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今日も元気に暴れているあなたへ

愛犬が亡くなる少し前、夫ととある神社に行った。
その際、私は「愛犬が元気になりますように。もっと一緒にいられますように」とお願いしていたが、隣で夫は「赤ちゃんが来てくれますように」とお願いしていたらしい。

実は結婚してやっと生活基盤が出来たくらいのときに、第一子の傾向があったのだが、残念ながら初期流産をしてしまった。
大きい病院で見てもらったときにはもう残念ながら、と言われてしまい、悲しみに明け暮れる暇もなく年末を迎え、愛犬の体調が悪い知らせを聞いてそれどころではなくなっていた。

三代目の愛犬は、一代目二代目に比べるととてもやんちゃな女の子だった。
おもちゃは全部自分のもの! みんな私を見て! 大好き! みたいに、普通犬って一番を決めるものなのに、三代目に至っては父母私をその時の気分で一番で決めてる節があった。

夫と結婚後も夫にやきもちを焼いたりしていたが、最終的には美味しいものをくれる人! と認識したのか、夫の足やお腹にどーんと当たって尻尾を振っていた。

三代目愛犬は足が悪いのに、ジャンプをよくしては人のお腹や足に当たってきていた。
少しでも顔を見たいのか、でも抱っこは苦手だった。


なんでそんなことを思い出すのかと思ったけれど、お腹の子が女の子だとほぼ確実に言われたときから、「三代目かもしれない」と思ったし、最近そんな気がしてならなくなったからだ。

今書きながら涙が溢れて来るが、お腹の中でびっくりするぐらい暴れている。
これが普通の胎動だと思われるかもしれないけれど、愛犬がこの世を去った時期とお腹の子が来た時期がほぼ一致していたので、「もしかして神様が私達のお願いを合わせちゃったのかもね」と夫と笑ってた。

そして、昨夜、気圧のせいなのか臨月に入ったからなのか、将来の不安や子育て本当にできるのかなどブルーになってなかなか寝付けずにいて朝を迎えた。
朝を迎えてからやっと眠れた2時間の間に、ふわふわの何かがお腹に触れる夢を見た。

愛犬だったのかな。姿形はわからなかった。

でも今、愛犬と同じくらいの大きさの我が子がお腹にいる。胎盤や羊水差し引けば、同じくらいの重さ。

ふわふわしていた。毛布、だったのかもしれないけれど。

なので意を決して、忘れないように今記事を書いてるけど、もしそうならもっと君と遊びたかった。
赤ちゃんになって帰って来てくれたのも嬉しいけれど、ふわふわの君をもっと抱きしめたかった。
つるつるでぷにぷにで、お腹で暴れまわってる君はもう前の君じゃないかもだけど、嬉しいけど。

私が家を出るときに母と君をおいていくのだけが心配だったから、私が家を出たから、と落ち込んでいたから放っておけなかったのかなと思うと涙が止まらなくなってしまった。

無事に生まれてほしいと思う。
今度は、私よりずっと長生きしてねと思う。

お腹の上で暴れてた君へ。
お腹の中でも暴れて、痛みで泣いちゃうときもあるけど、元気なら十分です。

大好きです。私より。


ちなみに愛犬の名前は、『がんもどき』から取って『がんも』という洋風な犬につけるのが正しいのかわからない和風な名前だった。
がんもどきの由来が雁という鳥と少し前に知り、調べてみると雁が渡り鳥で、日本には9月から11月にかけてやってくると聞いて、ちょうど今来てるのかと思えば臨月である赤子とも接点が少し出来てしまうなと泣き笑いをしている。


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