんな発見でした。ブリが再び調べて、分かる限りの話をまとめました。
今回は、いろんな音楽媒体での違い、よく考えると実はこんな発見があったと気づくものがありました。意外と気づきにくいと思います。チャゲアスファンのなかには、全ての媒体をそろえて、コレクションを持っている方がいます。そんな方を見た時、ブリはその情熱とエナジーに、頭が下がります。
皆さんは、どれくらい知っていましたか。ジャケットは芸術作品なので、見る価値があります。チャゲアスファンも、コレクターも、邦楽マニアもぜひ見てください。