【台本】越前リョーマと手塚国光と跡部景吾と菊丸英二が合コンに行ったら。
【登場人物】
越前リョーマ
手塚国光
跡部景吾
菊丸英二
すみれ
ゆい
あさみ
愛
〜ここから〜
リョーマ:手塚先輩、今日の合コンどうですか?
手塚:「油断せずに行こう。」
跡部:・・・
菊丸:今日は、どんな子がくるのかな〜。
リョーマ:俺、きょう来た子、全員惚れさせます!
先輩、脇役になってしまい、すみませんね。先に謝っときます。
手塚:「油断せずに行こう。」
リョーマ:わかってますって。
大丈夫。大丈夫。
このリョーマさまに、惚れない女がいたら、会ってみたいわ。
すみれ:いるわよ。ここに。
リョーマ:あっ。すみれ。
なんでお前がいるんだよ。
すみれ:なんでとは、ご挨拶ね。
今回の合コンは、あたしの友達、
ゆいの主催(幹事でもオッケー)だからね。
それに…。頼まれたのよ。
頭数揃えたいから、来てくれって。
リョーマ:なるほどな……。
しかし、やりずれーな。
お前(すみれ)がいるとなると。
すみれ:なんで?
リョーマ:お前、余計なこというから。
すみれ:言わないわよ。ただ、悲しませるようなことはしないでね。
今日来る子はみんな、私の大事な大事なともだちなんだからね。
リョーマ:はいはい。わかりました。
跡部:おい。リョーマ。そろそろだぞ。
(すみれの存在に気づき)
おや?そちらの…お美しい方は?
リョーマ:(わらう)お美しいだって?
すみれが?笑わせるなよ。
跡部:いや。普通に美しいぞ。
手塚:ああ。美しい。
菊丸:うんうん。かわいい。
すみれ:(照れる)
ゆい:ちょっとー。何そっちで盛り上がってんのよ〜。
すみれ、抜け駆けはダメだからね〜。
あさみ:そうそう。すみれは、いるでしょ?素敵な彼氏様が。
愛:ねー。
すみれ:はいはい。邪魔はしませんよ。
私は、頭数揃えるためだけに来てますから。
美しい人形として存在してるだけってことでよくてよ。
リョーマ:かー。自分で言うか?
美しい人形って。
他人が言うならともかく……。
すみれ:あら。いいじゃない。
事実なんだから。美しいのは。
ゆい:・・・
あさみ:・・・
愛:・・・
(長い間をおいて)
ゆい:さすが!すみれさん。
かっこいい!!
すみれ:あら。ゆい。ありがとう。
わかってくれて、うれしいわ。
みなさん、こちら、「ゆい」ちゃんて
いいますの。
とてもいい子よ。話してみたら?
あさみ:あー。ゆい。ずるーい。
すみれ先輩、私のこともおすすめしてください。
愛:ほんとー。わたしも。
すみれ:はいはい。
みなさん、今日はあたりですよ。
こんなにかわいい子、きれいな子が
なんとフリー。恋人いないんです!
ぜひ、口説いてあげてね。
では、私はそろそろ美しい人形に戻りますわね。
(すみれ以外全員)はーい。
(わいわいガヤガヤ)
ゆい:さて……。そろそろ21時になるよ。お開きにしよ?
(男性陣とあさみと愛が)
えーっ。
ゆい:なに?足りないの?
(男性陣とあさみと愛が)
うん!
ゆい:そっかぁ。どうしようっか。
すみれ先輩、どうしましょう?
すみれ:どうしましょう?っていわれてもね……。
ただ、私はもう帰るけど?
ゆい:えっ?帰っちゃうんですか?
すみれ:うん。
ゆい:……。心細いです……。
すみれ:だいじょうぶ。だいじょうぶ。
ちゃんと、できてるから。
みんな、ゆいのことフォローしてあげてね。
(すみれ以外全員)はーい。
すみれ:じゃあ。またね。
(すみれ以外全員)すみれさん、お疲れ様でしたぁ。
すみれ:(振り返らず、手を振りながら男前なカッコいい感じで去る)
ゆい:さて。どうしよっか?
菊丸:カラオケどうっすか?
(菊丸以外全員)いいね〜。
菊丸:でしょ?
じゃあ。そうしましょうよ。
(グーグルで近くて安いカラオケ屋を検索)
菊丸:あっ。見つかりました!
ここどうですか?
女性の評判もいいみたいです!
(菊丸以外全員)おおーーー!!
いいじゃん!!
リョーマ:(チッ。菊丸のやつ……。)
まっ。いいんじゃね?悪くなさそうだな。
菊丸:おっ!モテモテで困りすぎてる
リョーマさんに、「悪くなさそう」もらえたなら、これは、大丈夫だな。
よし、行こう。
跡部:・・・
(あさみと愛ふたりでひそひそ)
あさみ:ねぇねぇ。跡部さんって、あまり話さないね?
