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「演出する名村くんはとてもキラキラしている」ーー柿丸美智恵×名村辰 特別インタビュー

ー稽古が始まってみて


安齋:稽古始まってみてどうですか?

柿丸:大変!(笑)

一同笑い

安齋:どんなところが大変ですか?

柿丸:長台詞!!

柿丸:(後ろにいた舞台監督の古屋治男さんに)長いですよね。

古屋:長いね。

柿丸:ですよね!ほらぁ~。

一同笑い

名村:かっこいいんですよ!人が長い時間しゃべり続けるって演劇以外ではありえないから。「M-1」だって4分を2人なのに。それを1人で。

安齋:でも、本当にあっという間なんですよね。いつも見てて思います。

名村:体感がね!

柿丸:そのうち長くなるから!「長いな~」って思うよ。

一同:いやいや、ならないですよ!(笑)

ーお話について


安齋:他はどうですか?ご自身のところ以外で稽古を見ていて。

柿丸:名村くんがね、すごい楽しそう。何かワクワクしてる感じがする。(演出してる時)キラキラしてる。

一同笑い

名村:たのしいですからね。

安齋:柿丸さんの役どころは?

柿丸:まあえっと、若者と年配の話なので。位置的には年配かな。年配の。それも一番年配の…年配年配って!

一同笑い

柿丸:年上、最年長という立場で(ネタバレ)という大枠の設定があって。この人が何をこの物語に残していくのかは私良くわからない(笑)

安齋:見てる中で、(木也)自身の中で柔軟さがある役柄なのかなと思っていまして。名村さん的には、木也はどんな役柄ですか?

名村:最も生感がある人。

安齋:生感というのは?

名村:結構その若者って、形態に侵されてる気がしてて。まあ若者だけじゃないんですけどそれは。そういうところではない人というか。最も人間に近い人っていうイメージ(笑)

安齋:もう少し言葉をいただいても?(笑)

名村:なんていうの、その…人という意味でいうと、価値観を流されてきた人ではあって。その価値観を、まあ「アップデート」っていうコトバが正しいのかわかんないけど。アップデートさせられているし、しようとしている人。かな。

柿丸:まあみんなそうでしょうね、世の中の人。せざるを得ないというか。

柿丸さん

ー名村さんから見た柿丸さん

安齋:名村さんから見た柿丸さんは?

名村:メッチャ素敵!

安齋:どういうところが?

柿丸:ねえねえ。

一同笑い

名村:一言でいうと、めっちゃ達者。ベテランの方々はだいたい、松本さんもそうなんですけど、おんなじ所でいつも俺、笑ってるなっていう。俺できないんですよ、それ。笑かそうと思って笑わせられないじゃん。それってめっちゃ難しいじゃん。特に台本(の中)で、ここはおそらく笑いのポイントなんだろうなってところって、僕が自分で俳優で出る時は100パー滑るんですよ。

安齋:そうなんですか?

柿丸:100パー?

名村:そう100パー。

柿丸:ダメじゃん!!笑

一同笑い

名村:でも、それってホント俺一番苦手意識がある。笑わせるってことに。自分が一生懸命やってる時に、勝手に周りが笑って「なんでこの人たち笑ってるんだろう」っていう状態はあるけど。その、狙いに行く笑いはすっごい苦手で。

柿丸:難しいですよね、それは。でも今回お笑いの方が2人もいらっしゃるので(松本さんと江原さんは以前お笑いをされていました)。舞台は大爆笑ですよ!

一同笑い

名村:(柿丸さんが)「ヒトラー~」₁の時もそこがすごい素敵だなって。コメディエンヌというか。「そうねえ」っていうセリフ(だけで)毎回笑いをとってて。でも、柿丸さん本人に稽古場で会うときは、なんか妖艶な感じもするし。影を感じるというか。

柿丸さん:アハハ!!

安齋:色気っていうんですか、艶感みたいな素敵な雰囲気がありますよね。

柿丸:聞きました古屋さん?

