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【ダウンロードOK】フリーランスWebデザイナーの契約書を作ってみた

フリーランスとして活動を始めるなら、まず考えておきたいのは契約書。

自分を守るためだけでなく、クライアントさんと気持ちよく仕事をするためにも契約書は大切。たとえば「報酬未払い」や「損害賠償」なんてトラブルが起きたら最悪ですよね。人生が変わっちゃうレベルの問題にもなりかねません。

だからこそ、契約書をあらかじめ準備しておくと安心感が違います

というわけで、私も思い切って自分用の契約書を作ってみました!
せっかく作ったので、これから活動を始める方にも役立ててもらえたらと思い、この記事を書いています。契約書のサンプルもダウンロードできるようにしてあるので、よかったら活用してください!

今回の契約書は、ネットで公開されている制作会社さんのものや、クリエイター専門の弁護士さんが紹介している例を参考にしつつ、ChatGPTにも助けてもらって作りました。結果、なんと23条まであるガッツリ仕様になりました!(作るの大変だった…)

また、契約書を自分で作成すると、弁護士費用を抑えられる可能性もあります。リーガルチェックなら1万円~、ゼロから作成は5万円~が相場みたいなので、コスパを考えるなら、まずは自分で作ってみるのもアリですよね?

「私はクライアントさんが契約書を用意してくれるから、自分で作らなくても大丈夫」と思う方もいるかもしれません。でも、相手が出してきた契約書を読んでみると、「え、この条件、本当に大丈夫なの?」と不安に感じる場面があるかも。本記事を読んでおくことで、そうしたリスクに気づくためのヒントを得られるはずです。

この記事が、そんな契約書に悩む皆さんのお役に立てたら嬉しいです!

「早く見せてよ!」という方は、下記からご確認ください。
記事の最後には、各条項の簡単な説明も載せていますので、最後まで読んでいただくとさらにわかりやすくなると思いますよ!

【注意事項】
この契約書は、あくまで私が自分用に作成したものです。利用する際は、できるだけ専門家によるリーガルチェックをお願いすることをおすすめします。


また、この契約書を使用して何らかのトラブルが発生しても、責任を取ることはできませんので、ご自身の判断で慎重にお使いください



そもそも、なぜ契約書を用意したのか

冒頭でも触れましたが、一番の理由は自分を守るためです。

フリーランスとして一歩を踏み出すとき、自由な働き方の裏には思わぬトラブルのリスクも潜んでいます。「報酬未払い」や「無限修正地獄」、そして曖昧な仕事範囲による「言った言わない問題」

こういった状況を想像すると、不安になりますよね。

だからこそ、事前に契約書を用意して、トラブルを防ぐ防御アイテムとして活用しようと思いました。(おまけに、シゴデキ感も出せそう!)

契約書にはどんな内容を盛り込んだか

基本項目をどのように決めたか

契約書には、「契約期間」「報酬条件」「納期」などの基本的な項目を盛り込みました。これらは、ホームページ制作会社やフリーランス協会、クリエイター専門の弁護士の方が公開している例を参考にしています。特に、初めて契約書を作る私にとっては、こうしたプロの事例がとても頼りになりました。

以下に、参考にした情報源をまとめています。

ホームページ制作会社トリアナさん

フリーランス協会「契約書メーカー」

デザイナー法務小僧さん

自分なりに工夫したポイント

初心者なりに一番気をつけたのは、「具体的な内容を書く」ことでした。例えば、途中で制作が中止された場合、「この時点まで制作が完了していたら◯%支払う」といったルールをきちんと明記しています。

こうして具体的に書いておくと、クライアントさんも条件を明確に把握できるため、「ここはちょっと調整したい」と相談しやすくなります。お互いの認識が揃うことで、後から困ることが減り、結果として安心して仕事を進められますよね!

契約書をシェアします!

契約書を大公開

それでは、お待たせしました!
私が作成した契約書はこちらです。ドン!!

赤く塗りつぶしている箇所は、案件ごとに変更が必要な部分です。
使用するときは、自分の状況に合わせて修正してくださいね。

また、不安な場合は専門家にリーガルチェックをお願いすると安心です!

契約書のご説明

各条項で記載されている内容を、簡単にご説明します。

これを参考にして、クライアントさんへの説明にも使っていただいて大丈夫です!