愛:だね。
あさみ:タイプの子いなかったのかな?
愛:うーん……。どうなんだろ?
なに?あさみ、跡部さん(景吾さんでもオッケー)狙い?
あさみ:……。うん。無口だけど、なんか俺様系の香りがするのよ。
愛:あー。たしかにね。
そっかぁ。たしかに、あさみは、俺様系の男がすきだもんね。
じゃあ…。私は、手塚先輩狙いで。
ゆい:えー。私も手塚先輩にしようかと思ってたのに〜。
愛:へ?あなた、リョーマくん狙いじゃなかったの?めちゃくちゃ仲良くなってたでしょ?
ゆい:違いますよー。たしかに、
リョーマさんとは楽しくお話してましたけど……。
なんかね……。恋人にって感じではないんですよねー。弟?みたいな。
愛:弟って…。たいして年齢(読み:とし)変わらないでしょ?
ゆい:まあね。でもそうなのよ。
あさみ:なるほど。じゃあ、菊丸くんは?菊丸くんとも仲良く話してたじゃん。
ゆい:あー。うん…。
(あさみと愛、察する)
あさみ:オッケー。わかった。
愛:わかった。
愛:だけど、困ったなぁ。
私、勝ち負けとか、
誰かと競うとかそういうの苦手。
しかも、その倒さなきゃいけない相手が「ゆい」だなんて!
ゆい:じゃあ。譲れば(ゆずれば)いいじゃん。
私に手塚先輩。
愛:それはイヤ。
ゆい:じゃあやるしかないよね。
手塚先輩を落とせるのは、私(ゆい)なのか、愛なのか。
ゆい:わたし……。負けないんだから!!
愛:私だって!!
ゆい:(不敵なそして、勝利を確信してるような笑み)ふふふ。たのしみにしてるわ。愛さん。
(そういうと、ゆいは、さっそく手塚先輩のところにいって、全力で落としにかかっていた。
その、あまりに露骨な「女」を使った口説き方に、吐き気をも催し(もよおし)
化粧室へ。すると、ばったり手塚と鉢合わせる。)
愛:(真っ赤になりながら)
あっ……。こ、こんにちは。
手塚:こんにちは。
たしか……。愛ちゃんだったかな?
愛:は、はい。
手塚:ボク、手塚です。手塚国光です。
青学出身です。テニスしてました。
愛:はい。知ってます。
私、テニスは、見る専門ですけど、
手塚さんの、出た試合は全部見てます。
手塚:(照れながら笑う)ははっ。それは、どーも。ということは、
青学が出場した大会は、もれなく見てる。そういうことだね?
愛:はい!なので、今日、手塚さんがいてめちゃくちゃうれしいです!
でも……。手塚さんは、ゆいとかあさみとかみたいな子が好きなんでしょ?
手塚:いいや。たしかに、ゆいくんは、
ボクのこと気に入ってくれて、かなり積極的にアプローチしてくれてるけど、
そうされるほど、引くんだよね……。
だから、いま、逃げてきたの(笑)
愛:なるほど(笑)
たしかに、ゆいかなり積極的にアプローチしてましたね。
手塚:ああ。参るよ。
愛:じゃあ。あまり「ぐいぐい」いってない、あさみは?
あさみもかわいいと思うけどなぁ。
手塚:・・・
なんで、きみは、友達をすすめる?
愛:え?
手塚:(少し焦れた(じれた)感じで)
なんで、自分をアピールしないんだって言ってんだよ!
愛:だって…だって…。
わたしは、ゆいやあさみや、(帰っちゃったけど)すみれ先輩みたいに魅力的じゃないから……。
「好き」だなんて言われたら、
相手の方、困るでしょ?
だから……。
手塚:・・・
手塚:(照れながら)す、少なくとも……。お、俺は困らないぞ?
さ、参考までにな。
愛:ほ、ほんとですか?
手塚:あ、ああ。
愛:じゃあ。あの。その……。
手塚:ああ。いいよ。
ふたりで抜けよう。
そして、これからずっとふたりでいようね。
愛:はい!
手塚:ありがとう。
愛:こちらこそ!
わぁ。なんか、夢みたい。
愛:ゆめじゃないよね?
手塚:(クスクス笑いながら)
夢かどうかこうしたら、わかるよ?
といいながら、そっと顔を近づけてきた。
そして、それを避ける隙もなく…いや。
避ける気はなく、受け入れた。
それはとても、甘くて酸っぱくてちょっぴり悪いことしてるような……。
そんな味がした。
ふたりの物語は、いま、はじまったばかりだ。
【完】