「Z世代は9mmを聞かない」と勘違いしていた
皆さんは、若い世代に、自分の聞いていた音楽について、話したことがありますか。ブリは話したことがあります。ブリが少年時代に聞いていた、推しバンドの曲を知っているか聞いてみました。Z世代(現在の10~25才)の少年少女、青年たちの間に、2000年代の邦楽は小さなリバイバルが起きていて、Tik Tokで使われたり、SNSインフルエンサーから知ったり、アーティストのカバー曲から知った人がいました。今も推しバンドが若い世代に愛されていると思うと、うれしく思えます。ブリの推しバンドである、9mm Parabellum Bullet(以下9mm)の楽曲が、若い世代にも聞かれていてうれしかったです。
ただ、最近は非常に気になることがあります。Z世代の方々に厳しく言う話になりますが、ブリから言いたいことがあるので、書きました。
最近はZ世代に対する失望感があります。なぜなら、SNS上で起きている、飲食店でのいたずら動画が広まっていて、Z世代の無責任さを見て、本気で喝を入れたくなりました。インターネットなる手段をもて遊んで、ふざけている様子を見て、ちゃんとしてほしいと突っこみたくなりました。ブリは、SNSで「Z世代お断り」と、SNSをきちんと使えない人間と関わりたくないと、思うようになりました。
ブリが時々抱える、Z世代への不満が以前からありました。ある日、ブリの推しバンドである9mmの話を、若い邦楽ファンに話しました。すると、「バンド名から"ロック"って感じで、なつかしい感じがある」と言っただけで、ちゃんと聞いてくれませんでした。ブリは、ここまで話して、先へ知ろうとしない、消極的な姿勢にあきれてしまいました。相手は、若いアーティストのほうへ、楽しんで行ってしまいました。9mmを聞いた感想より、そのアーティストについてはたくさん楽しそうな感想を述べていました。
もしかすると、Z世代のリスナーは楽曲をサビだけ聞いて、きちんと楽曲全体を聞いていないのでないかと、気づきました。リバイバルしていても、アーティスト全体の魅力をしっかり聞いていないのではないか、と疑いました。ブリが少年時代の時は、9mmの曲をしっかり聞いていました。決して飛ばしたりせず、歌詞を読んで、演奏をしっかり聞きこむくらい、楽曲を何回も聞いていました。一方で、Z世代の少年少女は、サビを聞いて、ただ楽曲のノリだけ掴んで、つまらないとすぐ飛ばす、ひたすら音楽を飛ばして消費していくような、軽い扱いだと思いました。ブリは、せっかちなZ世代は9mmの良さなんて分からないだろうと、複雑な気持ちになりました。きっと、ギターのエフェクターの必要性なんて分かるわけない。ただ9mmが「おもしろい」か「つまらない」かと、周りの感想を知ってから聞くという、聞こうとしない姿勢が引っこみ思案だと思いました。ロックに対して、中途半端な考えを持った若い世代が、9mmファンになってほしくないと考えました。
そんな懐疑心を持ったブリは、ある日、若い邦楽ロックファンと話しました。相手は、9mmを聞いていました。どの作品から9mmを知ったのか聞いたら、2019年に発売された、8枚目のアルバムから聞き始めたと言ってました。荒削りな若き9mmの楽曲ではなく、成熟したメンバーたちによる楽曲から聞き始めたことに驚きました。相手はどうやって9mmのことを知ったか聞いたら、「アニメ主題歌のシングル曲から知った」と言ってました。そのシングル曲から、近年のアルバムと、過去の楽曲を聞くようになったと語っていました。ブリは気になることを聞きました。「どうして若いアーティストより、中堅アーティストの楽曲を好んでいるのか」と。すると相手はこう答えました。
「自分と同世代のアーティストは好みじゃない。似たり寄ったりで、聞きたくない。ギターロックが聞きたくて、9mmを聞いて、良いと思ったから。自分より年上の9mmメンバーを見て、年齢より若く見える雰囲気に驚いた。演奏がかっこ良くて、楽曲も好きだ」と。
ブリはこの理由を聞いて、懐疑心が解けてきました。世代に関係なく、邦楽ロックが好きな人がいると気づきました。音楽の好みは、誰にでもあって、「Z世代だから若いアーティストが好き」と思う人ばかりではないと、思いました。音楽の好みは世代問わず、誰でも違い、同じ好みを選んでいるわけではないです。周りの意見をうかがうのではなく、きちんと自分で好きなものは好きだと直感で選ぶ人がいたと、気づきました。
どうして若いリスナーは9mmに関心を持たないのか考えたら、「知らないから楽しめない」か、「ロックは苦手だから」か、「今聞くと古臭い邦楽ロックだから」かと考えました。今日のインターネットで、すぐに過去のアーティストが聞けるようになった世界で、どうして若いリスナーは過去のアーティストに関心を持ってくれないのか。
考えていくなか、ブリの少年時代の音楽の聞き方を思い出していきました。少年時代のブリは、邦楽ロックについて、どう聞けばいいか、さっぱり分かりませんでした。どのアーティストを聞けばいいか、音楽雑誌を読んでも、選択肢がありすぎて、全く好みの方向がつかめませんでした。9mmを音楽番組で初めて聞いた時は、「メタルやパンクとかわけ分からない話だけど、かっこいいバンドだ」と思っただけでした。次第に邦楽ロックを知って、演奏の聞き方、ジャンルの特徴を理解して、ようやく9mmの良さが分かって、さらに楽しくなりました。今は、いろんなジャンルの邦楽ロックが大好きなファンになりました。ちなみに、他の邦楽ファンに9mmをすすめてみましたが、知り合いは「ボーカリストの顔が怖くて好きになれない」と言って、聞いてくれませんでした。
少年少女は人生経験がまだ浅く、ただ直感的に好きだと思った音楽をひたすらあさるしかない状況です。ある日、好きな音楽に出会って、夢中になって、大人になっても、好みの音楽となり、ずっと聞いていくと思います。Tik Tokでただ音楽を飛ばして聞くのは、ひたすら音楽をあさっている聞き方です。ある日突然、好きになった音楽を飛ばさずに、自然と長く、聞いていくと思います。
9mm自身は、メンバーより若い世代のファンについて、あまり言及はしていませんが、「自分たちの楽曲が、たくさんの人に聞いてもらえればうれしい」と、デビュー当時から考えています。かつて、9mmメンバーが若かった頃は、少年少女や大学生の観客が多くて、「邦楽ロックはなんとなく分かる程度だけど、バンドがかっこいいから好き」という動機で、ファンになった方が多いと思います。そんな観客たちは、今では社会人になり、空いた時間にライブコンサートに行きます。なかには、自分の子供にかつて好きだったバンドをすすめている人もいます。たとえ9mmがプロモーションに力をそこまで入れなくても、不思議と楽曲が拡散していきます。たまに、若いアーティストの紹介で9mmが取り上げられると、MVの再生数が少し上昇します。どうやってリバイバルするか、分からないものです。
決して、Z世代は浅い思考を持った人ばかりではありません。いたずらをする人間はごく一部で、きちんとした人もいます。まだ人生経験が浅い少年少女、青年たちを仲間外れにしないでください。音楽をしっかり楽しみたい人だっています。きっと、この世界に9mmを聞いている若いリスナーがいると思います。もはやインターネットは、日本国内だけではなく、海外へ広まっています。海外に広まるなら、いたずら動画ではなく、素敵な音楽が拡散されてほしいです。
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