■第1条(目的)
この契約は、当方が依頼者様のホームページを制作するための基本的な取り決めを定めたものです。ホームページ制作を円滑に進めるためには、双方の協力が不可欠であることを確認しています。

■第2条(再委託)
当方は、必要に応じて一部の業務を信頼できる第三者に委託することがありますが、その際も最終的な責任は全て当方が負いますので、安心してお任せいただけます。

■第3条(本件業務の内容等)
ホームページのデザインや作業スケジュールは、あらかじめ合意した内容に基づいて進行します。もし業務内容を変更する必要が生じた場合は、契約に定めた手続きに従い、正式に協議のうえで対応します。

■第4条(デザイン提案の範囲)
デザイン提案は1案を基本としています。これには、事前のヒアリングやご要望をもとに、最適なデザインを考える作業が含まれています。もし別の案や追加の提案が必要な場合は、その都度ご相談の上、別途費用をいただいて対応いたします。

■第5条(デザイン工程の確定と変更制限)
デザインの進行は、都度確認いただきながら進め、最終的にご承諾いただいた段階で確定します。その後は原則としてデザイン変更はできませんが、どうしても修正が必要な場合は、追加費用や納期延長についてご相談の上で対応いたします。

■第6条(納入物の検査手続等)
完成したホームページは、納品後7日以内にご確認いただきます。その際、仕様に合致していない点があれば、期間内にお知らせいただければ、迅速に対応いたします。

■第7条(委託料の支払)
業務開始時に制作費の50%を前金としてお支払いいただき、残りの50%は納品後7日以内にお支払いいただく形になります。万が一、依頼者様の事情で納期が遅れた場合でも、支払い条件に変更はありません。

■第8条(責任)
納品物に問題が見つかった場合でも、納品後1ヶ月間は無料で修正対応いたします。この期間は保証として、修正のための追加料金は発生しません。

■第9条(資料の管理)
依頼者様から提供された資料は、厳重に管理し、業務以外の用途には使用しません。業務終了後には、速やかに返却するか、指示に従って適切に処理します。

■第10条(秘密保持義務等)
業務を通じて知り得た秘密情報は、第三者に漏らすことなく厳重に守ります。また、業務目的以外に利用することはありません。

■第11条(損害賠償)
もし当方の過失によって損害が生じた場合は、契約で定めた範囲内で責任を取ります。逆に、支払いが遅れた場合には、年利12%の遅延損害金が発生することがあります。

■第12条(不可抗力)
地震や台風などの予測不可能な出来事で契約の履行が難しくなった場合は、お互いに責任を負わず、状況の回復に協力します。

■第13条(契約の変更)
契約内容を変更する必要がある場合は、依頼者様または当方が、変更したい内容と理由を明確にし、書面やメールで申し入れます。その後、双方が合意すれば、正式に変更契約を締結します。合意が整わない場合は、現行の条件に従って作業を進めます。

■第14条(権利の帰属)
完成したホームページの著作権などの知的財産権は、当方に帰属しますが、依頼者様は契約に基づき、無期限で使用できる権利を持ちます。ただし、第三者に譲渡する場合や、権利を超えて使用する場合には、事前に当方の許可が必要です。

■第15条(第三者の権利侵害)
当方は、他者のデザインや著作物を無断で使用しないことを保証します。もし万が一、第三者の権利を侵害する問題が発生した場合は、速やかに対応し、依頼者様に損害が及ばないよう当方が責任を持ちます。

■第16条(契約解除)
相手方が契約の義務を果たさなかった場合には、違反を通知して14日以内に改善がなければ、契約を解除することができます。また、特定の重大な事由が発生した場合には、事前の通知なしに契約を解除することも可能です。

■第17条(割合的報酬)
契約が途中で終了した場合でも、すでに完了した作業の割合に応じて報酬を請求することが認められています。

■第18条(契約終了後の措置)
契約が終了した場合には、提供を受けた資料などを速やかに返却する義務があります。その際の費用は返却する側が負担します。

■第19条(誠実協議)
契約にない事項や疑義が生じた場合は、誠意を持って協議し、解決を図ることをお互いに約束します。

■第20条(合意管轄裁判所)
契約に関連する紛争が発生した場合は、原告の所在地を管轄する裁判所で対応します。ただし、いずれかが日本国外にある場合は別途協議します。

