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【レビュー】中判写ルンです Voigtlander HELIAR 40mm F2.8(沈胴)をGFXで使う


はじめに

Voigtlander HELIAR 40mm F2.8 Asphericalは、2014年10月26日に株式会社コシナから発売されたVMマウント(ライカMマウント互換)の沈胴式レンズです。

私は本レンズを2024年の2月に購入しました。本記事では、その機能に触れつつ、外観やGFXに装着して撮影した写真を紹介します。

以下はメーカー公式へのリンクです。

本レンズはちょっと変わっていて、単独ではフォーカス機構を持ちません。

同社のVM-E Close Focus Adapterなどのヘリコイド付きマウントアダプターを介することによって初めてピントを調節できます。

※本記事のAmazonへのリンクはアフィリエイトです

記事執筆時点ではヘリコイドを備えたライカM→富士フィルムGマウント向けマウントアダプターが存在しないため、GFXでは無限遠固定となります(2024年5月2日現在)。

また、本レンズは沈胴機能を持つものと持たないもので同名のものが2種類ありますが、レンズ構成に変わりはなさそうに見えます。

いずれも伝統的なレンズ構成をベースとしつつ、非球面レンズの使用など最新の光学設計が取り入れられています。

・2022年発売の新型(参考)

※但し書き※

上記のコシナの商品ページには以下のような但し書きがあります。

*本製品は、VM-E Close Focus Adapter専用レンズです。その他のカメラ/アダプターに装着した場合による、カメラ/アダプター/レンズの故障・事故等につきましては保証対象外となり当社では一切の責任を負いかねますのでご注意ください。 また、他社製マウントアダプターとの組み合わせによる、カメラ/アダプター/レンズの故障・事故等につきましても保証対象外となりますのでご注意ください。

https://www.cosina.co.jp/voigtlander/accessories/heliar-40mm-f2-8/

本noteを読んでやってみたら故障した、といった場合にも一切の責任を負いかねます。くれぐれも真似されぬよう……

外観・使用感

以下に外観の写真を示します。

恐らく、GFXでケラれない35mm判用レンズとして最小ではないでしょうか。

沈胴した状態のレンズはグリップよりも短くなります。

クラシカルなGFX 50Sとは、レンズのマッチングも良好に思います。

レンズを伸ばして撮影。最高の質感です。
まるで桐箪笥のような沈胴の動作にうっとり。

専用フードおよびキャップが2種類付属し、気分によって付け替えることができます。
いずれも37mm径のねじ込み式フードです。

フジツボ型フードはカメラをコンパクトに持ち運びたいときに便利です。
私は普段こちらを装着しています。フードによるケラれはありません。

ニッケル仕上げのフードはカメラをドレスアップできます。
格好良くしたいときはこちらを装着しておきましょう。

GFXでの使用時はフードによって多少ケラれが発生します。
でも格好良いので良いのです。

絞り毎の描写の変化

絞りを段階的に絞った際の描写について、中心部を等倍に拡大した画像とともに以下に示します。
ボディはGFX 50S、ISO100、カラーモードはスタンダードで、補正などは特にしていません。

※展望台から撮影したため、ガラスを挟んでおり多少の画質劣化があります。その点を差し引いてご覧ください

F2.8(開放)

F2.8

顕著な周辺減光がありますが、ケラれているわけではありません。

F4

F4

F5.6

F5.6

F8

F8

周辺減光は絞ることである程度改善しますが、代わりに絞り羽でケラれます。

F11

F11

F11が最高の描写に見えます

F16

F16

F22

F22

F22では回折の影響が見られ、解像力が低下します。

解像力を求める場合はF11、周辺減光と解像力のバランスを求めるならF5.6に絞るとよいかと思います。もちろん開放も楽しいです。

撮影した写真

撮影した写真を以下に示します。画質の参考になれば幸いです。

GFXという、フランジバックの短い44*33mmのセンサー機で使用しているためか、開放では特に画面内の光量差が大きくメリハリのある描写になります。

開放で虹色のフレアが発生し、ピント面は滲みます。

どこまでも楽しいレンズです。

前ボケはぐるぐるした印象です(GFXにおいて)。
今回の使途ではすべてのボケは前ボケになります。

周辺は盛大に流れるものの、中心部は絞ることで解像力を増します。
このように、絞りによる描写の変化を楽しむことができます。

もっとご覧になりたい方はこちらも是非。

まとめ

本記事では、Voigtlander HELIAR 40mm F2.8 Asphericalを、外観や実際に撮影した写真とともに紹介しました。

山椒は小粒でもぴりりと辛いという言葉がぴったりの、外観も機能も描写も特徴的な楽しいレンズだと感じました。

先述のとおり極めて小型軽量なため、スナップに好適です。
また、ライカMマウントと互換性があるため、GFXのみならず様々なカメラボディで活躍してくれることでしょう。

(おしまい)

こちらは真鍮にブラックペイント。フォーカスリングも搭載しています。どちらにするかかなり迷いました。


GFXで使用する場合はライカM→富士フィルムGマウントアダプターが必要です。新しく買うなら着脱しやすいこちらが良さそう。


アダプターを購入したことでSIGMA fpでも使えるようになりました。装着時の外観について以下でレビュー済です。ロマンあふれる外観といえます。


(2024/06/07追記)
焦点工房が試作品のM-Gマウントアダプターについて投稿していました。

驚くべきことにヘリコイドが内蔵されています

つまり、これを使えば本記事で紹介したフォーカス調整機構を持たないHELIAR 40mm F2.8(沈胴)でピント合わせが行えるようになります。

製品化を首を長くして待とうと思います。そうしたら、タイトルの「写ルンです」というのは取らなくてはなりませんね。

(追追記)

インターネットを散歩していたらヘリコイド付のアダプターを発見しました。
かなり欲しいですが4万円。。。
M-Lの同様のアダプターが2.6万円であることを考えると、さほどおかしくはありません。いやあ、どうしましょう。

(追記終わり)

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