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「宝さがしの冒険みたいな稽古」ーー青山美郷×名村辰 特別インタビュー

ー稽古が始まってみて

安齋:稽古始まってみてどうですか?

青山:えーなんだろう。みなさんで一緒に冒険してるみたいな感じがして。宝さがし、じゃないけど。すごく新鮮で楽しいです。

名村:苦しい道をね(笑)

青山:えっ!全然苦しくないよ!(笑)

安齋:どんなところが冒険っぽいですかね?演出?

青山:自分の役もそうですし、この作品もそうですし、いろんな要素があるから。それがどんな風にお客さんに伝わるのかなっていうのを、稽古が進む中で考えたりとか。自分の役も「なんでこの人はこういうことをいうんだろう」とか、「なんでこういう行動をとったんだろう」っていうのを考えながら。まあ、それは当たり前なんですけど(笑)

名村:どこの現場でもね(笑)

青山:どこでもそうなんですけど(笑)。それをなんていうのかな。結構、他の現場だと自分一人で考えるっていうか、ひとりっていう感覚が多いんですけど。何かわかんないけど、多分ナム君がそういう現場を作ってくれてると思うんですけど、みんなで考えていく、皆で想像力を出し合って、というように思います。

安齋:椎名は青山さんから見てどんなキャラクターですか?

名村:きになる…たしかに(小声)

青山:最初読んだときは、正直「あぁナム君(私のこと)よく見てるなぁ」とか言ってたんですよ。

安齋:それはご自身に近しいということですかね?

青山:かなと思ったんですけど、やればやるほど、どんどん「あれっ違う!?」みたいな(笑)

名村:ふつう逆だけど!(笑)

一同笑い

青山:私、女性のお友達がすごい少ないタイプなんですよ。それはなぜだろうっていうので、結構、武道をやってたりとかスポーツをすごくやって育ってきたから。努力とか、根性、忍耐みたいな。そっちが自分の中で当たり前で。何か起こったとしてもそれは自分がつくりだしたんだし、学びのために起こったことだから、それはそれで受け入れようって思うんだけど。でも、椎名は多分ちょっと違って。自分がどうのっていうよりも、なんか…

名村:そうだね、その芯の強さはないかもね、椎名には。

青山:そうそう。そこが違うって思ったんですよ。だから、その辺を今探ってますね。

話す青山さんと、それをきく名村さん

ーお互いの印象、次に見てみたい役

安齋:名村さんと青山さんは今回一緒にやるのが初めてですが、名村さんからみて青山さんはどんなお芝居の印象ですか?

名村:唯一ご紹介してもらったんですよ、俺。

青山:私が出たいっていったんですよ!(笑)

名村:初めてお会いした時に、それこそ芯の強さみたいなのはあるなあって感じがしたから。蛯原との椎名の関係性も、あれで成り立つだろうなみたいな。全幅の信頼をおいているという感じですかね。

青山:いやいやいや…(照)

安齋:青山さんの印象は最初と何か変わりました?

名村:あの…段取り苦手なんだなっていう(笑)

一同笑い

青山:ほんっとにごめんなさい!(笑)。 ほんとに苦手なんですよ!だから、必死ですね。柿丸さんとかすごいからやっぱり。松本さんも。

名村:その場でね。

青山:ね。パパっとね。だから、予習復習をやろうと思いました。

名村:おせーなー!(笑)

一同笑い

名村:ホントは俺もあんまり段取りは好きじゃないんだけど。しょうがないこともあるじゃん、段取りしなきゃいけないんだって。嫌々というか、あんまり感情に干渉しないようにしたいとは思いつつも。

安齋:青山さんは、名村さんが俳優で出演されているのをご覧になったりとかは?

青山:もちろん。「ビリー~」₁もみたし「アンカル」₂も観たし。

安齋:何か印象変わったりしましたか?

青山:舞台上で拝見させていただいてて。しかも蓬莱さんっていう、私の尊敬してる方の舞台に出られて、そこで主演をされて。私にとっては「わぁすごい!」「名村君てどんな人なんだろう!」みたいな感じだったので。やっぱり舞台上でも素敵でしたし。で、お会いした時最初に思ったのが「めちゃくちゃ長男だ」と。それが意外だった。

青山さん

安齋:どんなところが?

