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映画「麻てらす よりひめ岩戸開き物語」
日本古来から神事や衣服、建築など、日本人の生活の様々な場面で活かされてきた麻は、戦後生産量が激減し、今では親しむ機会もなくなってしまった。
麻は、塩でも水でも清められないものを祓う植物であると言われ、伊勢神宮の神事に使われ、綿が普及しない時代には、女たちが糸からより上げて布を織り、家族のための服を作った。
ドキュメンタリー映画「麻てらす」(吉岡敏朗監督)では、麻文化を継承し伝えようと糸を紡ぐ「よりひめ」たちの活動を中心に、日本各地でひっそりと眠っていた麻の歴史に光を当てている。
織物がたて糸とよこ糸で織られていくように、麻がつなぐ人の縁は、地域を超えて繋がり、生命と共に次世代へ伝えられていく。
植物から繊維へ、繊維から糸へ、糸から布へ。
多くの人々の手を介して、想いが込められた布に命が宿るという言葉は、手軽で便利が当たり前の現代に生きる私たちに、沢山のメッセージを与えてくれるものだと思う。