印象に残った生徒さん2
前回に引き続き、私が社会人の方への資格取得をお手伝いするなかで、出会った生徒さんのお話です。
Tさんは、長年お勤めされた仕事を定年により退職され再就職までの期間を利用し、当塾の簿記コースを受講されました。
「一度、日商簿記3級に挑戦したのですが、不合格でした。やはり先生についた方が良いかと思いまして」というのが、通塾の理由でした。
指導してみると、真面目できちんと自宅で復習するのはもちろんのこと、問題もどんどんこなし、あっという間に日商簿記3級に合格されました。「先生のおかげです」と仰っていただきましたが、ご本人の努力の成果であったことは自明でした。
再就職先では、簿記資格を取得したことが認められ、経理事務も任されるようになりました。その後、更なるスキルアップを志し、建設業経理士2級に挑戦することになりました。
今度はお仕事をしながらの資格取得への挑戦です。
再就職先での仕事を覚えながらの勉強は大変そうでした。
しかも、これまで日商3級にはなかった原価計算などに当初は苦戦をされていました。
しかし、これまでと同様に真面目にコツコツ勉強し、教えている側としては「十分な仕上がりだな」と感じるまでになりました。
この9月に受験されましたので、まだ合否は出ていませんが、自己採点では80点台後半と予想され、この検定の合格点が70点であることを考えると、合格はほぼ確実と私は判断しています。
中高年の生徒さんからは「若いころのように覚えられるか不安です」「この齢で資格がとれるのか自信がないです」といった声が聞かれることが、よくあります。
これに対しては「新しいことに挑戦するのに"今、この瞬間が一番若い"と思ってください」といつもお答えしておりますが、私の感覚では若い方と中高年の方とで合格率が大きく違うことはありません。
社会人教育20年の経験から、資格取得に成功するためには年齢は関係なく「継続してコツコツ続ける力」や「新しいことを覚えることを楽しいと思える感性」が大きなファクターだと考えております。
Tさんにも「簿記・会計を覚えることが、こんなに楽しいとは思いませんでした」と仰っていました。
新しいことを知ることや学ぶことは、脳や心に新しい風を入れることだと私は考えています。朝一番に換気をすると何だか気分がよくなるように、新しい知識や経験を自分の中に取り込むことは、とても気持ち良いですよ。皆さんも「新しい学び」に一緒にチャレンジしてみませんか。