ひよこくんの大冒険#0002
前回のお話は、こちら
【ひよこくんの大冒険#0002】
ご依頼者様の許可を得ましたので、第2話もストーリーを公開します
【登場人物】
★ひよこ(勇者)
魔王を倒すと人間に戻り、
向井しょういちとなる。
★にわとりさん
初めてよった町の宿屋の主で、魔王と会うステージまで、なんやかんやと、ひよこを助ける。
★たまごちゃん
魔王に誘拐された宿屋の娘
(のちにひよこの恋人)
魔王に見初められ、誘拐される。宿屋の主の娘。
しっかりしてるようだが、癒やし系。案外抜けてる。
助けたあと、ひよこと恋人になる。
★道具屋の剣(つるぎ)さん
ひよこ達がはじめて道具を調達した店。
魔王を倒すまでに行く途中の町にある道具屋も、剣(つるぎ)さんの支店。
そのため、剣(つるぎ)さんから、もらった手紙を見せると、勇者価格で安く買える
★最近町にできた紅茶屋の紅茶さん
最近町にできた
WOLFMOONTEA(ウルフ・ムーン・ティー)の店主
彼女の繊細な感覚と舌で選びぬかれた茶葉から淹れる紅茶は極上。
店内もシンプルでセンスがいい。
★語り手:長老的な長年暮らしてる人
★物語を聴く人:子ども
【前回の終わりの4行】
気をつけて行くんだよ。
という言葉と共に、魔王に勝利の願掛けをしといたといい、
とても貴重なお守りをもらった。
そして、それを胸にしまいながら、ひよこは「たまごちゃん救出の旅」にでかけた。
それでそれで?
それでどうなったの?
まぁ。焦るな。焦るな。
だって~。
わかっとるわかっとる。
儂(わし)も君たちぐらいの時、早く知りたくて
同じように急かした(せかした)からなぁ。
だったらはやく!!!
わかったわかった。それじゃぁ話そうかのぉ。
うん!
ひよこたちは、宿屋のにわとりさんに言われたとおりに、
町を離れる前に剣(つるぎ)さんの道具屋で、武器を購入した。
そして、それを装着すると、「ただのひよこ」でなく「勇者ひよこ」になった。
まだ、仲間を見つけることもできておらず、不安でいっぱいだけど、
それでも「勇者っぽい恰好(かっこう)」をするだけで、力が湧いてきて、
「自分ならできる」という気持ちになった。
剣(つるぎ)さんも、ひよこくんのその姿を見て満足そうだった。
そして、お会計の時に、剣(つるぎ)さんが、これを持っていきなさいと
なにやら手紙のようなものと、少しのお金と薬草をくれた。
その好意におどろきつつも、お礼をいい、離れようとすると
剣(つるぎ)さんが、こういってくれた。
ひよこくん、さっき渡した手紙をね「ボクの支店(道具屋つるぎの支店)」に持っていきなさい。そうするとちょっとお得に買えるから。
そう言ってくれた。
するとひよこは、すごく驚きつつもこれ以上ないぐらいの感謝を伝えた。
すると、剣(つるぎ)さんは、すごく照れながら、
こんなに喜んでくれるとはボクも嬉しいよ。
さぁ。行っておいで。
そして「たまごちゃん」を助けておくれ。
これは、きみにしかできないことなんだ。
だから自信を持って進んでくれ。
そして、道に迷ったり、疲れたら
WOLFMOONTEA(ウルフ・ムーン・ティー)という紅茶屋(茶葉の販売もしているカフェ)に行きなさい。
そして、そこでおいしいケーキとおいしい紅茶を味わったあと、
彼女と会話をしてごらん。
すると彼女の穏やかな空気と癒しボイスに包まれると思う。
しかも彼女は本が好きな子だから、いろんな事を知っている。
だから何気ない会話の中にも「ヒント」や「気づき」がきっとあるから、
癒されつつも注意深く話を聴いてごらん。
するときっと光が差すから。
わかりました。剣(つるぎ)さん、なにからなにまでありがとうございます。
必ず救い出して戻ってきます。
だから信じて待っていてくださいね。
そう言い残し、ひよこは店を出た。
その姿は、全くの別人と思うほど凛々しく、頼りがいがあり、堂々としていた。
そして、それを見た人々は、若かりし日の剣(つるぎ)さんとそっくりだと口々にいい、
この子ならきっと救出してくれる。町がまた豊かになると言っていた。
それは、嬉しくもあり、恥ずかしくもあったが、期待に応えようと
ひよこはまた一歩、歩みを進めた。
【関連】
ひよこくんの大冒険#0001
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