『年齢なんてただの数字』ってよく聞くけれど (「海が走るエンドロール」/たらちねジョン)
ただの数字なんかじゃねえよ、年齢とはこの白髪じみてきた頭髪だ、三階へ登る階段をクリアしたあとにあがりまくる息だ、そして酒も飲まないし1日1食なのに容赦なく突き出てくる腹だ。
年齢をいいわけに今まで何を諦めてきた? 世間の同世代よりは諦めが悪くガキみたいな心は持ち合わせているかもしれない、でも。
でも、自分の「生」がだんだんとしょぼくれていくのはわかる、小さく縮んでいるのはわかる。そうだ、ただ、今、何にでもなれる年齢の若者が眩しくて直視できず、その可能性と感受性の塊みたいな「生」で視界が真っ白になって蹲る。
何かまだあったはずだ、襟首を手首を不意に掴まれる何か。それを探せる、探すことができることの美しさをこの漫画は教えてくれる。