古屋:ごめん聞き逃したわ。

一同笑い

盛り上がるお二人

名村:B1で芝居やってたじゃないですか、去年。

柿丸:あぁ~!「コットーネ」₂ね。

名村:はい。で、割とシリアスな雰囲気で。

柿丸:あれもねぇ、辛かったのよね。実際にあった殺人事件を(基にした題材で)、被害者のお姉ちゃん(の役)で。

名村:そうなんですよ。「タカハ」₁でご一緒だったときは、なんか割とコミカルな印象のほうが強くて。それで「コットーネ」₂みたときに、シリアスなことをしてて。どっちもこんなに出来るの?!みたいな。幅がすごくて。コミカルを知ってるから、ますます素敵な感じがしていて。で、柿丸さんとご一緒するならシリアスな方をお願いしたくて。

柿丸:そうなんだ。シリアスな方なんだ。

名村:シリアスな方でも絶対いける、というか。(笑いを取りたいシーンでも)ある程度ちゃんとしないとダメじゃん。万人に出来ることではないから。僕がまず信じれることが大事だったので。

柿丸:でも、最初の企画案は全然違いましたけどね(笑)

名村:最初に送ったのは、エチュードで。この話は劇中劇で行くんだけど、全員1人2役で、箱に閉じ込められてる人とその人たちを探す人の話を4役でやるみたいな。で、結局探す人も全員ココの人たちが演じてましたみたいな。ちょっとなんかややこしいことをしようとしてて(笑)

柿丸:なんかね。なかなか、へーどうすんだろ、エチュードはやだなあと思いながらね。

名村:でも、エチュードはやだなあって言われたの(笑)それに、書かない自分の言い訳になってるなって思った。(出演者に)エチュードさせることが。書く自信がなくて書けないって思ったから。さっきの一番最初の話に戻るけど、木也さんがどういう役どころかっていうのが、俺が一番想像を働かせて書いた人かもしれない。蛯原とかは、わりと俺が投影されてはいるけど。例えば自分の親のこととか、周りの人とか、のことを想像して生まれた人という。

話す名村さんと、それを聞く柿丸さん

ー柿丸さんから見た名村さん

柿丸:お母様に似てるんですって。

名村:あ、そうそう似てるんです。

柿丸:何が似てるかは分からないですけど…

名村:顔が!

一同笑い

名村:顔っちゅうかなんか雰囲気?しゃべり方とか。なんかこう、僕の母親っていう感じがするんです、(母は)こんなに芝居できないですけど(笑)。歳も多分同じぐらいで。

安齋:「ヒトラー~」₁の共演の話があったと思うんですけど、柿丸さんから見て俳優してる名村さんは演出してる時と違ったりしますか?

柿丸:全然違う!なんだろ、イキイキしてる(笑)

一同笑い

名村:え、どっちが?!どっちが!??(笑)

柿丸:(「ヒトラー~」₁のときは)ちょっと大変そうだった。いっぱいやることあったし。しかも年上だったし、あの(メインとなる役どころの)3人の中ではね。若者だし。なんか大変そうだなーと思いながら見てた。実際芝居も大変だったしね。

名村:大変でしたけどたのしかったですよ(笑)

安齋:じゃいまは人間的にイキイキしてるかんじ?

柿丸:そうそうそう!動物的な感じで。なんかおいしいご飯をもらった、みたいな(笑)。はしゃいでるかんじ。はしゃいでるっていうか、たのしそう、とにかく!

安齋:最後に、柿丸さんが好きな映画は?

柿丸:「Wの悲劇」!

名村:見たことないなぁ~「Wの悲劇」

柿丸:いや難しいですね、一番好きな映画(笑)。…あ、でも「アンダーグラウンド」とか好きです。なんか心地いいんですよね。まあ、また出てきたら教えます。

一同:ありがとうございました!!

ニッコリ素敵なお写真!

1.「ヒトラー~」「タカハ」…高羽彩さんによる劇団・タカハ劇団。23年「ヒトラーを画家にする話」を東京芸術劇場シアターイーストにて上演。
公式X:@takaha_gekidan
2.「コットーネ」…オフィスコットーネプロデュース。23年「磁界」を小劇場B1にて上演。公式X:@Office_Cottone

公式サイト:https://playnamu.com/

ご予約:https://www.quartet-online.net/ticket/playnamuplaysof01

namu公式X:@playnamu


聞き手・編集・写真:安齋彩音



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