青山:すごい面倒見てくれる。面倒っていうか。ふとしたときに手を差し伸べてくれたというか。

名村:差し伸べたことないけど!!(笑)

青山:差し伸べてはないけど!なんていうの?(笑)

(後ろで見ていた)柿丸さん:王子じゃん!

一同笑い

青山:いや王子っていうより、長男なんだよねなんか。

名村:お姉ちゃんいそうみたいに言ってたよね最初。

青山:そう。最初お姉ちゃんいるのかと思ってたんですけど、しっかりされてるなって。なんか面倒みてくれる(笑)。「こっちだよ、あっちだよ、これは違うでしょ」とか。

安齋:いろんなところに「長男感」が。

青山:はい。ちりばめられてて。

ー今回の役どころについて

安齋:椎名は名村さんにとってどんな役ですか?

青山:聞きたーい。

名村:書いたときは、蛯原が思ってることも俺は思ってるけど、一方で椎名思ってることも俺は思ってる。矛盾した自分がいるっていう。二分化させたって感じなんだけど、キャラを。それを1人の人にするのは俳優さんに託そうと思って(笑)。青山さんが(椎名に)俺は合ってると思う。合ってるなっていうか、全体的に。親しければ親しいほど言葉は強くなるし、遠ければ遠いほど優しい音になるし、まじめな話をしたいときも優しい音になる。で、あっけらかんとイヤなこと言ってるのが、ちゃんと親しみの距離に見える人。それを違う人が言ったら、厳しい言葉言ってるのがきつく聞こえすぎるってのはあるじゃん。意外と難しいと思うんだよね、椎名が蛯原に色々言ってるのって。でも(青山さんの椎名なら)成立するだろうなと思ってたし、成立した。

話す名村さんと、それをきく青山さん

安齋:次に青山さんが演じるとなったらどんな役が見てみたいと思いますか?

名村:えーー?どんな役?(笑)。今回が割と振り回す方っていうかさ、翻弄する方じゃん?

安齋:私は翻弄される方だと思いました(笑)

名村:されつつなのかなぁ、じゃあ。お姉ちゃん見てみたいかも。お姉ちゃんと弟とかで共演してみたい。それはあるかも。

安齋:逆に青山さんが見てみたい名村さんの役とかありますか?

名村:俺の?!

青山:ナム君…。ダメな人、ていうのかな。どっちかっていうと、一生懸命に何かを進めていく役を私は結構見てるから。逆にそれがなくて、ふらふらしてる役、やったらどうなるんだろうっていうのは気になりますね。

名村:たしかに。それでいうと、青山さん自身が持ってる芯の強さみたいな部分が全く無い役とか、向上心のかけらもない役(笑)

青山:でも、椎名は途中である行動をするじゃないですか。それは、芯がある人はするのかなって思っちゃうんだけど。まあでもそれはまた別の話か!

安齋:たしかに、ちょっと違ってきますもんね。

青山:なんかそういうことをする人って、自分の中に不安があるから、埋めるためにそれをするっていうのかなって思った。

名村:そうだと思う。椎名はベースずっと不安なんじゃないかなと俺は思ってて。何かを埋めたいっていうイメージで書いた。でも、俺ホントに今日通してみないと分かんないことだらけで!だからまだ分かんないっていうのが正直な所ですかね。

安齋:最後に、青山さんの好きな映画は?

青山:好きな映画!?じゃあ、「海獣の子供」…でもやっぱり「もののけ姫」が好き。

名村:バケモノ系だね。

青山:バケモノが好きなのかも(笑)

一同:ありがとうございました!

素敵な笑顔を頂きました!

1「ビリー~」…「だからビリーは東京で。」劇団モダンスイマーズによる公演。23年、東京芸術劇場シアターイーストにて上演。公式X:@modernswimmers
2「アンカル」…モダンスイマーズ・蓬莱竜太さんによるソロユニット。21,23年「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」を東京芸術劇場シアターイーストにて上演。公式X:@incal2021


公式サイト:https://playnamu.com/

ご予約:https://www.quartet-online.net/ticket/playnamuplaysof01

namu公式X:@playnamu


聞き手・編集・写真:安齋彩音


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