■第21条(反社会的勢力の排除)
お互いに暴力団や反社会的勢力とは関わりがないことを保証し、もしその事実が発覚した場合には、即座に契約を解除することができます。また、相手方に損害が生じた場合は、責任を負います。

■第22条(特約)
ホームページの管理や保守は依頼者様が行うことが確認されています。また、完成したホームページを当方の実績として公開することができます。納品後のサポート期間は1ヶ月間で、簡単な修正は無料対応しますが、それ以外の対応は別途ご相談とさせていただきます。

■第23条(存続規定)
契約が終了しても、秘密保持や権利の帰属など、いくつかの重要な取り決めは引き続き有効です。

また、「第6条(納入物の検査手続等)」の中に記載されている「合格通知」の例はこちらです。


件名:納品物検査合格通知
本文:
○○(納品物名)について、検査を行いました結果、本件仕様書に合致していることを確認しました。

検査合格日:YYYY年MM月DD日
担当者名:○○
記名:担当者の署名や社名(電子メールの場合は署名欄)


使用する際の注意点

冒頭でも記載しましたが大事なので2回言います。

この契約書は、あくまで私が自分用に作成したものです。利用する際は、できるだけ専門家によるリーガルチェックをお願いすることをおすすめします。


また、この契約書を使用して何らかのトラブルが発生しても、責任を取ることはできませんので、ご自身の判断で慎重にお使いください


【番外編】契約を締結するには?

「契約を締結するにはどうすればいいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。そこで、ここでは電子契約サービスを使った契約方法をご紹介します。

実は、私もまだクライアントさんと契約を締結した経験はありません。
ただ、一応テストとして自分宛てに契約の流れを確認してみたので、その模様をお伝えします!
もしクライアントさんに説明する必要がある場合は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ちなみに今回使用したのは、GMOサインという電子契約サービスです。

GMOサインを使用した契約締結の流れ

1.契約書アップロード
GMOサインにログインし、①の「契約を締結」をクリックして、②で作成した契約書をアップロードします。

2.署名依頼情報を入力
①は送信者の情報、②は署名者の情報(クライアントさん)を入力します。
③は任意です。署名された契約書をメールでもらいたいときだけ入力します。(署名された契約書はいつでも管理画面から確認できます。)

すべての入力完了後「署名位置の設定へ」をクリック

3.署名位置の設定
実際に署名していただく情報を設定していきます。
今回は委託者に署名していただく情報が必要なので、赤点線の箇所に下記情報を配置していきます。
・住所
・会社名
・氏名
・署名欄

赤枠で囲われた箇所から必要なパーツをドラッグ&ドロップで配置します。
配置が完了したら「確認画面へ」をクリックします。

4.設定内容確認
設定内容に問題がなければ「送信する」をクリックします。

5.文書一覧を確認
署名ステータスが送信先署名待ちになります。
クライアントさんが署名するとステータスが変わります。

6.【クライアント側作業】クライアントにメールが送付される
手順2の②で設定したメールアドレス宛に下記メールが届きます。

7.【クライアント側作業】契約書へ署名
手順6で届いたメールの「文書を確認する」をクリックすると下記画面が表示されるので、「署名をはじめる」をクリックします。

契約書が表示されるので、手順3で設定した箇所までスクロールします。

赤枠の部分に署名していただきます。

住所、会社名、氏名を入力し、署名をクリックします。

署名を選択する画面が表示されるので、いずれかの署名を選択して署名します。(今回は「テキストで作成」を選択)

【署名の種類】
テキストで作成:テキストを入力すると画面のような判子の形で署名
画像で作成  :すでにお持ちの画像をアップロードして署名
手書きでサイン:手書きで署名

下記のように署名されます。
問題がなければ左下の「完了する」をクリックします。

「署名手続きを完了する」をクリックします。

これで手続きが完了です。

手続き完了後、下記メールが届きます。

下記をダウンロードしてみるとちゃんと署名されています。

8.クライアントさんの署名が完了すると、文書一覧のステータスも「署名完了」に変更されます。

これで契約締結。お疲れ様でした!

さいごに

契約書を用意してみて、「これで不安がゼロになった!」と言えるわけではありません。でも、フリーランスの仲間入りをした感はちょっとだけ生まれました。

これから、この契約書を使ってお仕事を受注できるように、もっと頑張っていきます!

今後も役に立てる情報を発信していきますので、ぜひまた読みにきてください!
それでは、またね!


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