【秘密のデート】
こうなるのわかっていたよな?
むしろ期待していたんじゃないのか?
ち、ちがいます!!
私はただ…。
ただ?なんだ?
資料室で話があるって仰ったので…。
そうか。
でも変だと思わなかったのか?
資料室には、テーブルも椅子もないのは知っているだろ?
本当に話をするとしたら、
ちゃんと座れるところにすると思わないか?
聞かれたくない話だとしても、
他にも鍵をかけて話せる場所はあるからな。
それぐらいのことは、きみも分かっているはずだよね?
つまり、僕がなんの用できみを呼んでいるかは
想像がついていたよね?
なのに来たってことは…。
いいんだよね?
(真っ赤になりながら)
は、はい…。
クリエイティブ課に配属されてから、
〇〇先輩のことが好きになりました。
最初は、先輩の書くコピーが好きだった。
文章が好きだっただけでした。
けれど、知らぬ間に先輩を好きになっていました。
全然タイプじゃないから、
安心して色々相談できていないのに。
なのに…。先輩の姿を見れないと悲しくなる。
先輩の声が聴こえないと落ち着かない。
誰かと楽しそうにしていると、胸が締めつけられる。
でも、これは恋じゃないと思いたかった。
先輩には気づかれてないと思いたかった。
けれど、やっぱりバレていたんですね…。
あたしが、先輩としてだけでなく、ひとりの男性として見ていること。
そして、この苦しい恋が、仕事に影響していることも。
わかってます。
客観的にですよね。
けれど、先輩それは無理です。
クールビューティで売ってきましたけど、
実は私、結構情熱的です。
ですから覚悟なさってくださいね。
いい恋は女を美しくさせます。
悲しい恋は、繊細な心の動きを理解することに役立ちます。
つまり、私が恋するのは「クリエイティブ」の才能を
開花させるためには必要なことなんです。
ですから、いま「先輩」を夢中に察せているものがあったとしても、
大事な女性(ひと)がいたとしてもかまいません。
私をこの道にこの業界に引き込んだのは
他でもない先輩なのですから。
私は、先輩にあこがれてこの業界に来ました。
力強くて繊細で、まるで美しい水がカラダに
すーっと沁みこむようなあの感じ。
はじめてみるのに、どこかなつかしい感じ。
引き出しの多さ。意外性と納得感。
読者を退屈させない工夫。
読者に負担を書けない工夫。
仲間への配慮と気遣い。
常にチャレンジャーであり続ける姿勢。
その姿、生きざまに惚れました。
けれど、まさかそれが恋だとは
私も思っていませんでした。
だから、自分の気持ちに気づいてしまった時、
テンパりました。
素直になれない自分がいました。
このまま仕舞い込んで「なかったこと」に
しようともなんどもなんども思いました。
でも、ムリでした。
魂がそれを許してくれませんでした。
カラダが切り刻まれそうでした。
それでも、反抗しようとしました。
素直になったら先輩を困らせるからと。
ですが、ダメでした。
とても忘れられそうにないんです。
忘れるには、あまりにも大きくなりすぎてしまいました。
夢中になりすぎてしまいました。
重症です。
治る見込みはありません。
先輩が愛してくれない限り。
先輩…。私じゃダメなんですか?
好きなんです。先輩のものになりたいんです。
だから今日、ここに来ました。
きっかけなんてなんでもいいから。
ずっと先輩の横にいられるなら。
なんだってするわ。
だから先輩…。いいですよ。
秘密のデートしましょうよ。
いま、ここで。
課外授業お願いします。。
先輩。
ずっとずっと好きでした。
はじめましてたかはしあやと申します。 記事作成・キャッチコピー・タイトル付けを 生業としておりますが このままだと止めないと いけなくなるかもという位 金銭的に困っていますので、 サポートをしてもらえると 泣いて喜びます。 どうぞよろしくお願い致します。