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『あいみょん ・おいしいパスタがあると聞いて』アルバムレビュー【音楽】

あいみょん

おいしいパスタがあると聞いて

はいということで本日はあいみょん で

おいしいパスタがあると聞いてを紹介させて頂ければと思うのですが、

今作はあいみょん さんの3作目のフルレングスアルバムで、

12曲中4曲はシングルカットタイトルになっており、

彼女が2017年から2018年にかけて制作した400曲というストックの中から、

あいみょん さんが現在歌いたい12曲を選んで収録した曲になっております。

あいみょん さんにとって非常に密度の濃い時期に感じた葛藤であったり、

当時の思いがこのアルバムでは語られています。

インタビューで「トントン拍子って言われるのがホンマに嫌」と語っていて、

世間は順風満帆に見えているけど、本人しかわからない葛藤であったり

乗り越えてきた物を今作に反映されている気がします。

そのなあいみょん の新作をレビューさせて頂ければと思います!

今作も基本的にはアコギの弾き語りがベースになっていて、

その上に様々なサウンドのレイヤーが重なり、曲が壮大になっていきます。

非常にキャッチーな曲がある中に途中でバラードになったりと、

恋模様によって曲調が非常に変わるので、

様々な恋愛感をサウンドと共に体感できると思います。

黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を

同じメロディーなのに音質をバースによって変えることで、

全く違う印象を与えます

高校生の頃の青春を思い出させてくれる曲なのではないのでしょうか。

最初はマンダリンのサウンドがバッキングでなっているのですが、

そこにアコーディオンの様な音にギタードラムと続々とサウンドが顔を覗き始め、 アルバムが開幕します。

バースとバースで途中ボリュームを変えることで新鮮な気持ちで次のバースを聞くことができます。

また最後にアコギのみの弾き語りになるのですが、

駆け出しの頃のあいみょん さんの姿が最後に浮かんできて、

そのギャップに惹かれると思います。

この曲でお金というキーワードが出てくるのですが、

有名になりお金に余裕が出てきた現在も、

当時の反骨精神を忘れない為に自分自身に問いかけている印象を聞いていて感じました。

このお金は後々他の曲でもキーワードとして出てきます。 

ハルノヒ

この曲はアルバムの顔だと思うのですが、

マリーゴールドという曲に展開が似ていて、

バースからサビへの転換もはっきりとしていて、

キャッチーで聞いた瞬間あいみょん さんと分かるほど

特徴が現れているのではないのでしょうか。

ラストが非常に切なくサビとのギャップも良いです。

シガレット

1曲目2曲目とは売って変わって

軽やかなメロディーと70年代の様なジャパニーズファンクギターが、

爽やかな朝を想起させます。

サビはスピッツを想起させるメロディーは、

あっさりとだけどどこか日常を想起させられ

タバコの煙と共にベッドに沈みながら、

寝起きに聴きたくなる曲です。 

さよならの今日に

この曲の歌詞は個人的にグッとくるものがありました。

「切り捨てた何かで今があるなら 「もう一度」だなんて そんな我儘 言わないでおくけどな 

伝説のプロボクサー謎に満ちたあいつは明日をどう乗り越えたかな」

という歌詞は先が見えない中の世界で

連続した選択をしていかなかればいけない人や若者の気持ちの中をそっと開いて開放してくれると思います。

過去の選択が自分が作り出していて、その選択を振り返り後悔することもあるけど、

それでも進んでいかなければいけない時に聞くとそっと不安な気持ちをといてくれると思います。 

裸の心

このアルバム初のバラードになるのですが、

卒業式ソングだなと思いました。

素朴に優しいピアノと儚い歌詞が人生の中の別れと出会いを思い出させ、

思春期の人なら堪らない曲だと思います。

個人的には翼をくださいという曲に似ていて、

それが卒業式を想起させる要因になっているのかもしれません。

マシマロ

6曲目から一転ロック調に曲が変わります。

バンプを想起させる様なサウンドに、

軽快なテンポがアルバムの折り返しを予兆させます。

真夏の夜の匂いがする

何故かこの曲を聞いて

マイケミのママという曲とテンパレイを想起させられました。

バースとサビは全く違う印象を持っていて、 バースはジプシーギターの古屋敷を想起させられるメロディーではあるのですが

サビでは、2000年代初期のアメリカンロックに変化し、

そこから更に様々な形にカメレオンの様に曲が変化し、

最終的にイントロで曲が帰結していきます。

同じ曲なのに3つもの違う曲を聞いている気分になります。

ポプリの葉

優しいギターの音色はこのアルバムの中で一番好きです。

ビートルズのブラックバードを想起させられるそのギターは優しく温もりのある家庭を想起させられます。

そのサウンドとは相反して歌詞は

未練がある儚いものになっているので、

そのギャップもあいみょん さんらしさが出ていると思いました。

オルガンの音が非常にアクセントとして聴いていて、

淡い気持ちにさせてくれます。

全体的にみると

サウンドと歌詞のギャップ

サウンドとサウンドのギャップ

歌詞と歌詞のギャップ

曲と曲のギャップ

このアルバムの中で様々の中でそんな様々なギャップが感じられると思います。

その中で、

あいみょん さんが書いた曲なのですが12曲1曲ずつ違う人物かの様な恋模様が描かれていて、

1曲は確実に自分の感情と被る曲があるのではないのでしょうか。

そして、十人十色の恋模様を一つのアルバムで表現されているのが

あいみょん さんの人気の理由なのではないのでしょうか。

最新のアルバムなのにファーストアルバムの様に新鮮で

こねくり回していないありのままの感情が表現されている

ストレートに心に刺さるアルバムなのではないのでしょうか。


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